「元禄~その時、世界は?」第2回「琳派の美、ロココのこころ」:夢見る装飾
藝大プロジェクト2011
会場:東京藝術大学奏楽堂
2011年5月15日
藝大プロジェクトというのはこれまで、メモリアル・イヤーの作曲家を取り上げていたらしいのだが、今年度からは特定の時代の日本と世界を比較するようなレクチャー&コンサートの企画になったとのことである。
1回目は「江戸の音風景~歌舞伎と文楽」でレクチャーの講師は田中優子。完全守備範囲外でそもそも行われたこと自体も知らなかったのだが、今回は琳派とロココという内容なので行ってみた。
レクチャーは約1時間で、古田亮という藝大の先生が「琳派からRIMPAへ~ヨーロッパへの影響」というタイトルで話した。内容的には完全に美術史の講義という感じ。一生懸命メモしている学生風の若いモンもいたぞ。講義の一環かしらん(^O^;) 久々に学生に戻った感じである。
配られたレジュメの最初に「琳派はロココ美術に『影響』を与えてはいません」とあって、思わずずっこけるヽ(_ _ヽ)ズルッ。。。
しかし、どちらも「装飾性」という共通点があるとのこと。
てな感じで、背後のスクリーンの画像を眺めながら近現代の西欧美術への影響をたどったのであった。
休憩後にコンサートのパートが開始。ここから入ってきた客も結構いた。
大塚直哉のチェンバロ独奏を中心にしてF・クープラン、ラモー、デュフリなどを演奏。曲によって荒木優子のヴァイオリンや野々下由香里の歌が入った。
また、曲間には藝大の女性講師が色々と解説した。バロック時代の絵画は国王の栄光を表すものが中心だったが、ロココになると市民階級を題材にしたものになる--など、興味深い話もあり。
背景のスクリーンには曲に関連するロココ絵画が映し出された。クープランの「神秘の障壁」には「閂」(フラゴナール)、ラモーの「愛しあう恋人たちよ(青春の神エベのエール)」では「エベに扮したクレーブクール侯爵夫人の肖像」(ナティエ)など。
大塚さんの演奏でクープランを聴いたのは近江楽堂でのコンサートが過去にあったが、やはり今回の印象も装飾的・陶酔的、というものであった。まさに同時代の美術に通じるものがあるようだ。
ただ、バイオリンの加わった合奏曲になるとまたちょっと違うけれど。
あまりにもよかったので、もっと聞きたくなってしまった。そういやクープランを取り上げる公演が近々あったなあ……
しかし近江楽堂ならいいが、奏楽堂ではチェンバロ独奏どころかアンサンブルだって音が拡散してしまうんではと予想していたら、しっかりマイク使用してましたな(^^;)
野々下さんは深い赤のお衣装で登場。歌ったのは2曲で、もっとお聞きしたかったですわん(*^o^*)ポッ
ラストに演奏されたフォルクレの「ジュピター」はガンバ演奏では聞いていたが、チェンバロ独奏だともっと過激でとんがった雰囲気であった。
ところで、後半では客席の照明はかなり暗くなって、代わりにステージの床やバックの壁にライトが使われ、さらには天井にも星座(?)が投影されたりしてクラシックの演奏会では珍しく凝っていた。ムードがあって、こういうのもいいですな
それが、以前に行った大貫妙子&坂本龍一のコンサートとやり方がよく似ているのだった。こういうのが今のステージの流行なのか、それとも同じプロダクションが請け負ってるのかしらん。
さてこのプロジェクトは後半をまだ10月にまだやるとのことで、三回予定されている。もちろん行く予定であ~る( ̄m ̄* )ムフッ 通し券を買えば一回1500円ナリ。この内容では安すぎだいっ
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