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2011年4月30日 (土)

「英国王のスピーチ」:王様もつらいよ

110430
監督:トム・フーパー
出演:コリン・ファース
イギリス・オーストラリア2010年

普段見ているブログで、最近ダントツで取り上げられてた数が多かった作品がこれだ。今季最大の話題作というところか。アカデミー賞ノミネート12部門中4部門獲得というのも大きかった。特に監督賞はD・フィンチャーに行くと予想されてたから大変だ~

話の基本は単純。公衆の前に出て儀式や会議などで演説しなければならない王室の一員なのに、子どもの頃から吃音に悩んでいたジョージ6世が妻と治療士の助けを受けて克服する過程を描く。
幼少時のトラウマのためか、障害はなかなか治らず、そのうちに兄のエドワード8世が「世紀の恋」で王冠を投げ出してしまい、望んでいないのに自分にお鉢が回ってくる。さあ、どうする。

主役のコリン・ファースは見ればオスカー獲得は充分納得だろう。障害のためにうまく話せないもどかしさや兄への微妙な反感、王になることへの戸惑いなど巧みに表現している。
片や、スピーチ矯正の専門家(自称)のオーストラリア人を演じるG・ラッシュはうさん臭さを垣間見せて、余裕の演技である。こちらは既に『シャイン』でオスカー取ってるから当然か(そう言えばこれも障害を持つ実在の人物の役でしたな)。
最近変なキャラクターばかり多かったH・ボナム・カーターが王妃役だが、こうして普通の(?)役をやらせるとうまい役者だと改めて感じた。

その他、デレク・ジャコビやマイケル・ガンボンなど脇もベテラン勢で固めている。
兄王役がやはりオーストラリア出身のガイ・ピアースなのには驚いたけど、どうやら実物に似ているので採用されたのか しかし、どう見てもG・ピアースの方が若く見えるのが難だ(実際に7歳年下)。

他の人の感想を読むと、役者の演技ばかり目立つ映画(最近よくある)という意見も多かった。確かにその感はある。
しかし実際には、国民には兄王が非常に人気があったとか、王位から降ろされたのは結婚問題だけでなく親ナチス派だったからだ--など色々な要素をすっぱり切り落として、王とオーストラリア人の怪しい治療士の友情に重点を置いた脚本もよく出来ていたのではないかと思える。
つまり、これは遠いイギリス階級社会の話ではなく、真面目で冴えない人間が友情とひたすらな努力によって報われるという、現在では極めてまれな美談なのであった。

そのせいか、公開からだいぶ経っているのに休日とはいえ映画館がほぼ満員御礼だったのには驚いた。ゴールデン・ウィークも続演とのこと。もっとも、他に大人が見る映画がないからだという説も……(^_^;)

それにしても、これは震災の前と後で見たのでは感想がかなり違ってくるのではないかと思った。
危機的状況において大衆を納得させる言葉や語り口を指導者は求められるが、日本にそういう人物がいるだろうか? もっとも、いたとしても中身がペテン師だったら困るわけだが

ところで、カメラが常に人物の顔を真ん中に据えないで、左右どちらかに片寄らせて撮っているのは何故? 最近の流行なのか。
前の列に座っている野郎がずっとケータイの画面を眺めているのに腹立った。どうしても光が目に入っちゃうのよ。後ろからどついてやろうかと思ったぞ(*`ε´*)ノ☆
そんなにケータイ眺めていたけりゃ、吹き替えか日本映画のアクションものでも行けっちゅーの


真面目なお人柄度:8点
史実に忠実度:採点不能

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受信: 2011年5月 8日 (日) 00時31分

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