「J.G.ゴルトベルクとドレスデンの音楽家たち」:熱演&熱鑑賞の夜
演奏:アンサンブル・リクレアツィオン・ダルカディア
会場:近江楽堂
2011年7月22日
日本の次世代アンサンブル四人組の演奏会。前回はチケット買ったけど、所用のため行けなかったんだよなあ……。
今回はバッハの作品名の中に名を留めて知れ渡っているものの、その本人の作品はあまり知られていないJ.G.ゴルトベルクを中心にドレスデンの宮廷で活躍した作曲家を取り上げている。
いつもの通り、チェンバロの渡邊孝の詳しい解説リーフレット付きだ。それによるとゴルトベルクは「バッハの弟子」ということになっているが、実際には本当に師事したのか不明だとのこと。そもそも自分の仕える伯爵のために「ゴルトベルク変奏曲」を弾いたかどうかも分からないらしい。
そんな彼のトリオソナタを全部で3曲演奏。バッハの作品と間違われていたというのに納得な曲もあれば、もっと新しい様式で才気みなぎる曲もある。29歳で亡くなったのは、まさに若いのに惜しい人を亡くしました(v_v)という感じか。
他には初期バロックのカルロ・ファリーナからヴィヴァルディ、そしてポルポラをやった。ポルポラはチェロに対し二台のヴァイオリンがユニゾンで応答というチェロ協奏曲風の作品。ここではもちろんチェロの懸田貴嗣が活躍した。
ヴィヴァルディは「ムガール大帝」(翌日、某来日グループが演奏したそうですな)より一つの楽章を演奏。これが短いがなんとも狂的な曲で、松永綾子がソロで弾きまくった。続いて「フォリア」来た来たキタ~ッ もう一人のヴァイオリン山口幸恵と共に激しい情念を再現したのであった。
さらに珍しいことに、肝心の「ゴルトベルク変奏曲」をやる代わりに「ゴルトベルク変奏曲のアリアの最初の8つの低音による14のカノン」という曲が演奏された。これはなんと1974年に発見されたもので、バッハ先生自身による「シロートでも10分でわかっちゃうゴルトベルク変奏曲」なのであった。
変奏曲の主題となるバスの音の最初の8つを使って様々なカノンの形が展開されていく。それが4人で和気あいあいと演奏されたのだった。
ある時は激しくぶつかり、またある時はピタリと息の合った4人のアンサンブルが楽しめたコンサートだった。
ただ、会場の空調が聞いてなかったのにはマイッタ(@_@;) 涼しい日だったので節電のためではなくて、風から弦を守るためなのか? ここの空調は温度調節が出来なくてオンかオフのどちらかしかできないと聞いてたとはいえ、だ。
最後のゴルトベルクのトリオソナタに至った時には、暑くてもう少しで気持ち悪くなるかと思った 弾いてる方も熱演だったが、聴いてる方も汗ダラ(~_~;;;;状態の命をかけた鑑賞であった。会場出ると客が「暑かったね~」って言ってるんだもん。
その客については身内&関係者が多かったもよう。
アンケート用紙を配っていながら、回収方法を考えてない状態がまたも……
次回は「モーツァルトとバッハ一族」ということで、守備範囲外なんでパスしそう。代わりに渡邊氏のフローベルガー&フレスコバルディに行こうかなっと
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