「バロック音楽とダンスで楽しむクリスマス」:どピンクの衣装が目にしみる
指揮&鍵盤&ミュゼット:上尾直毅
会場:紀尾井ホール
2010年12月23日
バロックダンスも出るというクリスマス・コンサート。楽しそうだな~と行ってまいりました
前半はバロックのクリスマス音楽、後半はバロック・オペラということですっぱりと内容が分かれております。双方で指揮するは上尾直毅。もちろんチェンバロ、オルガンを弾きながらだが、さらにミュゼットも担当で大活躍だいっ。
ついでに言えば、オルガンはふいご付きのやつで、謎のオヂサン(前にも見たことある)がふいご手をやってた。
コンミスは戸田薫である。
クリスマス音楽は色んな作曲家の作品のいいとこ取りで構成してあった。派手なティンパニの連打で始まるフィリドールで幕開けし、続いてシャルパンティエの「テ・デウム」のプレリュード。
打って変わって、歌手が登場してクリスマスの賛美歌を歌う。極めてポピュラーな曲ばかりで、現代でもポップス系の歌手などに取り上げられている。こうやって古楽モードで聞いてみると、伝統というものを改めてヒシと感じるのであった。
他にはバッハの「クリスマス・オラトリオ」のアリアやコレッリ「クリスマス協奏曲」などで、すっかりクリスマス気分に浸った。
休憩の間に楽器隊の椅子を左端に寄せて始まったのが、ラモーのオペラ・バレ「優雅なインドの国々」から「花々、またはペルシャの祭り」「未開人たち」である。語り手として、当時の衣装をつけて林隆三が登場した。でも、どうせだったらカツラもかぶった方がよかったんでは?
ペルシャ篇オペラは、なんとテノールの鈴木准扮する王子様がいきなり女装して登場。鈴木氏は元々優男系の風貌だからその点はいいだろうが、いかんせん体格が……(^^; 大柄なのでピンクの衣装が、さらに膨張して見えるのよ。
他には女奴隷(山村奈緒子)が男装して登場して、四角関係で誤解した王子様に嫉妬されたり、とお笑いコントっぽい。「ラ・カリスト」もこのぐらい笑わせてくれればよかったのに~。
もちろん、最後はメデタシメデタシ。
「未開人たち」はアメリカ・インディアンの話で根岸一郎(バリトン)と鈴木美紀子(ソプラノ)が恋物語を歌った。こちらの鈴木さんは依然聞いた時よりもずっと聴き映えする印象。今度ソロ公演があったら行ってみようかしらんという気分になった。
ただ、歌詞がプログラムにも出てなくて、せめて大意でも載せて欲しかった。さもなけりゃ折角語り手がいるんだから詳しく紹介するとか……。ちゃんとした役者を使った意味があまりなかったような(?_?)
浜中康子とトーマス・ベアードを中心にした四人によるバロックダンスは、後半のインディアンの扮装で踊ったのが面白かった。
ところで、チラシやプログラムのベアード氏の写真は約三十年前のものを使用かな? 別人のようです(^O^)
全体的には前田りり子&菅きよみのトラヴェルソ組が頑張っていた。木管はクリスマスものには欠かせぬ響きですね
チケット代(六千円ナリ)の元は充分取れたコンサートであった。
←向かい側のホテルのイルミネーション。
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