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2010年7月25日 (日)

「ルポ 差別と貧困の外国人労働者」

100725
著者:安田浩一
光文社新書2010年

読んでいてウツになるのは必至であろう。
工場、近年では農家などの単純労働は、好況時はブラジルの日系人が担い、不況になってからは彼らは解雇され、中国からの「研修生」を使うようになったという。それは「単純労働者を受け入れない」という政府の方針の下、「例外」として認められてきたのである。

この本では前半が研修生、後半に日系ブラジル人が取り上げられている。
「研修生」が携帯電話、パソコンの所持を禁じられ、通帳、キャッシュカード、パスポートを取られて長時間・低賃金で働かされる実情はまさにタコ部屋か女工哀史か、としか思えない。少しでも不平を訴えたら直に強制送還である。しかし、そうすると本国で違約金を取られてしまうのだ……

冒頭で彼らの中の「成功者」数人にインタビューしているが、その中の一人は日本にいた三年間に労働現場である農家の近所以外に出て観光したのは一度だけ。それ以外の日本は知らない。朝6時半から夕方5時まで働き、夕食の後は深夜まで大葉をビニールに詰める作業していたという。

これを読んでからスーパーで小袋に入った大葉を見る度にウツな気分になってしまうのであった。


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