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2010年10月26日 (火)

「アレッサンドロ・スカルラッティ生誕350年記念 オラトリオ編」:福音史家はつらいよ

101026
イタリアン”パッション”
演奏:ジャンルーカ・カプアーノ&イ・カリッシミ
会場:北とぴあ つつじホール
2010年10月19日

知らなかったが、今年はA・(父)スカルラッティのメモリアルイヤーなのだ。この公演は2回目。9月の「カンタータ編」は連チャンになってしまうので自重して行かなかった。しかし、今回のオラトリオ編は鼻息も荒く勇んで北とぴあに向かったのであーる。

指揮と鍵オルガンのG・カプアーノは本場イタリアで活躍中、教会オルガニストや様々なグループを主宰しているとのこと。

前半はモテット3曲とオラトリオの中のアリア2曲。モテットはかなり当時からすると古風な形式で、かなりポリフォニーを重視した合唱曲である。これを各声部二人ずつで歌った。メンツはBCJなどでおなじみな歌手ばかりなので危なげなし。
アリアの方はオラトリオ「ユディト」からテノールの櫻田亮が独唱。さすが、得意技のイタリアものとあって、見事な歌いっぷりに会場からは熱い拍手が巻き起こった。

休憩を挟んで後半は「ヨハネ受難曲」一本勝負。ここで、通奏低音だけでなくヴァイオリンなどの楽器も追加される。
バッハの劇的な要素が入った作品とは違って、福音書をそのまま福音史家が休むことなく歌い続け、セリフの部分だけを他の歌手たちが出たり入ったりして歌うという形式だった。しかも歌うのはテノールでなくて珍しやカウンターテナーなのだ。これは青木洋也が担当したが、当然ながら彼はほとんど50分近く歌いっぱなしだった。終わった時は思わずご苦労さんですm(_ _)mと言いたくなったほど。
彼以外では、やはりイエス役の萩原潤が目立っていた。

福音書を朗読しているような感じでバッハとは違うとはいえど、しかし同時に共通の部分も見受けられた。「バラバ!」と合唱が突っ込むところとか、イエスが歌う時は弦が光彩のように入るとか……。バッハの受難曲もまた過去の様式を受け継いで作られたのだなあと実感したのであったよ。

なかなか演奏される機会がないプログラムだったが、残念ながら6分ぐらいの入り?だったようだ。確かにとっつきにくい内容ではある。でも、聴けて満足であ~る

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