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2011年6月

2011年6月30日 (木)

バッハ・コレギウム・ジャパン第93回定期演奏会:夏バテ払拭プログラム

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ライプツィヒ時代1727~29年のカンタータ4
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2011年6月22日

思えばこれが年度第1回目の公演であったよ。
とっころが(!o!)ふたを開けてみれば定期会員としての座席が昨年度と全く同じ場所……なのはどうしてだ~っ(-"-) 古楽のコンサートでよく顔を見かける人も、やっぱり前と同じ場所に座ってた。手抜きしたんかしら?
こうなったら、次回は「ど真ん中のブロックのど真ん中以外は絶対イヤーっ」って無理な希望しちゃおうかなっとbomb

などということはともかく、震災以後のBCJ初めての定期公演でもあった。
いつもなら、鈴木(息子)優人が単独で登場して冒頭のオルガンを弾くのだが、今回は歌手も含めて全員登場。それから鈴木(兄)がマイクを握って挨拶。最初に震災犠牲者を悼んでオルガン・コラールとモテット「おおイエス・キリスト、わが命の光よ」を演奏する旨を伝えたのであった。

モテットにはナチュラル・トランペット名人のマデゥフ(ありゃっ(?_?)「マドゥフ」じゃなかったの?勝手に名前変えるなー(*`ε´*)ノ☆って、そういうことじゃないですな)組もホルンで参加してたが、あまりの危うさに聞いててハラハラしてしまい、追悼の意も吹っ飛んでしまったというのが正直なところsweat01 すいませんm(__)m
後の曲ではホルン安定していたのに……この曲をやるのは無理があったのかな。

今回のカンタータは婚礼用や葬式用といった機会作品である。通常の教会カンタータより派手というか盛り上がりが激しいというか--ちょっと違う趣きな曲ばかりだ。
このところ演奏水準が高めなところで安定したためにスリリングな部分が聞き手にとってなくなってしまい、「もう定期会員やーめた」な人もいたんで心配なところがあった。しかし、それを払拭するプログラムであったといえよう。

BWV192冒頭の合唱はホルンを含む複数の楽器が交錯して華やか。
195番ではバスのレチではチェロが不思議な動きを奏でたかと思えば、続くアリアでは解説によると後世代の作曲家ハッセの書法を真似たとあり、確かに弦がプレ古典派(?)の香りがするではにゃあですか。これは晩年の作曲だそうだが、バッハ先生のその気になれば若いモンなんぞには負けんわいannoyという気概を示したのであろうか。

最後にやった120a番は二部構成でティンパニも入る豪華さだ。冒頭の合唱曲はロ短調ミサにも後に転用されて、極めてインパクト大。3曲目のソプラノ・アリアは若松夏美のヴァイオリンと歌の絡みが絶品であった。

でも個人的に一番良かったのは、他に比べて極めて小編成(合唱がいなくて独唱者だけ、楽器も少ない)の157番、葬式用の曲である。特にトラヴェルソとオーボエ・ダモーレと共に歌われるテノールのレチが心に響いた。
こういう曲が個人的には好きで、やっぱりバッハ先生萌え~heart01となるのであった。葬式にかけて欲しい音楽候補がまた一つ増えたぜい(*^^)v

この時期によくぞ来日してくれました\(^o^)/なガイジン部隊。
ハナ・ブラシコヴァは相変わらず清楚な魅力。テノールのクリストフ・ゲンツは初参加?だっけ(よく覚えていないdash)濃ゆ目の歌もまたよかったです。CTのダミアン・ギヨンはソロの出番が今イチ少なくて、もうちょっと聞きたかった。P・コーイはこのところいつもそうだが好調ですな。
マデゥフ組は引き続きラ・プティット・バンドでも聞ける予定だ。

珍しく?開場が遅れた。湿気も気温も高い日で、楽器の調子でも悪かったのかしらん。
カーテンコール時にも、鈴木御大が義捐金の寄付を促すジェスチャーをして、会場の笑いを誘っていた。
個人的にはムシムシ暑い中での出張帰りだったので、体力をすっかり消耗……down バテました。


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2011年6月26日 (日)

「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」:貴様と俺とは同期のエスパー♪

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監督:マシュー・ヴォーン
出演:ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー
米国2011年

「X-MEN」のシリーズは全て見ている。
一作目と二作目は古過ぎて感想はブログに書き始める前だ。残ってるのは『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』である。
今回のエピソードではプロフェッサーとマグニートーの過去の因縁が分かるという前日譚だとのこと。で、既に見た人の感想ではシリーズ中、最も面白いgoodという噂。半信半疑で映画館に乗り込んだんだけどね……。

正直な感想を言えば「はあ(?_?)これってそんなに面白いか~foot」であった。

ユダヤ人強制収容所で人体実験に供されたらしいマグニートーと金持ちのボンボンだったプロフェッサーXという対照的な出自から、二人が仲良く協力し合い共通の敵と戦い、そして袂を分かつまでが描かれる。
ビーストがなぜビーストになったかとか、ミスティークは最初はプロフェッサーと一緒にいた!などと因縁話が分かってビックリよ。

東西冷戦下のキューバ危機を背景に「007」シリーズをなぞったようなイメージ頻出、ついでに指令室は『博士の異常な愛情』そのままですな。
--と書いてみると面白そうなんだけど、前半はちょっとタルい。ようやく面白くなってくるのは、CIA本部が襲撃される所かな。アクション場面もここが一番ハラドキheart01した。それ以後もすごーく面白いという訳ではなくて、「並」である。

映像のイメージやキャラクターはいいけど、ストーリーとなると見ている間もハテナsign02印が何度も浮上してしまう。
なんで、少年マグニートーは母の仇を一番に取らないの? 核ミサイル運んでる船をホニャララしちゃってエエんか? 宿敵ショウの部下がボスを殺した奴にいきなり付いて行っちゃうのが不思議spa CIAにそんなに簡単に協力しちゃうの? 1962年で、あの若いボーヤの髪型はないだろう、とか。

一番の疑問は、マグニートーがやったのは宿敵を倒して私怨を晴らし、そいつにとって代わって何をやるかといったら、敵だった奴と全く同じということだ。これは明らかに、ユダヤ民族とイスラエルの現状を思い起こさせるが(迫害された者が今度は迫害する側に回る)、作り手からはそれ以上のメッセージはない。そこまで言明したら、エンタテインメントの範疇を超えてしまうからか、それともハリウッド追放になってしまうからか。

それ以外にも、米ソの戦艦を交互に映す場面があまりに単純なんでガックリ。いや、双方同じ立場だという対等性を出したかったんだとはわかるけど、あまりに手抜きな印象だ。
どうも私はヲタク系監督とは相性が良くないようだ。

終盤のマグニートーが教授を抱きかかえる場面はさすがに萌えてlovelyちょっとウルッと来たけれど、どうせならピカリンことP・スチュワートcuteI・マッケランの美オヤヂ・コンビでお願いしたかった(T_T)
ウルヴァリンがちょこっと特出。
CIAのモイラがどっかで見た顔だなーと思ったら、TVシリーズの『ダメージ』のヒロイン役の人ね。
ビーストは『シングルマン』の学生であった。
ミスティークは今期待の新人ジェニファー・ローレンス(『あの日、欲望の大地で』の娘役)だが、だいぶフックラしちゃってミスティーク本来の姿のメイクだと2割ぐらい膨張して見えるのがつらいところよ。

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ところで、ショウが潜水艦内で吸い取ってるのは原子力エネルギーなのか? 字幕には出て来ないけど(自粛か^^;) だとしたら、ヤツこそ今の日本で必要だっfuji


男の友愛度:7点
ハラドキ度:5点

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2011年6月22日 (水)

「ゲンスブールと女たち」:女・シャンソン・女・シャンソン・女

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監督:ジョアン・スファール
出演:エリック・エルモスニーノ
フランス・米国2010年

チラシなどで見かけた時にドキュメンタリーかと思った。それほどに主役が実物に(印象が)似ていたからだ。といっても、セルジュ・ゲンスブールのことはほとんど知らないのだが……(^^ゞ 予告を見て劇映画だと知り見に行った次第。しかし、この予告が内容の一部分しか伝えてなかったのだよね……。

監督は元々コミックス作家で自作を実写化したらしい。冒頭のタイトルバックのアニメにその作風がうかがえる。
自らの容貌にコンプレックスを感じているユダヤ人画学生が、バイトのピアニストの方が本業になり、様々な女たちと浮名を流す。相手はジュリエット・グレコ、ブリジット・バルドー、ジェーン・バーキンなどそうそうたる面子である。
何故に醜男のはずがモテたのかdanger その答えは「男は顔じゃねえぜimpact」ということしか思い当たらない。音楽の才能か性格かマメ男だったのか。

タイトルの通り、女性たちとの関係とその時々の曲を中心にしているのでそれ以外の面--たとえばマルチ・アーティストだったとか、当時のシャンソン界でどんな位置にいたのかというようなことは見てて全く分からなかった。
幼少の頃、親独傀儡政権下でユダヤ人であることを隠して寄宿学校に入るシーンが出てくるが、ユダヤ系であることが後々どうだったのかということは描かれていない。それとも欧米では描かずとも自明に分かることなのか。

一番特徴的なのは、ゲンスブールの暗黒面というかオルター・エゴというか、彼の醜悪な面を集めたようなキャラクターが登場することである。巨大なユダヤ鼻を持ち醜悪で性格は陰湿だ。そいつは時に彼を解放し時に追い詰める。
その造形がハリボテを頭にかぶったようなもんで、監督のマンガからそのまま出したんじゃないのbombみたいなキャラなのだ。
これは見る人を選ぶだろう。個人的には、果たしてこの手法が成功しているのかどうかアヤシイと思う。予告でこいつを出さなかったのも納得だ。

ということで、ゲンスブール(ゲンズブールじゃないの?)初心者にはいささかキビシイ映画であった。

バルドーが登場する場面が
バルドー来た~ッキタキタキタ━━━(・∀・≡(・∀・≡・∀・)≡・∀・)━━━━!!!!!!
みたいな感じなんで笑ってしまった。
レゲエ版フランス国歌、超カッコエエflairです。
バーキン役の女優さん、自殺しちゃったの((+_+))


女たち点:7点
音楽点:6点

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2011年6月19日 (日)

シャルパンティエ「聖母被昇天のミサ」:かつお節削り器上のチェロ

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17世紀パリ夏の祭典
演奏:花井哲郎&コントラポント
会場:渋谷区文化総合センター大和田さくらホール
2011年6月10日

8月15日はフランスではカトリックの祝日で、聖母マリアが死後に天に昇ったのを記念するという。今回の第10回定期公演ではこの日に関連したシャルパンティエ作品が演奏された。

基本的な人数はヴァイオリン&ヴィオラが7人(コンミスは小野萬里)、リコーダーとオーボエが二人ずつでその他通奏低音陣5人。声楽隊は独唱者6人に合唱13人という布陣であった。

公演のタイトルである曲は一応「ミサ」となっているが非常に華やかな色彩に満ちあふれたもの。8月15日だけでなく儀式の際にも演奏されたとのことだ。独唱、重唱、合唱、器楽演奏のみのサンフォニーなどが綾なすように組み合わされている。

後半ではぐっと小編成になって小オラトリオ「おとめ聖マリアの被昇天に」。ルイ14世の治世後半の当時ではこのようなイタリア趣味の曲はあまり人気がなかったそうなので、イタリア帰りのシャルパンティエの独壇場っぽかったらしい。
有名な「テ・デウム」、何が有名かというとサッカーや音楽祭の国際中継のテーマ曲に使われたからだ。
はて(?_?)どんな曲だったかしらんと思ってたが、勇壮なプレリュードを聞けばすぐにナットク(*^^)bああ、あれかsign03と分かりました。ここでは再び大編成でさらにトランペットとティンパニも入ってにぎやかである。なんでも英国との戦争勝利記念に作られたとのことで、壮麗なのも道理ということだろう。中間に入った男声三重唱が聴きごたえがあった。

なかなか日本では聴く機会がないプログラムなので、聴けてヨカッタ感が強くて満足fullであった。
また全曲を通してリコーダー(太田光子、辺保陽一)が印象に残った。フランスものには欠かせぬ響きですね。
それからチェロがエンドピンなしに小さな木箱(かつお節削り器を半分に切ったぐらいの大きさ)に乗せて弾いてた……初めて見たようなeye

客は学生風の若者と中高年の2つに完全に分かれていた。想像するに、演奏者の教え子や関係者、それと上杉さんや春日さんのファンheart01かな。
会場は最近、古楽のコンサートに使われてる場所だが、どうも音の聞こえ方が変な気がする。残響が多いわけでもないようなのに、音がひとかたまりになって個々の音が聞き分けられない。たとえば独唱者が歌い始めても、どこで歌ってるんだ?と舞台上を目が泳いでしまう。あまり音楽向きではないようだ。


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2011年6月15日 (水)

「ミツバチの羽音と地球の回転」:ビワ食いたいっ

110614
監督:鎌仲ひとみ
日本2010年

3月に朝日ニュースターの「ニュースの深層」に監督が出て映画が紹介されたのを見て、このドキュメンタリーを見に行こうと思った。しかし、その週の金曜に震災が起こってしまい、ようやく今になってアンコール上映に行けた次第。

内容は大体三つのパートに分かれていて、中部電力の原発建設計画に反対する瀬戸内海の山口県祝島、国民投票で脱原発を決めたスウェーデンの現状、そしてまた日本に戻って将来を探る--というもの。

祝島では30年近く反対運動が続けられていて、それに多くの時間を取られてしまっているとのこと。その中心を担っているのは中高年のオバチャンたち……(^o^; 元気だflair
TVで監督が語っていたが、同じ海域の他の地区は漁業権を売ってしまっているそうで、唯一祝島が売らずに頑張っているらしい。

今は人口減に悩む島であるが、冒頭で千年以上も前から続けられているという漁船を連ねた祭りが紹介されて驚く。まさしく網野善彦の日本列島論を彷彿とさせるものだ。宗像教授がいたらウンチクを長々と開陳しそう。

スウェーデンでは自然エネルギーへの様々な取り組みや、国民がそれぞれどんな方式による電力か選択して購入できる様子が紹介されている。

印象に残ったのは、スウェーデンの中でも貧しい市が風力エネルギーを売って財政難を立て直し、化石燃料をなるべく使わない発電所を作ったり、効率的な酪農施設を作ったくだりである。牛舎でエサはベルトコンベアで運ばれ、牛は自分で搾乳機に入っていく。酪農家は、前は年に20日ほどしか休めなかったが今はゆっくり休暇が取れるとのこと。

ところが、先日地上波のTVで六ヶ所村の核燃料施設について取材した番組の中に、地元に作られた同じようなハイテク牛舎(ただし、もっと大規模)が出て来たので驚いてしまった。施設を受け入れた交付金や援助で建てたのだという。
これってなんか優先順位が変ではないか? 雇用や産業の支援が必要なら、何も核燃料施設など経由せずに直接地元に対して産業振興とか使えばもっと費用をかけずにかつ効率的にできるんじゃないのdollar
なぜに(?_?) 何者かに利益が回っているのかねえ~。

全体的に見ると、時間が長いのとそれから原発受入派がほとんど取材されていないのが難であるが、それより新たな未来を模索する側の取材に力を入れたと見るべきか。
あとタイトルが覚えづらいのには困ったfoot

それにしても登場する祝島産のヒジキやビワがおいしそうですrestaurant 映画館出たところで売ってたらすぐ買っちゃうよ(^_^)v

さて、テーマに関係なくもう一つ印象に残ったのは、原発について重要な議決時の町議会の傍聴についてもめた時である。数百人もの町民が来ていているのに傍聴席は20しかない。中に入れろ入れないという大混乱になるが、役場の職員たちは大勢の町民の必死の抗議に対してただ無言のまま道をふさぐ。
「上司の人に伝えてもらうということだけでも出来ないですかねえ」という声に、年嵩の職員が小声で絞り出すように「すいません」とかろうじて漏らしたのであった。

どんな騒動になろうと、町民が何を訴えようと、語らず動かず--これこそ、H下フ知事が理想とする粛々と「上司の命令を守」る公務員の清く正しい姿に他ならないではないか\(^o^)/ 素晴らしいpunch


持続可能点:9点
タイトル点:6点

【関連リンク】
祝島で語る「今、おきていること。これからのこと」

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2011年6月11日 (土)

「キッズ・オールライト」:父親がなくても子は育つ

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監督:リサ・チョロデンコ
出演:アネット・ベニング、ジュリアン・ムーア
米国2010年

いかにも米国(西海岸?)な家族の物語である。
レズビアンのカップルがそれぞれ人工授精で子どもを産んで、平和な家庭を築いている。しかし息子は反抗期になって、遺伝子上の父親である精子の提供者に会おうとする。

レズと言っても自然に役割分担が出来てしまうらしくて、片方は医者として家計をになって保守的ともいえる「父親」であり、もう片方は専業主婦の「母親」なのであった。
子どもである姉弟が探し出してきた「実の父」は頼りがいのある兄キみたいな存在に見えるが、二人にとって平和な家庭への余計な闖入者であり、秩序を乱す者に他ならない。
一方、気軽な独身生活を続けてきた男は、急に出現した「娘&息子」を見て、自分も家庭が欲しくなるのであった。

しかし、この姉弟が実にいい子ちゃんなのだよねえ。二人がそれぞれ仲良くしている友人たちみたいなどうしようもないガキだったら、男も家庭に憧れたりはしないだろう。
もっとも、彼にしたって女ったらしという以外には悪い人間ではない。大学をドロップアウトしたが、有機栽培した野菜を出す人気レストランの経営者として成功している。ヤク中でもアル中でもなし、前科も借金もなし、マチズモを振り回す男権主義者でもなし。基本的にエエ奴です。

従って、後半に男の化けの皮がはがれて底の浅い素顔をさらしてしまう展開は、それまでの伏線もないのでちょっと強引な印象だった。
自らもレズビアンであるという監督にとっては「けっannoyストレートの男がいくらでも家庭を作る機会があったのに、私達が苦労して築いた家庭を横取りなんかさせんぞ」という怒りがこめられているようで、底意地の悪ささえ感じさせてしまうのだった。
もっとも、それはマーク・ラファロが男の後半の情けない姿までイヤミなく演じていたせいかも知れない。オスカー・ノミネートの価値はあり。

同じく主演女優賞にノミネートされた「父」役のアネット・ベニングは、ジョニ・ミッチェルを歌う場面には爆笑(^○^) 残念ながら今回もまた獲得できなかったが……down
「母」のジュリアン・ムーアもいい味出してます。

結局、この映画の何が物足りなかったかというと、観客の側は新しい家族の形が描かれてるのを期待して見に来るのに対し、物語自体はトラブルがあって逆に家族の絆が強まる「雨降って地固まる」というよくある(旧弊な)話に落ち着いてしまう事だろう。
性的マイノリティの方が保守的な家庭を希求するという一見逆説的な、しかしよく考えれば当然な状況が期せずして表れてしまったようだ。

バックに流れる印象的なギターはマーク・リボーだった。
「J・ミッチェルを好きなストレートの男は珍しい」ってホントか(!o!)
原題は「キッズ・アー・オールライト」だが、これは慣用的な言い回しなのか? ザ・フーの曲名にもなってるし。


母親度:5点
父親度:6点


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ちづこ再放送

「上野千鶴子が爆笑問題のTV番組に出た」という話をネットで知った時には、とっくに放送は終わっていた……dash

_| ̄|○ガクッ

しかし、さすがに受信料を取っているNHKだけあって、再放送をやってくれるではないですかっ(*^^)v

ということで、見逃した人は13日(月)の深夜1時30分からNHK総合をチェックtv
なんでもコスプレして登場したとか……マジですか(+o+)
文章しか読んだことがない人は、ご本人とのイメージのギャップに驚くことでしょう。

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2011年6月 7日 (火)

「クリストフ・ルセ チェンバロ・リサイタル」:行く人来る人

110607
東日本大震災 チャリティ・コンサート
会場:上野学園 石橋メモリアルホール
2011年6月1日

ルセは大震災の1週間後にチャリティ・コンサートを行おうと決意し、東京と大阪で開くことになった。ノーギャラで交通費も自弁だとか。
さらにチェンバロ製作者のマーク・デュコルネと調律師も同行とのこと。
ルセは前日に到着してそのままリハーサルという強行軍だったらしい。ご苦労さまですshine

私は最初行く予定はなかったのだが、やはりその心意気に感動してチャリティ協力ということで\(^o^)/……と言いたいところだが、実はそんな殊勝な心がけではなく、このコンサートでフランソワ・クープランを聴いて、もう一度聴きたくなってしまったという不純な動機からであった。ルセ自身は北とぴあ音楽祭(もう十数年経ってるのねsandclock)での公演に行ったことがある。

仕事終わってから会場に行ったので既に「一階は満席なので二階へどうぞ」状態だった。二階どころかステージの上にも関係者席が並べられていた。
内容はルイ・クープランとその甥フランソワの曲集二つずつを交互に休憩なしで出ずっぱり1時間40分演奏。
F・クープランの鍵盤曲というと、これまでレオンハルトの録音と大塚直哉の生演奏を聴いたのが主なものだ。しかし、二人とも当然フランス人ではない。やはり本場の鍵盤弾きはどう弾くのかと期待したのだった。

その結果は……意外にも「健全」run
ルイの方は質実--「剛健」ではなくて「地味」。抑制された中から粋の精神がほの見える印象だ。
フランソワはというと、一見ダルに寝そべっている若い娘っ子に「アイス買ってきたよー」と声をかけると「きゃー、うれピー」(←死語^^;)とむっくり起き上がってくるみたい。変な例えですいません。まあ、そんな本質の健全さである。これがご当地流か。

先日の藝大公演でもやはり同じく、フランソワの曲集第2巻第8オルドルが演奏されたのだが、その中のパッサカリアでは大塚直哉は執拗な反覆の中に圧倒的な悲哀を感じさせた。しかし、今回のルセではそんなことはなかった。
そういう点では個人的にもうちょっと退廃的な面を期待していた私にはややガッカリ感dashがあったと言わざるを得ない。

歌手と同じで鍵盤奏者も(あとガンバ弾きもそうか)聴く場合には、上手い下手よりも個人的な好みが優先してしまうのかも知れないねえ~(+_+)

アンコールは3曲もやってくれて、サービス満点であったよ。NHK-FMで放送予定とのこと。
終演後は募金する人が大勢でごった返していた。


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2011年6月 6日 (月)

ティーファクトリー「豚小屋」:伊藤キムの腕は長かったなー

110606
作:ピエル・パオロ・パゾリーニ
演出:川村毅
会場:座・高円寺1
2011年5月20日-29日

映画監督パゾリーニの書いた戯曲を、川村毅が本邦初演したもの。そもそも彼の戯曲群は翻訳さえされてなかったそうな。
で、見終わった後でよくよく考えると私はパゾリーニの映画を一本も見たことがないことに気付いた。なんたることかng へっへっへっ(^Q^;)せめて映画ファンの風下に置いてやって下せえ。

多分、川村毅は映画作品からの引用場面を加えていると思うのだが、映画が未見だとどこがそうなんだかよく分からない。さらにイタリアの近現代の社会状況を知らないとやっぱり分からない。それから、作者とキリスト教信仰についてもだ。
というわけで、極めて難解なのであった。

ストーリー的には戦後に新興した企業家の息子であるブルジョワ引きこもり青年がたどった悲劇ということになるだろうか。青年の婚約者の少女は学生運動にのめりこんで青年を捨てる。しかも、母性×父性、資本家×労働者、若者×大人などのそれまでの対立構図はすべて霧散してしまっている状況だ。
ただし、それらはわざと生硬なせりふ回しと繰り返しで間接的に語られる。
その間に天使が舞ったり、「野人」(伊藤キム)が出没したりする。
--のでますます分かりにくい。

この戯曲をパゾリーニは映画にもしているが、戯曲になくて映画版に付け加えられた場面も入れたそうな。
終盤の展開はテネシー・ウィリアムズが脚本を書いた「去年の夏、突然に」(エリザベス・テイラー出演)をもじってるのかね。もっとも意味が違うか?

手塚とおる演じる青年は豚小屋を夢見るように語った。伊藤キムはキリストsign02
ラストに降りてきた新聞紙の幕の真ん中に「まどか☆マギカ」の最終回の全面広告が使われていて、一部の笑いを誘っていた。

とにかく、次はパゾリーニの映画を見てから出直したい(^^ゞ 次があるとすればだが……wave


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2011年6月 5日 (日)

わが故郷は……

*原発ネタですので、ウゼェと思う人は飛ばしてください(^^)


年間許容被曝量20ミリシーベルト問題が話題になっている今日この頃ですが、果たして文科省発表の放射線量の数値は正しいのか--というんで、独自に調査した結果が出ております。
で、どうもほとんど政府の発表より数値が高いと……up

驚いたのは資料3でありまして、これを見ると私の実家がある地域はしっかりと年間1ミリシーベルト以上に入っているじゃありませんか~っ(>O<)ギャー

あ、当然「直ちに健康に害はありません」な値ですよ(^o^;)b
それに同じ地区でも場所によって数値がかなり高低があるらしいですしね。
でも、これまでの日常のレベルではないことは確かなのであります。
わが故郷は美しい海も山もなく、農産物を生産する土地でもなく、ただ小汚い灰色の家が並んでいるだけのド下町ですが、それでも故郷は故郷であります。残念無念であ~るheart03

今年は親不孝なことに母親の命日に墓参りにも行かなかったが、墓の周囲の草むらにはもっと高い数値の放射能がたまっているんじゃろうかdanger そういや、墓地の隣にはお寺が経営している幼稚園があったな。子どもが……(+o+;)

もちろん「共産党のやった調査なんか信じられるけえ( 'д')、ペッ」というのも一つの意見であるし、「いや、政府が国民を危機にさらすはずがない」というのもまた一つの見識であります。

しかしながら、先日「日本の公害史」(世界書院)という本をパラパラ見ていたら、「日本の公害史の中で絶対にみすごしてはならない点は、企業と行政と御用学者が三位一体となって公害の原因をおおいかくしてきたことである」と書かれているのを見てめまいtyphoonがしてしまいました。
なんか今の状況と同じじゃないですかっ! これは四大公害裁判(水俣病、イタイイタイ病など)についての記述ですが、1960年代の話です。

さらに公害に限らず、薬害エイズ、C型肝炎問題など同様の三位一体の構図によってその後も変わることなく引き続いて起こっております。これらを見るとどうも国民の生命を守ろうという気はないように思えますねえ。それどころか危険にさらしているのか?

先日、CS放送に出ていた生井兵治という元教授(地上波には絶対出そうにないユニークな人物)が、農作物や土壌も地域をグリッド上に分けて毎日同じ場所で定点観測を続けなければ意味がないと話していましたが、そういうことを国がやる予定はないようで……empty

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2011年6月 1日 (水)

聴かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 6月版

6月の来日組はタリスコ、BCJ外人部隊、そしてラ・プティット・バンド。来てくれるんですね~shine
ところで、武蔵野文化事業団のチラシに「都下に新設されたホールのオープニング事業の目玉として、クイケンの公演は行われる予定でした。しかし、予算上の問題で突然のキャンセルをされた……」というのは、どこのホールなのかな? まさか突然、新年度の予算が減らされたとか?(^_^;)

*1日(水)クリストフ・ルセ チャリティ・コンサート
*10日(金)聖母被昇天のミサ(コントラポント)
*18日(土)・24日(金)・25日(土)・26日(日)能楽堂でバロック・オペラ
今期一番の注目の演目か? まだチケットあるもよう。

他には
*3日(金)天正遣欧使節団とルネサンス音楽 イタリア篇3
*5日(日)みんなの古楽1 ラ・フォンテヴェルデ
*15日(水)小倉麻矢+佐藤亜紀子
*24日(金)櫻井茂+桒形亜樹子

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