「トラブル・イン・ハリウッド」:たかがヒゲと犬、されど……
監督:バリー・レヴィンソン
出演:ロバート・デ・ニーロ
米国2008年
これはロバート・デ・ニーロ扮する映画プロデューサーの激動(?)の2週間を綴った物語である。原作は本物のプロデューサーの回顧録とのこと。
ハリウッドのプロデューサーというと、華々しいJ・ブラッカイマーあたりの売れっ子を思い浮かべるが、どうも実情は違うようである。
○月×日 新作の特別試写会でエンディングがひどいとブーイングを受ける。
○月×日 社長からエンディングをなんとかしないと公開中止と宣告される。
○月×日 前妻とヨリを戻したいが、男がいるのではないかと疑う。
○月×日 ブルース・ウィリスが撮影に入るのに、デブデブ体型にモジャモジャヒゲを生やして出現。こんなんじゃ主役は無理だ~(>O<)
とまあ、かように非生産的にして非芸術的な毎日なのであった。
コメディと銘打ってはいても、口を開けてギャハギャハ大笑いをするような代物ではない。シニカルで冴えないトホホ笑い(^レ^;)がふさわしいような話だ。
出演俳優の豪華さに惹かれる人もいるだろうが、それで期待していくと大いに裏切られるだろう。
主役のデ・ニーロはケータイ片耳に(片手ではない)いつも追いまくられ(突き出た腹の露出サービスあり)、キャサリン・キーナーは厳しくてコワ~い社長、ジョン・タトゥーロはストレスで胃病のエージェント--といいヤツは一人もなし。
ブルース・ウィリスはご本人役でよくこんなを引き受けたなあと感心してしまうほど。だって、ヒゲ切るのイヤだーっ
と暴れるんだよ。
一番、笑えたのはマイケル・ウィンコット扮する監督だ。外見はストーンズのキース・リチャーズみたいでとんがった野郎風だが、その実……(o_ _)ノ彡☆バンバン 今でも思い出すと笑ってしまう。
このモデルは誰だろう? 原作は実名で出ているんだろうか。彼が作った問題作は『フィアースリー』(?)というタイトルなのだが、同じく「フ」で始まる映画を作った監督がそうなのかな~ 知りたいぞ。
それと、問題となる「犬」は今年の最優秀動物賞ノミネートかな。
撮影所でスタッフ一同、B・ウィリスがヒゲをどうするか固唾を呑んで待ち受ける場面はおかしいというか、バカバカしさの極みである。スターのヒゲが左右する世界--たかが映画、されど映画である。
このマッタリとしたバカバカしさに耐えられる人にだけオススメしよう。
なお、某人気タレントがTV番組でこの映画を「見なくていい」と酷評したとかいう噂あり。単館ロードショーでやってるマイナー作品でそんなこと言われたら致命的じゃないの。もっとも却って宣伝になったかしらん。
爆笑度:5点
情けなさ度:8点
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