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2011年2月 3日 (木)

「ロベレ将軍」:色男、金と大義はなかりけり

110201
監督:ロベルト・ロッセリーニ
出演:ヴィットリオ・デ・シーカ、ハンネス・メッセマー
イタリア1959年

イメージフォーラムで「映画の國名作選 1 イタリア編」というのの予告でやってて、見てみたくなった。他の作品はベルトルッチの『暗殺の森』とフェリーニの『道化師』だ。一か月の間に交互に上映するので、今ではほとんど消えてしまった名画座っぽいプログラムだが、一本1500円なんでそんなに安いとは言えないなあ。

ロッセリーニの作品は過去に見たことがあるんだかないんだか実はよく覚えていないdash 子供の頃にTV放映で何か見たかも知れないが……。
この作品は戦後すぐ名作を放った彼が一旦不振に陥った後に、再復活したというものらしい。ヴェネチア映画祭で金獅子賞を取っている。

1943年、ナチス・ドイツと手を結んだファシスト政権下のジェノヴァの町で、詐欺師の男が捕まる。彼はドイツ軍の下士官と手を組んで同胞から金をだまし取っていたのだ。
それを知った独軍将校が彼を利用して、レジスタンス活動の指導者的存在である将軍の替え玉に仕立てて、政治犯の監獄でスパイさせようと考えた……。

実際に見てみて意外だったのが、詐欺師の主人公が捕まるまでの話がかなり長かったこと。女を騙してヒモになって暮し、さらにドイツの収容所に送られる逮捕者の家族にうまいことを言って金を騙し取る--というケチな悪事を念入りに描いている。
なので物語の重点はレジスタンス自体よりも、一人の卑しい小悪党の男が最後に同胞のために戦うことを選ぶという「改心」にあるようだ。

主人公役は自らも名監督であるデ・シーカ。前半の「二枚目だが誠実さのカケラもない男」をうまく演じている。
もう一つ意外だったのは、主人公を監獄へ送り込むドイツ人将校があまり悪人ではないことだった。どちらかというと徹底した現実主義者という感じで、大義のために自らを犠牲にするなどというのは理解しがたい行動であるという人物。H・メッセマーはこの役で演技賞を取っている。

今の時点で見てみると、ちょっと前半が長過ぎ~という印象。それに話は感動的だが、主人公の改心が急すぎてあまり納得できないというか……。だから、独軍将校の方にリアリティを感じてしまうのは仕方ないことか。
もっとも、公開時にファシストの残党たちが映画館で騒いだなどという逸話も伝わっているので、当時はまだ生々しい問題だったようだ。

あと一つ見ててビックリしたのは出てくる女優さんが役柄年齢に関わらず、みんな非常な美人kissmarkばっかりということだ(!o!) 当時の日本の純朴な(?)映画青年たちが「イタリアには美女が成る木があるに違いない」と思い込んだとしても、オイラは驚かねえよっ--てなぐらいであった。

上映はなんでもDVDを使ったらしいが、初日からトラブルが頻発したそうな。私が見た前の回も途中で止まったか何かあったという話を後で聞いた。私の時は開場が遅れたぐらいで何もなかったけど。


大義度:6点
主人公ダメダメ度:9点


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