「美しい島」:この世でもっとも美しいところ
東日本大震災被災者支援コンサート
演奏:波多野睦美&つのだたかし
会場:ハクジュホール
2011年5月25日
本来はロベルタ・マメリが主役のコンサートだったが、つのだたかしの冒頭の説明によるとイタリア政府の指示で来日中止になり、急きょ二人だけのチャリティコンサートへと変更になった。
前半、リュートと共にダウランド、「スカボローフェア」などのトラッド、パーセル、そして一曲だけイタリア産のストロッツィをやった。
いつものように波多野睦美の短い歌詞の内容紹介が入る。面白かったのはパーセルの「僕よりも幸せなのは」で、心臓がドキドキする意味の歌詞と曲がまさに鼓動のようになっているとのこと。そしてその通りに芝居気たっぷりに歌ったのであった。
当時の人気女流作曲家ストロッツィの「恋するヘラクレイトス」は過去に誰かの過激な歌いっぷりで聴いた記憶がある。マメリ当人だったかしらん(?_?) よく覚えてない。
しかし、波多野さんは全体には抑制された調子で抑え気味ながらもところどころで激情が火山の噴火のように噴き出す、というように歌ったのであった。
思わず拍手~(^o^)//"""
後半はシューベルトと同時代のオリジナルの19世紀ギターを使用して近現代歌曲のプログラムである。つのだ氏は「リュートとギターは指使いが違うから大変。滅多に同じコンサートではやらない」などとブツブツ言いながら、最初に「鳥の歌」を独奏。
その後は以前の北とぴあで聴いた公演と大体同じ構成だった。
個人的にはピアソラの「オブリヴィオン~忘却」で暗い別れの情念を歌いあげて大きく印象に残った。硬質なギターの音も絶品。この曲はさんざん波多野さんのCDで聴いてきたのに、改めてナマだと衝撃度が違う! やはり録音と生は別物であるとヒシと感じた。
ああ、それなのに、それなのに(-"-)--一番良かったこのラストの曲で、なぜか会場の後ろの方からポリ袋をガサガサする音が断続的に続いたのであった。それが何か落としたとか倒したとかいうような音ではない。ガサガサガサガサガサ……
な、なんで~(>O<) 音楽聴きに来たんじゃないのかーっ(*`ε´*)ノ☆
ともあれ、波多野睦美の声は--まあ優れた歌手ならみんなそうだろうけど、様々な表情と色を曲によって微妙に使い分け、飽かせずに過去の歌を今この瞬間に蘇らせたのであった。
アンコールは、知らない日本語の歌と「庭の千草」の原曲だった。こちらのブログで紹介されているのと同じだろう。
公演のタイトルはパーセルの曲から取ったのだろうが、日本のこととも引っかけているのであろうか。でも、もう美しくなくなっちゃったかも……
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