「狂気と憂鬱」:若さと技巧、そして生真面目さ
アンドレアス・ベーレンと仲間たち
演奏:アンドレアス・ベーレン、渡邊孝、懸田貴嗣
会場:近江楽堂
2010年9月29日
この週はリコーダー週間--というわけではないが、一昨日のガット・サロンに続いて、リコーダーのアンサンブルである。しかも編成は全く同じの三人組。
ただし、大きな違いは平均年齢。大幅にググッと下がっている 表看板のA・ベーレンはなんと御歳28歳とのこと。お肌はスベスベ、スッキリ細身の若いモンである。先日のダン・ラウリンと比べたら年季の差はウン十年、さらに関係ないけどお腹周りは半分以下の細さであろう(当社推定比(^^;)。古楽だけでなく、ジャズでアルト・サックスも吹いているそうな。
さて、「狂気と憂鬱」とは17~18世紀のイタリア音楽に常に存在している相反する要素だとのこと。音楽はこの二つの絶妙なバランスに支えられているのだという。
前半は渡邊氏の解説によると「当時のライト・ミュージック」を演奏。バロック初期に流行ったヒットソングの類いを元に当時の作曲家が作ったというものである。同じテーマの作曲家違い、なんてのもやった。
即興曲もまじえながら、ベーレンは当時の素朴な曲に付けられた細かい装飾音を吹きまくっていた。また、チェロの懸田氏はミュゼット(?)や打楽器を模した通奏低音を聞かせてくれた。
曲によってチェロが抜けたり、渡邊氏のソロになったり、曲間にさりげなく出たり入ったり
後半は時代を下って18世紀前半にリコーダーのためにかかれたソナタ2曲が、チェロ・ソナタを間に挟んで演奏された。縦横なリコーダーのお手並みを披露。
チェロ・ソナタは時代的にはプレ古典派ぐらい(?)だが、チェロとチェンバロの掛け合い的なところが強調されてて面白かった。
ただ、当然ながらラウリン一座の時みたいに楽しくリラックス--なんていう域までは行かなかった。まだまだ若いんで今後の精進に期待である。
会場の近江楽堂については、この時期は暑くもなし寒くもなしなので、大丈夫だろうと思って真ん中のブロックに座ったら、頭上より使い込んだエアコンが発するような饐えた臭いの風が降って来るのであった(>O<)
以前はこんなことなかったと思うんだけど……もう真ん中の席はダメですね(x_x)トホホ
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