「男たちのマドリガル」:男たちが歌えば女たちはかしまし
ラ・フォンテヴェルデ第12回定期演奏会
会場:ハクジュホール
2010年10月8日
鈴木(弟ヨメ)美登里が主宰するグループのラ・フォンテヴェルデ、今回のコンサートはソプラノ女性陣は裏方に回って男声6人だけのプログラムを実施。そのせいか客席は若い娘さんからオバハン・オバーサンまで女性が約8割を占める次第となり熱気が充満していた。こんなに女が多い会場は久し振りであ~る
さらにゲストにはギターの荘村清志を迎えるという豪華版だった。
ルネサンス期~バロック初期の作曲家--メールラ、モンテヴェルディ、ジョスカン、ヴェルトなどの声楽曲を、6人が入れ代わり立ち代わり色んな編成で歌うという趣向である。歌いながら入場してきたり、二人のテノール(櫻田亮、谷口洋介)がデュオで歌うバックで残りのメンバーがハミング付けたりした。
笑えたのはバンキエーリの「動物たちの対位法」という曲で、バス二人がラテン語でお経みたいな旋律を歌うところに、犬やらネコやらカッコウなどの鳴き声が加わるのであった。これはアンコールでもやって、犬とネコが大仰にケンカしたりして、さらに笑いを取っていた。
合間にはギター独奏なども挟んで、ラストはフレーチャー(フレッチャ?)の「ラ・ボンバ」へ突入。これはクレマン・ジャヌカン・アンサンブルもコンサートでやってたけど、遭難した船乗りたちが命からがら助けられて祈ったりバカ騒ぎする(^o^;というユーモラスな大曲である。会場は拍手喝采となった。
アンコールではこの日は武満徹の誕生日ということで、彼の曲を歌った。客席からは歓声も上がったが、私には猫に小判だったようだ(+_+)
日本でこの手の曲目をこれだけ聞かせてくれるグループは他にないだろうと思われる。そういう意味では充実度高いコンサートだった。
メンバーで目立っていたのは、櫻田氏とカウンターテナーの彌勒忠史という印象だ。ただ、クレマン・ジャヌカン・アンサンブルみたいに各人は個性ありまくりの歌手なのに、全体では完全に融和しているという域にはまだ達していないようなので、これからも頑張って下せえ。
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