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2010年7月10日 (土)

「ボローニャの夕暮れ」:父よ、あなたは変だった!

100711
監督:プピ・アヴァティ
出演:シルヴィオ・オルランド
イタリア2008年

広告ではまるで心温まる感動作の如き宣伝がされていて初めは興味はなかったのだが、ストーリーを聞くとどうも感動的な話には思えない。
ということで見に行ってみたが、なんと感動どころかとんだ「珍作」(?_?;であった。

大戦前のイタリア、高校教師の主人公は内気な娘を心配するあまり、イケメンのモテ男生徒に「娘と仲よくしてやってくれ」と成績をチラつかせ頼むのであった。
--と、ここで不思議なのは普通父親としてプレイボーイの落第生なんて、一番娘に近づけたくないタイプの男だと思うがどうよ やはりここは文武両道の優等生を選ぶのが普通でしょう。

ところが校内で殺人事件が発生、なんと容疑者に自分の娘が……(!o!) 精神病院送りにされてしまうのであった。

結局、ストーリー上では全てのトラブルの原因は主人公の美人の妻にして娘の母親に帰されてしまうのだが、これには驚いた。どう見たって、原因は父親の性格だろう。疎遠な妻との関係を外面だけ取りつくろい、娘の周囲を気配りしているようでやはり外見を取りつくろうとしたのが、裏目に出たとしか思えない。
彼がやるべきだったのは、物わかりのいい夫・父親ぶることではなく、全てをかなぐり捨てて妻へ「私と娘にはお前が必要なんだ~~(>O<)」と懇願することじゃなかったのかね。

一応、戦争を背景にしているがなんだか取ってつけたような印象。廃墟の中を走る路面電車の場面はみものだが。
不倫を匂わせる妻と主人公の親友との関係の顛末もなんだか消化不良だった。これでメデタシメデタシの感動的結末とかいわれてもねえ……(+_+)
情けない父親役のシルヴィオ・オルランドをはじめ、役者陣には文句はな~し。

さらにストーリーとは別の点について。画面を見ているとなんだかピントがあったり外れたりする。上映の不手際で微妙にピンぼけ状態になることがあるけど、それとは違ってカメラの動きとピントの合わせ方が同期してないという感じだ。
加えて、編集もなんだかスムーズじゃない所がある。学生映画並みとは言わないけどさ。
こんな要素も加わって「珍作」なのであった。


ここしばらく、映画系サイトの隅から隅まで眺めても、見てみたいという作品が見つからなかった。一週間ぐらいなら以前にもあったが、こんなに長期間見たいものが出て来なかったのは初めてである。
なんだかなあ


ボローニャ度:7点
感動度:5点


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