「ランナウェイズ」:ガールズ・バンドと呼ばれて
監督:フローリア・シジスモンディ
出演:クリステン・スチュワート、ダコタ・ファニング
米国2010年
その昔から現在に至るまでずっとランナウェイズって色物バンドとばかり思い込んでいた。後にブレイクしたジョーン・ジェットがここのギタリストだったことも知らなかったし、スージー・クアトロ(懐かし)が女性ロッカーとして彼女たちの憧れの対象だったというのも意外だった。私はS・クアトロってロック・ヲタ男向けのアイドルだとばかり思っていたのだ。
失礼しましたっ<(_ _)>
というわけで、女性だけのロック・バンドとして初めてヒットを飛ばした(多分)ランナウェイズの実話もの映画である。
原作はリード・ヴォーカルのシェリー・カーリーの自伝で、プロデュースにジョーン・ジェットが入っている。従ってこの二人が中心に描かれていて、他のメンバーはかなり影が薄い。
そもそも剛腕(?)プロデューサーが女子バンドのフロントには、エロかわいい女の子が必要だ\(◎o◎)/!と思いつき、クラブでシェリーをスカウトしたのが始まり。歌が歌えるのかなんてのは後なのだった。
となると、元々スター志向のある彼女と「音楽がなければ死んでたか刑務所に行ってたかも」というジョーン他のメンバーとは根本的に立場が違うのである。
また、崩壊しかけているとはいえ彼女には戻れる家と家族があったのも大きな差だろう。(双子の姉妹が似てなさ過ぎなのは、実際そうだったから?)
こんな温度差が日本ツァーの時に爆発してしまうのであった。
きょうび下着姿で歌うなんぞ珍しくもないが、1976年ごろに嫁入り前の十代の娘っ子が下着で大股開きで挑発的な歌詞を歌うとは……ウギャー(>O<)である。さらに「なんだよ、それがウリかよ」とキワモノ感が強まるのも確か。逆風が想像できよう。
またガールズバンドとしても当時は「女なんかにロックができるか」のような言動がまかり通っていたことも描かれる。
全体的には「青春の栄光と挫折」とか「成功したミュージシャンが酒とドラッグまみれ」などという定番に収まってしまってる印象だ。当時の曲が色々流れるが、その割には熱いロック魂炸裂というものを感じさせてくれなかった。
シェリー役のダコタ・ファニングには「あの子役のダコたんが、こんなに成長して汚れ役を!」という驚きあり。これからも頑張って下せえ(^^)/
ただ、やはり子役として名をはせたテイタム・オニールが出ていたのにはビックリ。母親役だって。ラストのクレジットを見て知った。
クリステン・スチュワートはジョーンそっくり。歌も歌って芸達者なところを見せております。
しかし、役者としては年季が遥か上のプロデューサー役のマイケル・シャノンが目を引くようだ。変人だが金もうけには余念がないというヤツをうまく演じている。
それにしてもランナウェイズが実は日本での人気が突出していて、しかも女子ファンが多かったのというのも初めて知った。ガラス窓割れたのは実話?
映画館では観客はほんど若い人ばかりだったのだが、中にオバサンのグループがいて懐かしげに喋っていた。もしかして元ファンなのか。
渋谷で見たのだが、センター街の人出はいつもの半分ぐらい。休日の渋谷でこんなに人が少なかったのは初めてだ。
ロック度:6点
栄光と挫折度:7点
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コメント
いやあ、懐かしい。スージー・クアトロもランナウェイズも大ファンでした。来日公演にはもちろん行きましたよ。中野サンプラザでのクアトロのコンサートには、男性客のほうが多かったかも。ランナウェイズは、10代の女の子のアイドルでしたね。でも、コンサートにはスーツ着てネクタイ締めた中年サラリーマンも目立ち、下心が見えてて気色悪かった。
双子のシェリー&マリー(実物は似てる)は、その後デュオ組んだけど売れなかったわね。
リタ・フォードは80年代後半になって、スリムに変身しソロで売り出し、一発はヒット。『キス・ミー・バッドリー』は歌もギターも結構上手くていい曲だなあ、と思いました。
しかし、凄い映画ご覧になったのね。。。
あさって、カリスちゃんの新作映画『ブラック・バタフライズ』を見に行きます。ルト様が父親役よ!
投稿: レイネ | 2011年4月 4日 (月) 13時31分
|スージー・クアトロもランナウェイズも大ファンでした。
おお(!o!)そうでしたか。私はクアトロ姐御はどうもあのヴォーカル・スタイルが苦手でした。
シェリーの双子はやっぱり似てたんですね。映画では最初、年上の姉かと思ってましたよ……。
それからリタがシェリーをいびったという風に描かれていて、他のブログではリタはプロ志向が強かったんでそうなってしまったんだろうと分析してましたな。
『ブラック・バタフライズ』うらやまし~い
日本でも公開されますように(^人^)
投稿: さわやか革命 | 2011年4月 5日 (火) 07時34分