「語りと音楽~《大人のための》ガリバー旅行記」:花よりパンダ
東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2011-
会場:東京文化会館小ホール
2011年4月2日
会場に入って驚いた。節電のために薄暗い客席はほぼ満員状態 しかもそのうちの95パーセントは中高年女性なのである。
な、なんだこれはとビックリ。私はよく分からないでチケットを買っていたのだが(←適当な性格です)、実はこりゃ正しくはコンサートではなかったのである。
NHKアナウンサーのOBたちが「ことばの杜」という団体を作っていて、名作の朗読に音楽を組み合わせるという催しだったのだ。道理で「アントレ」誌の公演予定リストに載っていなかったはずだ。
従って、会場のオバサンのほとんどはアナウンサーたちのファンのようだった。いや、正直こんなに人気があるとは知らず(^^ゞ
構成は「ガリバー旅行記」の中身を5人で交代で朗読し、その合間に場面に合わせてテレマンの「ガリバー組曲」が演奏されるというもの。
音楽の方は鈴木(息子)優人のチェンバロ・ソロと若松夏美&荒木優子のヴァイオリン・デュオで、後半の冒頭に「食卓の音楽」を演奏した時だけ福沢宏のガンバが入った。
古典名作の類は名前だけはよく知ってるが、中身は読んだことがないというのが多い。この「ガリバー旅行記」もご多分に漏れず……。小人国のエピソードぐらいは知ってるが、後半に日本を訪ねるというのは聞いたことがあるような無いような(^_^;)
また、発表当時はガリバーが実在の人物と思われていてノンフィクションとしてベストセラーになったとか、当時の英国社会をかなり過激に風刺していたとか、解説が色々とためになりましたです、ハイ。
最後にアナウンサーたちが全員出てきて(松平定知、久々に見たような)、こんな非常時にこんな能天気な内容の公演をしていいのかと散々迷ったが、あえて行なったという挨拶をした。
演奏家が引っ込む時には楽器の解説もあった。1700年代のオリジナル楽器を使用--などという話には会場が「おおっ」とどよめくのであった。
さて、久しぶりのナマ音を聴いて心からしみじみとしたものを感じた。特に若松・荒木ペアの演奏はしなやかで生き生きしていた。若松女史は寺神戸亮と組んだ時には今イチ精彩に欠けるような感じになってしまうのと大違いである。何故に(?_?)
プログラムにチャリティ・コンサートのお知らせが挟まっていた。メータ指揮の第九は既に話題になっているが、なんと4月1日チケット発売でもう10日にやるのね……。人集まるのか?
それと9日には「室内楽マラソン・コンサート」もあるもよう。12時開演で16組ほどが出るようだ。古楽系では波多野睦美&つのだたかしの名前が入っている。
上野の人出はこの時期にしてはさすがに少なかった。もっとも動物園に向かう方に人の流れがあって、桜よりパンダ目当ての人が多かったのかも。
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