バッハ・コレギウム・ジャパン第89回定期演奏会:現代日本の選挙でもお願いします
ライプツィヒ時代1727~29年のカンタータ1
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2010年7月2日
今年度の定期第1回目の「マタイ」は知人にチケットを譲って、さいたま芸術劇場で聴いたので、今回初めて定期の座席に座った。だが、遠い~ こ、こんなはずでは……(~_~;) 次からは座席の希望の出し方を変えてみよう。
今回はトランペットとティンパニが入るカンタータが2曲あり--ということで、ティンパニはガイジン招聘組であった。またチェンバロは鈴木(息子)氏ではなく別の女性奏者が入っていて、さらに鈴木(兄)氏も指揮しながらもう一台を弾いていた。
またCTのロビン君が絶好調で活躍だったのも印象に残った。コラールを元にしたBWV117のアリアでのトラヴェルソと共に伸びやかな歌声を聞かせ、次の120番ではいきなり第1曲目から入る難しげなアリアを歌い、ラストの34番も感動であった。
祝祭的な120番は市の参事会交代式で演奏されたそうである。「いざ、主よ、この市政をあなた自らの祝福もて浄め給え! あらゆる不正が我らから離れ去り、正義が我らの住まいに咲き誇り……」
日本でも選挙や総理大臣が変わる度にこの曲をやった方がいいかも知れないのう。
98番の冒頭合唱はゆったりとした合唱に細かく弦がからんで聴きごたえありの一曲。また、この3曲目にあるハナ・ブラシコヴァのソプラノ+オーボエのアリアが感動的であった。120番でもそうだったが、ソプラノと独奏楽器と通奏低音という組合わせの曲はもうバッハ先生の独壇場といった印象だ。
しかしこの日ベストだったのは、曲の長さとしては4曲中で多分最短だった34番だろう。
トランペット(一部分コケてた気もするがキニシナイ(@∀@))とティンパニが活躍する壮大な合唱曲を聞かせたと思ったら、次にテノールのレチで一転そして続くアルトのアリアが極めて穏やかで清澄な世界を形作ってウットリと聞かせる。その後はバスのレチに行ったかと思うと間髪入れずに再び力強い合唱に戻るという、短いながらもキマった構成であった。
ラストの小気味良いティンパニの連打がビシリと決まった時には、思わずバッハ先生バンザーイ \(^o^)/と叫んだ……りはしなかったが、マチャアキ氏の背中に惜しみない拍手を送ったのである。
なお、これがしばらく前の古楽レクチャーで取り上げられていた、ロシアで歌詞本が発見されたために初演年がずっと早まったという作品である。
ところで、今回なんだかやたらに学生風の若い人が目についたが気のせいか? それともよく美術館で見かけるように、「ここに行って感想書いてきなさい」なんてレポート課題でも出たんだろうか
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コメント
あのティンパニのおじ様、カッコ良かったですね!
三階席から双眼鏡で、じっくりそのプレイ振りを見てましたが、ほんとに面白かったです。
「ティンパニ一筋50年・・・」みたいな方なんでしょうか(笑)、単純な楽器だけれど演奏全体に与える影響は、計り知れないものがあると感じました。
もうずっと以前からBCJ定期会員ですが、色々な場所を渡り歩いた結果、ニ階か三階のRかL(サイドバルコニー席)の、40番あたりが音と見た目のバランスがベストだと思います。
一階は音が頭上を通り抜けてしまうし、二階中央バルコニーは遠すぎますね・・・。
投稿: REIKO | 2010年7月 5日 (月) 10時25分
一階からだとティンパニおぢさんの活躍の姿はよく見えませんでした。残念
確かにどこが音がいいのか分かりませんね。二階中央の最前列の端がいいというのは聞いたことがあるような気がしますが、サイドというのは想定外でした。
他のコンサートの時にそのあたりを買ってみようかしらん……(^^;
投稿: さわやか革命 | 2010年7月 7日 (水) 06時57分