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2011年6月 6日 (月)

ティーファクトリー「豚小屋」:伊藤キムの腕は長かったなー

110606
作:ピエル・パオロ・パゾリーニ
演出:川村毅
会場:座・高円寺1
2011年5月20日-29日

映画監督パゾリーニの書いた戯曲を、川村毅が本邦初演したもの。そもそも彼の戯曲群は翻訳さえされてなかったそうな。
で、見終わった後でよくよく考えると私はパゾリーニの映画を一本も見たことがないことに気付いた。なんたることか へっへっへっ(^Q^;)せめて映画ファンの風下に置いてやって下せえ。

多分、川村毅は映画作品からの引用場面を加えていると思うのだが、映画が未見だとどこがそうなんだかよく分からない。さらにイタリアの近現代の社会状況を知らないとやっぱり分からない。それから、作者とキリスト教信仰についてもだ。
というわけで、極めて難解なのであった。

ストーリー的には戦後に新興した企業家の息子であるブルジョワ引きこもり青年がたどった悲劇ということになるだろうか。青年の婚約者の少女は学生運動にのめりこんで青年を捨てる。しかも、母性×父性、資本家×労働者、若者×大人などのそれまでの対立構図はすべて霧散してしまっている状況だ。
ただし、それらはわざと生硬なせりふ回しと繰り返しで間接的に語られる。
その間に天使が舞ったり、「野人」(伊藤キム)が出没したりする。
--のでますます分かりにくい。

この戯曲をパゾリーニは映画にもしているが、戯曲になくて映画版に付け加えられた場面も入れたそうな。
終盤の展開はテネシー・ウィリアムズが脚本を書いた「去年の夏、突然に」(エリザベス・テイラー出演)をもじってるのかね。もっとも意味が違うか?

手塚とおる演じる青年は豚小屋を夢見るように語った。伊藤キムはキリスト
ラストに降りてきた新聞紙の幕の真ん中に「まどか☆マギカ」の最終回の全面広告が使われていて、一部の笑いを誘っていた。

とにかく、次はパゾリーニの映画を見てから出直したい(^^ゞ 次があるとすればだが……


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