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2010年7月31日 (土)

「トイ・ストーリー3」(字幕版):「夢織人」が懐かしい!って、そういう話じゃないけれど

100731
監督:リー・アンクリッチ
声の出演:トム・ハンクス、ティム・アレン
米国2010年

このシリーズは1作目が1995年、2作目が1999年製作。昔見た記憶もかなりアヤシイ--ので、再見するにもここはレンタルよりもいっそ買ってしまえ~ということで、急きょDVDを購入して復習。これで準備万端だぜっ。
3Dは正直のところ、『アリス・イン・ワンダーランド』で満腹状態になったんで2Dにしようと思ったが、なんと字幕の2Dはどこの映画館でもやってないのだ(!o!)ショ~ック 字幕は絶対譲れないので、仕方なく3D字幕版を選択したのであった。

3作目にしてジョン・ラセターは監督から外れてしまったのね~。まあ、ディズニーのアニメ部門の責任者になっちゃったから仕方ないか。
かつての腕白小僧だったアンディはすっかり成長して立派な好青年に! さぞご両親もご自慢でしょう……って、この家はシングル・マザーだったっけ。
彼が遠くへ大学進学するので、おなじみのオモチャたち(つっても、だいぶ仲間の数が減ってるようで(~_~;))は戦々恐々。2作目で「大学や新婚旅行に連れて行ってもらえるわけがない」と指摘されていた事態が実際に起こりつつあるのだ。
がっしかし、幸運なことに一番のお気に入りのウッディは進学先へ連れていってもらえることになったのであ~る。
残りのオモチャは保育園へ寄付されてしまい「また子どもと遊べる」と喜ぶ一同だったのだが--。

本来子どもが大勢いる保育園が、なんだか見捨てられたオモチャの行き着く果て、というか老人ホームっぽいのが皮肉である。さらに話が進むと収容所のようにも見えてくる。
さ~て、彼らの行く末はどうなる

相変わらず涙あり、笑いあり、アクション場面あり、加えてお子ちゃま無用の大人だけに分かる悲哀あり。よく出来たもんである。小ネタも随所で効いていて、「監視ザル」のエピソードなんか隣席のおねーさんがウケまくってギャハギャハ笑いをしていた。また、日本の某アニメの某有名キャラクターが特出。ピンクのクマはマフィアのボスに見えなくもない。

それにしても意表を突かれたのは三つ目のエイリアンである。まさか彼らがこんな活躍をするとは……(-O-;) 一作目から登場しているが単なるお遊びの小ネタキャラだと思っていたのよ。見損なっていた。正直すまんかった_(_^_)_ペコリン グッズ買っちゃおうかなっと

怒濤の展開を経て、ラストはアンディが真に子供時代に別れを告げ大人になり、オモチャたちが彼らにふさわしい場所を得る。嬉しい \(^o^)/がちょっぴり寂しい(;_;)--という物語である。
この作品に不満があるとすれば、感動的過ぎることだ。
ひ、ひねくれ者は簡単に感動なんかしないんだいっ(>O<) そんな感動させるな、バカー……てな感じですか。
おまけに泣いちゃったし--。いや、泣いたというより気付いたら涙を流していたのである。普通のメガネと3Dメガネ二重かさねにしてたら涙ふけないじゃないか。どの場面で泣いたのかはナイショだよ(~ へ~)
やはりピクサー軍団最強と再認識するのであった。

見ていて3Dという意識はあまりなかった。このぐらいがちょうどいいかも。2Dとどう違うのかはDVDが出てから確認するか。
むしろオマケの小品『ナイト・アンド・デイ』の方が2Dと3Dの違いをパロディにしているような内容であった。

ただ、第1~3作でどれが一番好きかと聞かれたら、世評と違って私は第1作目と答えるだろう。1作目はピクサーの初の長編であり、技術的には今より遥かに劣っているだろうが、彼らの短編アニメに見られるような単純な動きの面白さが強調して描かれている。
ストーリーもシンプルでそれだけに力強く訴求力がある。特にバズの墜落の場面は悲哀に満ちていて、何度見ても胸を打たれるのだ。


泣かせ度:10点
笑い度:9点


ところで、他のブログの感想を読んでいて気になったのは字幕版の感想がほとんど見つからなかったことである。3Dで字幕だと見にくいから仕方ないのだろうがそれにしても、である。
そこで、どんなもんかと1作目のDVDを吹替え版で見直してみた。
まあ、当然なことといえば当然なのだが、ランディ・ニューマンの歌も日本人歌手の吹替えになっている。
あえて、ハッキリ言わせてもらおう、コホン(←咳払い)

もうそれだけで 吹 替 え ダ メ ダ メ 度 2 0 0 パ ー セ ン ト 増 し ~ ですから!

2・3作目と違ってR・ニューマンは数曲を彼自身が歌っていて、しかも登場人物の心理を代弁しているのだ。それを全く違ったタイプの若い(当時は)歌手に歌わせるとは……。論外である。肝心の墜落場面も感動9割減間違いなし。

唐沢ウッディはちょっとカッコ付け過ぎの感あり。違うキャラクターみたい。所バズに至っては(無言)。それになんてったって字幕版じゃ軍曹がリー・アーメイ(『フルメタル・ジャケット』の元本物の鬼軍曹)だい。

ということで、これから1作目を見ようという人は字幕版をお薦めしたい。ただ、字幕で全作通してみると「カミサマ~」が出て来ないんだよね。

【関連リンク】
《macska dot org》より
「子ども向け劇場アニメが描く「マルチチュード的革命」/ジュディス・ハルバースタム講演報告」
「『レミーのおいしいレストラン』の場合/「ゲイな映画」と「クィアな映画」のあいだ」
数年前の記事ですが、ピクサー・アニメを初めとする作品群について。
実は私『Mr. インクレ』は苦手(^^; 『トイ・ストーリー』はどちらに分類されるのかな。


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