シャルパンティエ「聖母被昇天のミサ」:かつお節削り器上のチェロ
17世紀パリ夏の祭典
演奏:花井哲郎&コントラポント
会場:渋谷区文化総合センター大和田さくらホール
2011年6月10日
8月15日はフランスではカトリックの祝日で、聖母マリアが死後に天に昇ったのを記念するという。今回の第10回定期公演ではこの日に関連したシャルパンティエ作品が演奏された。
基本的な人数はヴァイオリン&ヴィオラが7人(コンミスは小野萬里)、リコーダーとオーボエが二人ずつでその他通奏低音陣5人。声楽隊は独唱者6人に合唱13人という布陣であった。
公演のタイトルである曲は一応「ミサ」となっているが非常に華やかな色彩に満ちあふれたもの。8月15日だけでなく儀式の際にも演奏されたとのことだ。独唱、重唱、合唱、器楽演奏のみのサンフォニーなどが綾なすように組み合わされている。
後半ではぐっと小編成になって小オラトリオ「おとめ聖マリアの被昇天に」。ルイ14世の治世後半の当時ではこのようなイタリア趣味の曲はあまり人気がなかったそうなので、イタリア帰りのシャルパンティエの独壇場っぽかったらしい。
有名な「テ・デウム」、何が有名かというとサッカーや音楽祭の国際中継のテーマ曲に使われたからだ。
はて(?_?)どんな曲だったかしらんと思ってたが、勇壮なプレリュードを聞けばすぐにナットク(*^^)bああ、あれかと分かりました。ここでは再び大編成でさらにトランペットとティンパニも入ってにぎやかである。なんでも英国との戦争勝利記念に作られたとのことで、壮麗なのも道理ということだろう。中間に入った男声三重唱が聴きごたえがあった。
なかなか日本では聴く機会がないプログラムなので、聴けてヨカッタ感が強くて満足であった。
また全曲を通してリコーダー(太田光子、辺保陽一)が印象に残った。フランスものには欠かせぬ響きですね。
それからチェロがエンドピンなしに小さな木箱(かつお節削り器を半分に切ったぐらいの大きさ)に乗せて弾いてた……初めて見たような
客は学生風の若者と中高年の2つに完全に分かれていた。想像するに、演奏者の教え子や関係者、それと上杉さんや春日さんのファンかな。
会場は最近、古楽のコンサートに使われてる場所だが、どうも音の聞こえ方が変な気がする。残響が多いわけでもないようなのに、音がひとかたまりになって個々の音が聞き分けられない。たとえば独唱者が歌い始めても、どこで歌ってるんだ?と舞台上を目が泳いでしまう。あまり音楽向きではないようだ。
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