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2010年6月26日 (土)

「エコー・パーク」上・下

100626
著者:マイクル・コナリー
講談社文庫2010年

イアン・ランキンのリーバス・シリーズと共に愛読しているもう一つのミステリ・シリーズ新巻も刊行(!o!) 立て続けに読めて嬉しいことは嬉しいが、また何年も間隔が空いちゃうんだろうねえ……

さて、この刑事ボッシュのシリーズ、前作の『終決者』はエラく感動したのだが、その後に出た別の弁護士を主人公にした『リンカーン弁護士』については、世評は高くとも個人的には今イチであった。

今回の作品では迷宮入りの事件を再捜査する部署にいるボッシュが、昔自分が解決できなかった連続殺人の犯人が突然浮上。司法取引で遺体の場所を明らかにするというのである。そこで犯人を獄外へ連れ出して、現場へ案内させる事になったのだが……。

この件りの描写は極めて緊迫感あふれて素晴らしい。もう読んでてドキドキしてしまった。
だが、後半に至ると段々ボルテージが下がっていく感じ。前々作で関わったFBIの女性捜査官が登場するが、なんだか話の展開をうまくさせるために無理やり引っ張ってきた印象がある。
また自宅待機中なのに色んな所に出没しておとがめはないのかとも思ってしまう。結果オーライなのか。それと主筋には関係ないが、放りっぱなしの部分があったのも気になった。前半に比べて後半は荒っぽい。

……などと不満を書いてしまったが、やはりそれは前作の『終決者』が出来が良過ぎたからである。事件とその真相については文句はないので、皆さん新刊書店でぜひご購入下せえ。(^人^;)


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