「ゲンスブールと女たち」:女・シャンソン・女・シャンソン・女
監督:ジョアン・スファール
出演:エリック・エルモスニーノ
フランス・米国2010年
チラシなどで見かけた時にドキュメンタリーかと思った。それほどに主役が実物に(印象が)似ていたからだ。といっても、セルジュ・ゲンスブールのことはほとんど知らないのだが……(^^ゞ 予告を見て劇映画だと知り見に行った次第。しかし、この予告が内容の一部分しか伝えてなかったのだよね……。
監督は元々コミックス作家で自作を実写化したらしい。冒頭のタイトルバックのアニメにその作風がうかがえる。
自らの容貌にコンプレックスを感じているユダヤ人画学生が、バイトのピアニストの方が本業になり、様々な女たちと浮名を流す。相手はジュリエット・グレコ、ブリジット・バルドー、ジェーン・バーキンなどそうそうたる面子である。
何故に醜男のはずがモテたのか その答えは「男は顔じゃねえぜ」ということしか思い当たらない。音楽の才能か性格かマメ男だったのか。
タイトルの通り、女性たちとの関係とその時々の曲を中心にしているのでそれ以外の面--たとえばマルチ・アーティストだったとか、当時のシャンソン界でどんな位置にいたのかというようなことは見てて全く分からなかった。
幼少の頃、親独傀儡政権下でユダヤ人であることを隠して寄宿学校に入るシーンが出てくるが、ユダヤ系であることが後々どうだったのかということは描かれていない。それとも欧米では描かずとも自明に分かることなのか。
一番特徴的なのは、ゲンスブールの暗黒面というかオルター・エゴというか、彼の醜悪な面を集めたようなキャラクターが登場することである。巨大なユダヤ鼻を持ち醜悪で性格は陰湿だ。そいつは時に彼を解放し時に追い詰める。
その造形がハリボテを頭にかぶったようなもんで、監督のマンガからそのまま出したんじゃないのみたいなキャラなのだ。
これは見る人を選ぶだろう。個人的には、果たしてこの手法が成功しているのかどうかアヤシイと思う。予告でこいつを出さなかったのも納得だ。
ということで、ゲンスブール(ゲンズブールじゃないの?)初心者にはいささかキビシイ映画であった。
バルドーが登場する場面が
バルドー来た~ッキタキタキタ━━━(・∀・≡(・∀・≡・∀・)≡・∀・)━━━━!!!!!!
みたいな感じなんで笑ってしまった。
レゲエ版フランス国歌、超カッコエエです。
バーキン役の女優さん、自殺しちゃったの((+_+))
女たち点:7点
音楽点:6点
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