「マルコ・メローニ バロックギターリサイタル」:熱い檄文に感動です
イーストエンド・(インターナショナル)ギターフェスティバル2011
会場:近江楽堂
2011年1月21日
古楽方面にはほとんどアナウンスされてなかった公演。
会場こそおなじみの近江楽堂だが、客層はやはり古楽関係とはかなり違っていた。
M・メローニは50歳ぐらいのイタリア人で、フランスの音楽学校でギターとバロックギターを学んだとのこと。ホプキンソン・スミスが大絶賛したとチラシにある。
前半はバルトロティという作曲家の組曲やバッハの無伴奏を。後半は同じフェスの出演者であるホルヘ・カルドーソとの二重奏でスペインの(多分)作曲家のギター曲を演奏した。カルドーソという人はアルゼンチン出身で、この世界では「神」扱いのギタリストだという。
メローニは背が低くガッシリ体型、髪は短く白のトレーナーを着て出てきたんでまるでアマレスリングの選手のように見えた。で、楽譜なしで立ってバロックギターを立て板に水のように弾きまくる。
休憩時間に若い男子二人がそのテクニックを「すげー」と感心していたが、確かにバッハのプレリュードを弾いた時には、弦の上を旋律が滑っていくような感覚にとらわれたほどだ。
ただ、一方で舞曲っぽさや、対位法にあまり拘泥してない演奏のように感じられた。そういう意味では個人的にやや不満であったよ。
後半のデュオは互いの弦をチラチラと見ながらで、即興性の強いものだった。これまた神業の連続だったようだが、二人ともそんな様子を微塵も見せずに淡々と弾いていたのであった。
というわけで、私にとってはいささか猫に小判なコンサートだったニャ~
さて、当日配布のチラシにはこのフェスの主催者の「熱い」ご挨拶が書いてあって、「日本のギター界を名実ともに世界水準へ引き上げる」という役割を果たすための一環として開催したとある。「それが実現した時に今まで肥沃な西洋音楽文化を享受するばかりだった私たちは、初めて能動的な恩返しを世界に向けて果たせることになる」
その心意気やよし!(*^^)d
そのために三人の名ギタリストを呼んで、公演だけでなくマスタークラスや日本人参加者によるコンクールもやったらしい。来年度の開催も決まっているとのこと。どこの世界にも熱心な人がいるんだなあと感心した。これからも頑張って下せえ。
ただ、フェスティバルの名称が統一されてなくて同じチラシに三種類もあるのは、どうにかした方がいいんでは……(^_^;)
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