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2010年11月17日 (水)

「ロベルタ・インヴェルニッツィ ソプラノリサイタル」:モンテヴェルディじゃダメかしらん

101116
さらなる美に
会場:北とぴあ つつじホール
2010年11月7日

前回の来日ではヘンデルを中心に歌ったR・インヴェルニッツィであるが、今回は時代をさかのぼって初期バロックの歌曲を、テオルボ一挺をバックに歌うというやや地味目のコンサートだ。
意気込んで鼻息も荒く--というよりは時間ギリギリになって息せき切って会場に飛び込んでみれば、前回のイタリア文化会館では満員だったのに、この日はなぜか六分の入り。後ろ半分はほとんど空席ではありませぬかっ 同時代のプログラムであった同じロベルタでも、マメリの公演の時は会場は小さくても客は多かったはず(?_?) 宣伝が足りなかったのでありましょうか。それともヘンデルじゃないとダメなのか。

とはいえ、こちらのロベルタ女史は若~いテオルボ弾きのマルキテッリ君(くん付けで呼びたくなる)を引き連れて赤いドレスで登場。颯爽と歌いまくったのであった。
取り上げた作曲家はカッチーニ、カリッシミ、ロッシ、ディンディアそして定番モンテヴェルディだった。
合間にカプスベルガーやピッチニーニのテオルボ独奏曲が挟まれる。その時は、彼女は隣りの椅子にちょこんと座って耳を傾ける風情だ。

彼女の歌い方は一つの曲を一定の強さで流していくというのではなく、息の中で喋るように強弱を付けているように聞こえる(トーシロなので何という歌唱法なのか知らず)。前回の公演の後、ヘンデルのCDを買って聴いたのだが、そこではフツーのソプラノ歌手という印象だった。しかし、今回再びナマで聞いてみるとやっぱり録音とは全く違っている。ナゾである。
そしてまた前回同様、大きな歌劇場で歌う時にはどう聞こえるのか、オペラを歌うのも聞いてみたいと改めて思ったのであった。

ラストのモンテヴェルディやアンコールの「うるわしのアマリリ」は、最近はアッサリ味の歌で聞き慣れていたのだが、彼女のヴァージョンはいかにもイタリア風の情念が立ち上る濃ゆ~いものだった。

周囲の客や、CD売り場にたかっている人の話に耳を傾けるとどうも古楽ファンというより、オペラのファンが多かったようである。
休憩中には隣席の奥様にいきなり話しかけられた。「なんだか知らない作曲家ばかりねー」「あ(^^;でも最後にやるモンテヴェルディは有名かと……」「私、モンテヴェルディ好きじゃないのよね」
ギャ~~ッ(>y<;)そんな大胆な事を大きな声で言ったら日本全国におよそ百万人はいると思われる(当社推定値)モンテヴェルディ・ファンに後ろから刺されるぞー
冷汗モンであった。


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コメント

>日本全国におよそ百万人はいると思われる(当社推定値)モンテヴェルディ・ファン

(笑)

確かにオペラではどうなのか?興味ありますね。
イタリアって結構古楽の歌手や演奏家はいるようですが、バロックオペラ自体はあまり上演されていないですよね?なんだかその辺りも気になりました。

そうそう、全く関係ない話で恐縮ですが「マチャアキ、イメチェン」というのがずっと気になっていたのですが、もしかして裸足のチラシですか??クリスティも裸足のCDジャケットがあったような気がしますが、何故裸足になるんでしょうかね・・フフ・・

投稿: アルチーナ | 2010年11月17日 (水) 11時31分

以前は、イタリアは古楽後進国などと言われていた時期がありましたが、まだバロック・オペラの復興というところまでは行っていないのかも。

マチャアキ氏の「イメチェン」は、そうです(^o^;裸足のチラシです。何かフロイト的な意味があるのかも知れませぬ
でも、思い出すと昔、弟ヒデミ氏と二人で黒メガネかけてブルース・ブラザーズの真似してステージに出てきたこともありましたな~

投稿: さわやか革命 | 2010年11月18日 (木) 07時18分

ようやくインヴェルニッツィのコンサート(オランダとベルギー)記事をアップしました。よろしかったら、ご高覧下さい。
アントワープでもモンテヴェルディの嘆き節恨み節、歌いましたよ。
ロベルタお姉さま、お顔に似合わず、歌い方は情感込もってて激しいんですよね。さすがイタリア人、血は争えない?!でも、チェンバロよりはテオルボ伴奏で聴きたかった。。。

投稿: レイネ | 2010年11月27日 (土) 00時48分

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