« 「小さな村の小さなダンサー」:別名・純真無垢なバレエ青年を西側退廃女子の魔手より奪還せよ! | トップページ | 「男たちのマドリガル」:男たちが歌えば女たちはかしまし »

2010年10月11日 (月)

ヴィーラント・クイケン&レ・ヴォワ・ユメーヌ:鐘を鳴らすのは天使でも悪魔でもオッケーよ

101011
ファンタジアと鐘、天使と悪魔
会場:浜離宮朝日ホール
2010年10月7日

W・クイケンとカナダ出身の女性ガンバ奏者二人組、そしてチェンバロという組合わせの公演である。サブ・タイトルで説明されているように、鐘にちなんだ曲を中心に、パーセルのファンタジア、「天使と悪魔」と評されたマレとフォルクレ、さらにマレの師匠であるサント・コロンブをやった。

組合わせは、女性コンビだけで弾いたり、その内の一人とクイケンがやったりと色々である。楽器はメガネをかけた女性(M・リトル?)の方がバスだけでなく、小型のものに持ち替えていた。配られたプログラムには「トレブル」と書いてあったが、会場で「パルドシュ」と訂正の掲示があった。後で調べたらトレブルよりもさらに高音の「パルドシュ・ド・ヴィオール」のことらしい。知らなかった(!o!) また一つ賢くなりました

「鐘」テーマ作品では、まず名前を初めて聞くルベーグという人の曲。大きな二つの鐘が低音で鳴りかわすようなイメージをガンバ2台で表現する。
ご存じマレの「サント・ジェヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘」では、ヴァイオリンのパートをパルドシュ・ド・ヴィオールで弾いた。同じ曲をこのコンサートで聴いた時にはガンバとヴァイオリンが対立するように聞こえたが、楽器が変わると(同じガンバなだけに)融和的に感じられたのが面白かった。パルドシュは極めて繊細で押しの強くない音であった。

モワローという作曲家の「オルレアンの鐘」はチェンバロのE・ミルンズの独奏。もはやバロックの様式ではなく極めて写実的だった。
一方、それより一世紀遡ったジェンキンズの「五つの鐘」となると……様式的なのが過ぎてタイタニックのように轟沈する聴衆多数。私も沈没しかかりました(^^;ゞ

そして、今回一番良かったのはサント・コロンブだった。レ・ヴォワ・ユメーヌの二人で一曲、そしてクイケンがソロで一曲やったが、特に後者に聞き惚れた。さすが腐っても枯れてもクイケン(いや、腐ってないし元気ですが)である。サント・コロンブは録音で聞くとどうも晦渋な感じで聞きにくいのだが、実演だと全く異なるのは不思議である。

全体的にクイケンは大きく成長した娘たちを優しく見守るおとーさん風。双方とも和気あいあいと弾いていた。

アンコールの曲もよかったが誰の曲か不明。掲示されてたかも知れないけど見損なってしまった
TVカメラが入ってたからその内に放送されるだろう。
正直のところ、ガンバのコンサートだと朝日ホールでも大き過ぎるようだった。おまけに後方の席はかなり空いていた。なんでだ~(-.-;) 値段が安くて、さらに二公演(夜はクイケン単独)だから武蔵野の方へ行った人も多かったのか? 私も行きたかったが、大連チャンになってしまうので自粛したのであった。残念よ(泣)

【関連リンク】
〈やーぼーの聴楽雑誌〉
西宮公演に行った方の感想です。

| |

« 「小さな村の小さなダンサー」:別名・純真無垢なバレエ青年を西側退廃女子の魔手より奪還せよ! | トップページ | 「男たちのマドリガル」:男たちが歌えば女たちはかしまし »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ヴィーラント・クイケン&レ・ヴォワ・ユメーヌ:鐘を鳴らすのは天使でも悪魔でもオッケーよ:

« 「小さな村の小さなダンサー」:別名・純真無垢なバレエ青年を西側退廃女子の魔手より奪還せよ! | トップページ | 「男たちのマドリガル」:男たちが歌えば女たちはかしまし »