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2011年6月26日 (日)

「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」:貴様と俺とは同期のエスパー♪

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監督:マシュー・ヴォーン
出演:ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー
米国2011年

「X-MEN」のシリーズは全て見ている。
一作目と二作目は古過ぎて感想はブログに書き始める前だ。残ってるのは『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』である。
今回のエピソードではプロフェッサーとマグニートーの過去の因縁が分かるという前日譚だとのこと。で、既に見た人の感想ではシリーズ中、最も面白いという噂。半信半疑で映画館に乗り込んだんだけどね……。

正直な感想を言えば「はあ(?_?)これってそんなに面白いか~」であった。

ユダヤ人強制収容所で人体実験に供されたらしいマグニートーと金持ちのボンボンだったプロフェッサーXという対照的な出自から、二人が仲良く協力し合い共通の敵と戦い、そして袂を分かつまでが描かれる。
ビーストがなぜビーストになったかとか、ミスティークは最初はプロフェッサーと一緒にいた!などと因縁話が分かってビックリよ。

東西冷戦下のキューバ危機を背景に「007」シリーズをなぞったようなイメージ頻出、ついでに指令室は『博士の異常な愛情』そのままですな。
--と書いてみると面白そうなんだけど、前半はちょっとタルい。ようやく面白くなってくるのは、CIA本部が襲撃される所かな。アクション場面もここが一番ハラドキした。それ以後もすごーく面白いという訳ではなくて、「並」である。

映像のイメージやキャラクターはいいけど、ストーリーとなると見ている間もハテナ印が何度も浮上してしまう。
なんで、少年マグニートーは母の仇を一番に取らないの? 核ミサイル運んでる船をホニャララしちゃってエエんか? 宿敵ショウの部下がボスを殺した奴にいきなり付いて行っちゃうのが不思議 CIAにそんなに簡単に協力しちゃうの? 1962年で、あの若いボーヤの髪型はないだろう、とか。

一番の疑問は、マグニートーがやったのは宿敵を倒して私怨を晴らし、そいつにとって代わって何をやるかといったら、敵だった奴と全く同じということだ。これは明らかに、ユダヤ民族とイスラエルの現状を思い起こさせるが(迫害された者が今度は迫害する側に回る)、作り手からはそれ以上のメッセージはない。そこまで言明したら、エンタテインメントの範疇を超えてしまうからか、それともハリウッド追放になってしまうからか。

それ以外にも、米ソの戦艦を交互に映す場面があまりに単純なんでガックリ。いや、双方同じ立場だという対等性を出したかったんだとはわかるけど、あまりに手抜きな印象だ。
どうも私はヲタク系監督とは相性が良くないようだ。

終盤のマグニートーが教授を抱きかかえる場面はさすがに萌えてちょっとウルッと来たけれど、どうせならピカリンことP・スチュワートI・マッケランの美オヤヂ・コンビでお願いしたかった(T_T)
ウルヴァリンがちょこっと特出。
CIAのモイラがどっかで見た顔だなーと思ったら、TVシリーズの『ダメージ』のヒロイン役の人ね。
ビーストは『シングルマン』の学生であった。
ミスティークは今期待の新人ジェニファー・ローレンス(『あの日、欲望の大地で』の娘役)だが、だいぶフックラしちゃってミスティーク本来の姿のメイクだと2割ぐらい膨張して見えるのがつらいところよ。

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ところで、ショウが潜水艦内で吸い取ってるのは原子力エネルギーなのか? 字幕には出て来ないけど(自粛か^^;) だとしたら、ヤツこそ今の日本で必要だっ


男の友愛度:7点
ハラドキ度:5点

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