バッハ・コレギウム・ジャパン第90回定期演奏会:二代目襲名披露
ライプツィヒ時代1727年~29年のカンタータ2
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2009年9月15日
今回のソロ歌手たちはガイジン勢常連ベストメンバーといった趣きである。
その中で、一番の活躍はP・コーイだったようだ。全曲で目だっていたけど、特にBWV159番では冒頭でロビン君のアルトとの掛け合い、そして締めとも言うべきアリアからそのまま舞台前面に立ったままコラール合唱を歌い、終わった時に指揮をしていた鈴木(兄)雅明にニコ(^^)と笑いかけたのが印象的だった。
ソプラノのR・ニコルズは独唱での登場は少なかったが、BWV188でのレチが短いながらも強い印象を残した。さすがレイチェルたんというところか。
しかし、実のところ私にとって一番強烈だったのは第1曲目のBWV156のテノール・アリアだった。シンフォニアに続いて始まったこの曲は、地を這うような通奏低音、中音部を徘徊するような弦、所々に挿入されてくるソプラノ隊のコラール、その間をすり抜けるように歌われるG・テュルクのソロ--と、なんだか世界が四つに分割されバラバラに漂って行ってしまうのをかろうじて繋ぎ止めている、というような不安定で変(-o-;)な曲である。聴いていると世界が歪んで行くような気がする~
パンフの解説には聴衆の思いを墓へと向けさせる旋律線とあるが、それにしても変過ぎである。
こんな面妖な曲を作って立派に成立させられるのはバッハ先生だけっ\(^o^)/
オルガンの調整が手間取ったためか、BWV188は休憩が10分伸びて始まった。冒頭のシンフォニアでオルガンが大活躍する曲である。それまでチェンバロ担当の鈴木(息子)優人がオルガンに移動して弾きまくった。その様子は父親譲りの暴奏かってなもん。心なしか、代わりにチェンバロを弾くマチャアキ氏の背中は、「二代目、後は任せたぜい」的な風情を背負っているように見えたのであった。
オルガンとの絡みで言えば、アルトのアリアも歌とオルガンがくっ付いてるような離れているような、これまた変な響きの曲であった。
ラストのBWV171は新年用のカンタータということで、トランペットとティンパニが参加。締めのコラールの一節ごとに華々しい後光のようなフレーズを付け加える。珍しくやったアンコールはこの曲だった。
今回も満足でした(^_-)d
ロビーではマチャアキ氏指揮のマーラーのチケットを売っていた。係の人が「本人が遂にマーラーをやりたいと希望しまして」……ホントかっ
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