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2011年8月21日 (日)

「黄色い星の子供たち」:正しさと面白さと

110821
監督:ローズ・ボッシュ
出演:ジャン・レノ
フランス・ドイツ・ハンガリー2010年

「御説ごもっとも!」……だが実際見て面白いかというと(?_?) ハテナ印が付いてしまうのがこの映画である。

ナチス・ドイツ占領下のパリで行われた一万三千人のユダヤ人一斉検挙--行く先はもちろん強制収容所だ。
この事件についてフランス政府が責任を認めたのは1995年になってからだという。

監督はジャーナリスト出身で当時の記録や目撃者の証言などを集めて作ったらしい。
だが、作品は序盤からどうも焦点が定まらず散漫である。ユダヤ人居住区の複数の家庭、フランスの行政側、ヒトラーとその周辺が並列的に描かれるのだが、互いの話が絡み合うわけではなく、単に「こうでした」と並べているだけに過ぎない。
特にあんまり似てないヒトラーの登場するシークエンスは果たして必要だったのか、疑問である。作り手の方は、どのような経緯で行われたのか史実を描きたかったのだろうと推測するが、ヒトラーのソックリさん物についてはこれまでに出尽くしてしまっているので、今さら感がぬぐえない。直に出すより脚本でうまく処理しろってな印象だ。

中盤以降の検挙が行われるくだりからはさすがに生存者の話を元にしているだけあって、迫力満点な描写となる。
とりわけ競輪場に集められ押し込められる場面は震災の避難所を想起させて、見ててウツになってしまった(>_<)

途中からジャン・レノの医師とメラニー・ロランの看護婦が中心となってくるが、むしろ親との再会の望みを捨てて逃走した少年を主人公にして話を組み立てた方がよかったのではないの? 子役が中心だからお涙頂戴になりかねないが、よくよく考えると壮絶な人生であるよ。
史実を客観的に描くんだったらドキュメンタリーの方がふさわしかっただろう。

というわけで趣旨には文句を付けようがないが、できた作品はであった。
役者については子役とおとーさん役はグッジョブ

フランス政府は長くかかったとはいえ、それでもよく責任を認めたもんである。当時のネトウヨの類が騒がなかったのかね。


子役点:8点
ヒトラーそっくりさん点:5点

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★★★★★“国家が個人の良心や命を踏みにじった事件が、捕らえられた人々の視線で強烈に描かれています” パリの街もプロパガンダによってユダヤ人に嫌悪感を持つ人も大勢います。 一方で学校でユダヤ人を差別しないように子どもたちに厳しく言う教師や、ドイツ兵が来たら真っ先にユダヤ人の看護師を逃してやるようにアネットたちに頼む上司、ドイツ軍が来たら合図を送るというアパートの管理人、検挙にあたった警官の中ですら知り合いのユダヤ人にこっそりと助言をする人もいます。 また、ヴェル・ディブにやってきた消防士達は、消火ホ... [続きを読む]

受信: 2011年11月 7日 (月) 14時33分

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