「第9地区」:心はいつも愛妻家
監督:ニール・ブロンカンプ
出演:シャールト・コプリー
米国・ニュージーランド2009年
滅法面白い!との大評判を聞いて急きょ見に行ってみた(最近このパターンが多い)。
結論から言ってしまえば、それほどのもんか~(?_?;--である。
確かに、予算は少なくてもアイデアとセンスで勝負みたいなB級SF王道作品が少なくなってきてるとはいえ、ね。描かれている状況がアパルトヘイトを思い起こさせるが、社会批判というよりはパロディっぽいイメージだ。
場所や設定は異なるけど、確かに『アバター』に似ている(あれもオールドSFの王道だし)。
こちらの異星人は故障した巨大UFOに乗って南アのヨハネスブルグ上空に漂着。地上の難民キャンプへと隔離されウン十年経過する。そこはもはやスラム化しているのであった……。
主人公の難民立ち退き計画の責任者が、なんだかイヤな奴である。愛妻家という以外にはいいトコなし!(異星人の卵平然と焼いちゃったりするし)
その彼が異星人と敵対する立場(その背後に利権をむさぼる大企業あり)から、否応なしに彼らの世界へと巻き込まれていく以降はますます『アバター』と似てくるかな? ただ向こうは友愛とエコロジーの世界だが、こちらは暴力とグロの世界である。おまけに異星人の外見は超が付くほどに醜い(のわりには仕草は地球人と変らないが)。
でも、ラストの主人公の健気な姿には、ちょっと同情しつつカワユイなんて思ってしまったよ。
戦う度に血はドバドバと流れ手足はふっ飛ぶ--のでその手の映像が苦手な人には到底お薦めできない。ここにも悪役の民間軍事企業のキャプテンが登場。主人公をとことん追いかけまくる。
ふくみを持たせた終盤の展開は続編が作られそうだ。異星人の正体もよく分かってないし(もしかして、人間以上の階級社会か?)。監督は長編映画第1作目だそうだが、やはりここは『アバター』同様三部作目指して頑張っていただきたい。
ただ擬似ドキュメンタリー仕立てということもあって、顔のドアップ&手ブレカメラ&2時間以上という最近流行のスタイル。これだけはもう勘弁して欲してくれ~(x_x)
A級志向の方は『アバター』、B級志向のSF野郎はこちらを。両者の最大共通点は「それほどのもんか?」である--って言っちゃダメか?
B級度:9点
主人公好感度:5点
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