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2011年7月23日 (土)

バッハ・コレギウム・ジャパン第94回定期演奏会:女神さまに札を握って突進す

110723
世俗カンタータ全曲シリーズ1
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2011年7月14日

思えば前回の定期から1か月足らず。早ッ(+o+)という感じである。
教会カンタータ編も終盤に近づき世俗カンタータへ突入だ~
「世俗」となるとどうも今一つ作品自体の価値が低いような印象があるらしいが、それを覆すような演奏を目指すとのようである。

今回はバッハ先生がまだ若い頃の作品2つ。どちらも雇い主の領主の誕生祝いで、ヨイショな歌詞が満載だ~。また、後に他のカンタータに転用されたのも多く、どこかで聞いたぞ感が頻出だった。

前半のセレナータ「人と年をつくる時は」は、CTのダミアン・ギヨンとテノール櫻田亮(お久しぶりですかな)が「神の摂理」と「時」という抽象的なもんに扮してヨイショしまくるという内容。
4曲目の二人揃ってのアリアの背後に流れる細かい弦のフレーズ、そして6曲目のアルト・アリアでの執拗な通奏低音が耳に残った。
二人の歌に文句はなかったが、なんかギヨン氏は見てるとちょっと余裕無さげに思えた。単に気のせいか。

「狩のカンタータ」になると、ギヨン氏が合唱隊の方に引っ込み、ソプラノ二人と櫻田氏、バスのロデリック・ウィリアムズの4人が鮮やかに色を変えた衣装で登場。
冒頭のシンフォニア(「ブランデン」転用)には、またまた来た~~ッなマドゥフ(ありゃ名前が戻ってる(?_?)前回のは誤植か)組がコルノ・ダ・カッチャを演奏して、まさに「狩」の気分を盛り上げた。

こちらも内容的には女神ディアーナと恋人エンデュミオン、牧神パーンと女神パレスが賑やかに領主の誕生日を祝うというもの。
エンデュミオンが歌うテノール・アリアはなんと甘~いラヴソングではありませぬか。バッハ先生もこんな歌を書いていたとは隅に置けませんのう それを櫻田氏が甘々全開で歌えば、鈴木父子共演の二台のチェンバロが深く彩り支えるのであった。
ウィリアムズ氏は、7曲目のアリアで3本のオーボエ隊を向こうに回しつつ、いかにもパーンの威厳を見せ付けるような歌いっぷりだった。

パレス役のジョアン・ランは20周年記念公演に続いての登場。あの古楽ファンなら耳にこびりつくほど聞いている「朝のバロック」のテーマ曲にも使われたアリアを歌った。まさに豊穣にして牧歌的イメージたっぷりな歌声で、聞く者を幸せな気分にしてくれたですよ。もちろん、リコーダーの山岡&向江コンビの演奏も大いに貢献である。
というわけで、もう一人のソプラノ--代役で初お目見えのソフィ・ユンカーは他に比べて地味な印象で割を食ってしまったようだった。残念。

全体を通しては、やはり櫻田氏の活躍がピカピカと目立っていた。まだまだ躍進中という感じでこれからも楽しみです(^^)/

二曲とも客はーから拍手喝采ブラボーがさかんに飛んでいた。世俗曲なんでアンコールやってくれるかと思ったが無しだった。

その後、ホワイエに募金箱持って鈴木御大が現れたんで財布を取り出したが、ソプラノ二人も登場したため直ぐに方向転換 ジョアン・ランたんの持ってる箱に募金したのであった。
ホントは英語で「あなたの女神さま素敵だったですうO(≧▽≦*)Oキャー」と声かけたかったけど、全く英語に自信がないので募金だけにした(←単なるミーハーよ)。近くで拝見しても美しかったですわ

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