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2011年10月

2011年10月31日 (月)

「エンリコ・オノフリ バロック・ヴァイオリン・リサイタル《悪魔のトリル~幻のヴァイオリニスト。》」:この日私は「奇跡」を見た!のか?

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会場:ハクジュ・ホール
2011年10月28日

斧振旋風来たーっ~~~~~(^^)~~~~~♪♪♪

前回来日時の公演には行かなかったのだが、今回は「イタリア過激派」を聞いてみるべえと満員御礼の会場へ足を運んでみた。行く気になったきっかけは去年、オノフリの弟子の杉田せつ子の演奏を聞いたことから興味が湧いたからだ。

さて、生オノフリを見るのは2007年のヘンデル公演以来。あの時に比べると彼は大げさではなく三分の一ぐらいに細くなっている(!o!) 同年代の男性としては完全に痩せてる方に入るだろう。なるほど確かに「奇跡のヴァイオリニスト」だー。

2回公演のうち、今日の方は4人で小編成の合奏をやるのかと漠然と思っていたのだが(日曜の上野は協奏曲系だ)、実際始まってみるとそうではなかった。4人でやったのは一曲目のヴィヴァルディのソナタとラストのやはりヴィヴァルディ版の「ラ・フォリア」だけだった。
従って杉田せつ子はこの2曲に出たのみ。完全にオノフリの個人技を披露するコンサートである。

ヘンデル、ヴェラチーニ、タルティーニの「悪魔のトリル」は鍵盤(チェンバロ&オルガン)の渡邊孝との組み合わせでやり、コレルリのソナタはチェロの懸田貴嗣と、それぞれ二人で演奏。この手の曲で通奏低音がチェロだけというのは珍しいが、マッチしているのかしていないのかよく分からないような、多分に緊張感をはらんだ(と感じたのは私だけ(?_?;)演奏だった。
渡邊氏はグッジョブと言いたくなる、主役に負けない迫力であったよ。

で、オノフリはというと、ヴァイオリンという楽器のあらゆる面を引き出して、強弱硬軟自由自在に弾きまくり、聞きなれた曲も初めて聞いたかのように思わせる斬新な解釈を披露した。まるで踊ってるような大きなアクションで弾き、勢い余り過ぎて弓をどこかにぶつけるような余計な音も若干聞こえたが(前の方の席だったんで聞こえた)、そんなことはキニシナイ ('ε')
これでイタリア系以外の、バッハなんかはどういう風に弾くのか?--日曜の上野でブランデン3番をやる予定らしいが、聞いてみたくなってしまった。
客席からはブラボーが飛び、拍手喝采になったのは宜なるかなである。

しかし問題なのは……だからといって、彼の演奏が好きかというとそういうわけではないことなのだ


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2011年10月29日 (土)

オペラ「ヴィーナスとアドニス」抜粋:あのセレブ美女が若い男にぞっこん!四角関係で炎上(週刊「神話」中吊広告より)

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アンリ・デマレ生誕350年
演奏:マティルド・エティエンヌ、マラン・マレ・スペシャル・ユニットほか
会場:近江楽堂
2011年10月21日

デマレはルイ14世時代に人気があった作曲家である。マレやシャルパンティエなどと並び活躍したとのこと。しかし弟子の女性と駆け落ちして逃走、国外追放と同じような境遇になってしまったらしい。

彼の作品はCDで宗教作品しか聞いたことがなかったが、演奏会形式でオペラをやるというので行ってみた。
会場が近江楽堂だからそもそも大編成ではない。ヴァイオリン×2、ガンバ、チェンバロに、歌手はソプラノ二人にバリトン一人というものだ。

このうち知っているのは、チェンバロの野澤知子とバリトンの辻康介ぐらい。ソプラノの片方は、フランスから来日した古楽系若手歌手のマティルド・エティエンヌだ。

オペラの内容は、女神ヴィーナスが王子アドニスに恋をしてしまうところから始まる。それを聞いて「冗談じゃないわよ」状態なのはアドニスの婚約者シディップだ。女神を非難し、その夫の軍神マルスに訴え復讐を決意する。
で、ヴィーナスがちょっと目を離したすきに、マルスが巨大怪獣--ぢゃなかった、怪物を召喚し国土を破壊。怪物と戦ったアドニスは戦死してしまい女神は嘆き悲しむのであった。

オリジナルでは当然アドニス役が出るのだろうが、今回はそのパートはすっぱり削除されている。
このような小規模な形でオペラなどをサロンで演奏するというのは当時よくあった形態だという。

主役のヴィーナスがエティエンヌ女史で、身体は小柄だが顔の造作がナタリー・ポートマンを大きくしたようで、いかにも舞台映えする美女ではありませぬか
彼女は中盤までの、新しい恋に有頂天になって周囲の声も耳に入らぬ若い娘のようになった女神を表現し、一転終盤では恋人を失った悲嘆を切々と歌った。まことにお見事である。
それに対し、婚約者役の樋口真理子はいかんせん線が細すぎ。今後の精進を期待します。

マルスを歌ったのが辻康介で、これまで彼については中世歌曲とイタリアものは聞いたがおフランスものは初めて。助演的な役どころのせいかこれまでの押しの強い歌い方ではなく、受け手に回った印象。でもマルスなんだからもうちょっと強く出てもよかったんじゃないの(?_?)という印象だ。

実は歌手とは別に女優の語りが入っていた。乳母役として場面場面でストーリー説明し、これから歌われる内容を紹介する。これが淡々と語るだけならいいんだけど、絶叫したりするのにはマイッタ。音楽が十分に心情を語ってくれるというのに、それ以上に加えてどうするよてなもん。まさに屋上屋を重ねるとはこのことだいっ。

楽器の演奏の方は、これまで海外で活動していた(?)人たちなのだろうか。そつのなく、少人数で情感をよく表していた。

日本では上演機会が皆無に近い、珍しいデマレのオペラを聞けただけでも元は取れた公演といえよう。エティエンヌ女史も素敵(*^o^*)ポッでしたわよ。
彼女は北とぴあ音楽祭参加公演である野澤知子のリサイタル(10月30日)にゲストで出るもよう。バロック・ジェスチャーも披露してくれるようだ。旧古川庭園の洋館というロケーションもバッチリである。興味のある方はどうぞ。
残念ながら、私は藝大で皆川先生のお話を聞かねばならぬ……。


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2011年10月27日 (木)

人類の退廃

「「生き証人」が語る真実の記録と教訓~大震災で「生と死」を見つめて」第9回

このシリーズはしばらく前からずっと読んでいる。しかし、この回は非常に衝撃を受けた。
前半の救助犬の話も極めてヘヴィな話であるが、後半はもっと……(> <,)ウウウ これはひど過ぎる。
このような状態を起こさしめ、それが今も続き、放置されている状況とはまさに退廃としか言いようがない。

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2011年10月23日 (日)

「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集」:馬の耳に練習曲

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音楽を学ぶ子どもたちに思いを寄せて
演奏:桐山建志、大塚直哉
会場:近江楽堂
2011年10月18日

桐山&大塚コンビによる近江楽堂での演奏会--もう何度もやっているが、今回は「音楽を学ぶ子どもたちに思いを寄せて」というタイトルがついている。何のことかと思ったら、スズキ・メソードの指導曲集にバロック時代の名曲を編曲したものが多く含まれていて、その原曲を調べたものを演奏するという趣向だという。

登場する作曲家はコレルリ、ヴェラチーニ、ヘンデル、ポンポルティと、なるほど豪華なメンツである。
ヴェラチーニの曲は二つのソナタの楽章を組み合わせて一曲にしたものが指導曲集に入っているとのこと。もちろん、この日は双方のソナタが演奏された。
また、ヴェラチーニは通奏低音奏者を信用していなかったフシがあって、鍵盤の左手しか使用しない指示が多く使われているそうな。

ポンポルティの曲は「エックレスのソナタ」としてヴァイオリンだけでなく多種の楽器の練習に使われているとのこと。
また、コレルリと来たら定番は「ラ・フォリア」に決まってるが、この曲も子ども向けの指導曲になっているとは驚いた。
桐山氏がこれを弾くのを聞いたのは初めて(多分)。落ち着いた演奏の中から徐々に狂熱が湧き出してくるようなイメージで、終わった後には客席からため息がもれ、過半数を占める女性客からは「素敵ねえ」という声が上がったほどだった。また、普段はポーカーフェイスな大塚氏も髪振り乱して(実際に乱れてたわけではないけど(^^;)弾きまくっていた。

ヘンデルについては声楽だけでなく、器楽でもメロディメーカーみたいな面があると感じていたが、そんな部分が心地よく存分に引き出されていた。

とはいえ、音楽教育など受けて来なかった私にはそもそも元の指導曲集を知らないので、企画としてはあまりピンと来なかった。子どもの頃、楽器をやっていた人には恐らく感慨深いものがあったと思われる。
そういう意味で私には猫に小判な演奏会であったよ=^_^=


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2011年10月22日 (土)

「中世・ルネサンス貴族たちの古楽の宴」:代官山地下にダンス天国現わる

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主催:都市楽師プロジェクト
会場:代官山ヒルサイドテラス ヒルサイドプラザ
2011年10月9・10日

都市楽師プロジェクトというのは、都内の橋の下で(残響がいいらしい)船上コンサートをやったり、面白そうな企画をやっている。なので、はるばる来ましたよ、代官山
会場の入口はいかにもオッシャレーなショップの間にある狭い広場の一画。そこかららせん階段を地下に降りていくと小さなスペースに出るのであった。

前半は「ヨーロッパ中世の世俗音楽」で、演奏は既にこのブログでも紹介したことがあるジョングルール・ボン・ミュジシャン(この記事とかこの記事)の4人組である。

中世風の衣装をつけて、バグパイプやフィドル、ハーディガーディなどをバックに歌われたのは吟遊詩人たちの作品。騎士が羊飼いの娘を口説くが騙されないわよ<(`^´)>とあしらわれてしまう12世紀フランスの歌曲が面白かった。辻康介と名倉亜矢子が日本語の語りも交えて笑わせてくれた。また「ロバンとマリオン」から心情あふるるマリオンの歌もよかった。

その後は「カルミナ・ブラーナ」より飲む打つ買うとなんでもござれの不良学僧が登場して、酒の神バッカスの讃歌を数曲歌う。曲間に辻氏が「酒は我々を真人間にしてくれる」と語って会場の笑いを誘っていたが、それなら私なんか毎晩真人間になるべく研鑽をつんでおりますですよ( ̄ー ̄)/C□

休憩を挟んで「ルネサンスの世俗音楽と宮廷舞踏」パートへ。
ここではヴァージナル奏者と踊り手二人が参入。衣装もチェンジして16世紀ヨーロッパの歌曲と舞踏曲が演奏された。
ダンスは様々なパターンを披露、当時の宮廷や貴族たちの生活を彷彿とさせるものだった。

で、最後に「ここで皆さんにも踊ってもらいます」という宣言があって、会場がざわめいた。私は会場は狭いし、そんなに出る人はいないだろうと思って静観していたのだが、なんと9割以上の人がわらわらと席を立って出てきたのには驚いた(!o!)
タブラトゥーラのコンサートだって、いくらメンバーがあおっても毎回常連が十数名出てくるだけなのに…… こ、これはなに(~o~;)

というわけで、大半の客が一列に手をつないで(男同士は手をつないじゃダメなんだって女同士ならいいの?なぜ)狭い会場を踊りまくったのであった。私はこの事態をボー然と眺めるのみであったが、写メとっとけばよかった。失敗した(-"-)
しかし、主催者側もあんなに人が踊りに出てくるとは予想してなかったんではないの? スペース狭すぎです

終わった後で一同拍手喝采となったが、バグパイプを吹いていた近藤治夫が「もう唇が腫れてしまったんでアンコールは勘弁」ということで、お開きになったのであった。

十分楽しかったです。ただ、代官山というハイソなロケーションが……。できれば夏に下町の盆踊り会場みたいな所でやるといいかも(バグパイプ奏者は複数準備)。


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2011年10月20日 (木)

映画版「テルマエ・ロマエ」

まさか古代ローマの場面に日本人役者使ったりしないよねえ、とか、現代日本の場面だけなんじゃないの、とか言っていたのだが、なんとこれは……\(-o-)/

これとか、これとか、マジですか~。

まあでも、過去にユル・ブリンナーとかピート・ポスルスウェイトが日本人を演じたこともあるんだから、似たようなもんだと思えばいいのか

でも……( ̄Д ̄;;……やっぱり止めてくれ~~~(>O<)

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「U2 360° LIVE from Los Angeles」

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U2のライヴをWOWOWでやっていたので見てしまった。2009年にカリフォルニアのスタジアムでやったものだ。この時、米国での単独公演動員記録を打ち立てたらしい。

彼らについてはREMの記事でも書いたが、ほぼデビュー当時から聞いてきた。そのせいか、個人的には長い間に嫌いになったり、また好きになったりと差が激しい。「もう次のアルバムは買わねえ!」と思ったことは三、四回はあったろう。だが、その度に何かのきっかけで見直すことがあり、また聞き始めたりするのだった。
そして、最新作の「No Line On The Horizon」。こいつは何度聞いても、どーにもいい所を見つけることができず、今度こそもうダメだーと感じるぐらいにガッカリしていたところだった。しかし……(+_+)

ライヴ映像を見たのは十ウン年ぶりぐらいか。ボノはかなりオヤヂっぽくなってしまった(他の三人はそんなに変わってない)。が、彼の歌声は昔同様パワフルであるのに驚いた。メンバー同士のコンビネーションもよく、円型の舞台上に据えた大掛かりな装置(六本木にあるルイーズ・ブルジョワの蜘蛛のインスタレーションを連想させる)の効果と相まって、圧倒的なパフォーマンスとなっている。
さすが、最高記録を打ち立てるだけのことはあると正直思った。これだけのライヴを未だ持続しているとは想像していなかった。
やはり、ミュージシャンというのはどんな人間であるかより、どんな音楽をやるかで価値が決まるのであるなあ。例えボノがどんなクソ野郎だとしても、私は平伏するよ。そして十万人近い聴衆の視線を平然と受けとめるのは、並みの神経では到底もたないとも感じた。

この上は、先達ローリング・ストーンズの後を追ってじーさんバンドと呼ばれるまで不動の四人で演奏し続けて欲しい。
という訳で、もう一度「No Line On The Horizon」を聴きなおしてみるかね……。


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2011年10月15日 (土)

「ミヒャエル・シュナイダー リコーダー・リサイタル」:ソフィーたんと呼ばせてもらってエエですかっ

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会場:武蔵野市民文化会館小ホール
2011年10月8日

上野のコンサートの終了後、小走りに上野公園を通って電車に飛び乗り、三鷹へ 完全に間に合った(*^^)v
でも、三鷹の駅から会場まで結構歩いたし、座席に座った時にはドッと疲労感が…… 眠気虫が出現しそうな嫌なヨカ~ンだ。

さて、ミヒャエル・シュナイダーって実は名前も知りませんでした、ハイ(^^ゞ しかし、武蔵野から送られてきたチラシに「来日を果たしていない最後の巨匠の一人がついに来日」とか「カメラータ・ケルン、ラ・スタジオーネ・フランクフルトを創設。ドイツ古楽界を牽引し続ける秘宝」などと書いてあり、おまけに今村泰典も共演となれば、こりゃ行かねばなるまいである。

もう一人「ヒレ・パールと並ぶヨーロッパ屈指の名手」にして「美貌のガンバ弾き」が来日するはずだったのが、原発事故を理由に出演辞退。代わりに韓国系の若手女性奏者ソフィー・セーヒ・イが登場した。
彼女がまたホントに若い! おぢさん二人(^o^;)に挟まれて座ってると余計にそう見える。お肌なんかピカピカして輝いてるし--オバサン、羨ましいわ~(音楽に無関係だが)

この三人で最初の四曲はフレスコバルディ、フォンタナなど初期バロックの曲を、その後は後期バロックを演奏した。
また、三人がそれぞれソロ曲もやった。ソフィー女史は、ご本人の印象とは対照的にテレマンのガンバ曲を渋く弾きこなした。どこかで聞いたことがあると思ったら、サヴァールのソロ・アルバムでかな。演奏する前に日本語で曲目紹介してくれて、ますます会場の好感度アップなのであった。(これも音楽に無関係だが)
今村泰典はバッハのチェロ組曲をテオルボで。同じ趣向の演奏は佐藤豊彦が録音しているが、これがドイツ風堅牢なチェロを思わせたのに対し、今村師匠の方は流れを重視した柔軟なタッチの演奏だった。ただ、テオルボの独奏にはいくらなんでも会場は広すぎたのが残念無念である(+_+)

本日の主役シュナイダー--外見は某フライドチキン屋の前に立ってるオヤヂを少し細くしたような感じ--はブロックヴィッツ(この人も知りません)という作曲家のリコーダー・ソナタだった。彼の演奏は気負いなく難しい所も全く難しげなく気負いもなくサラッとやってしまうタイプで、会場の喝采をあびていた。
アンサンブル曲も文句な~しである。

アンコールに入るとハプニングが(!o!) 曲目を打ち合わせてた今村師匠がいきなり驚いたように「なにっ、テレマンをやるって」と大声を上げたのである。そして、会場の方に向いて「テレマンのリコーダーとガンバのためのソナタをやりたいのですが、それだとチェロが足りない。どなたか会場にチェロを弾ける方はいませんか?」
すると、笑い半分、ざわめき半分の客席の中から、なんと「ハイッ(^^)/」と手を上げる若い男性がいるではにゃあですか!……って、最前列の一番端の席でよりによってバロック・チェロを持参しているとは、今村先生バレバレ過ぎでーす

ということで、名前は分からんが韓国系?の男性(イタリア留学中とか言っていたような)が舞台に上がって、四人で何事もなくテレマンを演奏したのであった。
拍手喝采の中、次は先日のBCJの公演で聴いたばっかりのカンタータ140番からコラール。またしても、今村師匠が「今度は歌手がいないんですが、会場に……」と笑いを取った上で、ソフィー女史が歌手のパートを弾くことで問題解決したのであった。


武蔵野市民文化会館に来たのは久し振り。駅前にあった古い一画(廃屋があったのか?手入れのされてない樹木が鬱蒼と茂っていた)が武蔵野の面影を留めているようだったのが、跡形もなく高いマンションが建っていたのにはビックリよ。


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一体、今何が問題なのか

小出氏の津田塾大学での講演録。

「原子力=核を選んだ世界の末路」

現状での問題点がよーく分かります。

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2011年10月11日 (火)

「元禄~その時、世界は 第3回 西と東~もしも鎖国がなかったら」:すり足でもバロックダンス

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藝大プロジェクト2011
会場:東京藝術大学奏楽堂
2011年10月8日

このシリーズ中、一番聞きたかったのはこれだっ(*^^)b
まず前半は「鎖国政策の真実」と題するレクチャーで、東大の日本近世史の教授のお話。ただ、例の如く時間に遅れて行ったので、終盤しか聞けなかった。それでも遠藤周作の『沈黙』の話とか面白かったので、もっと早く行けばよかったと後悔であります(^^ゞ

この後にいよいよ、空想音楽会「1687年江戸城二の丸コンサート」の始まりだ~。

将軍徳川綱吉、実は歌舞音曲を愛した文化人だったらしい。で、その点が在位時期も重なっているルイ14世と似ているのである。同時期にそういう君主たちがいたということから、もし日本が鎖国をしていなかったら--という仮説を立ててみると……。
それはなんと国王の不興をかったリュリが、日本へ自作の売り込みに来て将軍の前でコンサートを開くのであった\(゜ロ\)(/ロ゜)/タイヘンダー

リュリが「アルミード」を演奏しダンサーがバロックダンスを踊れば、将軍綱吉は負けじと能を舞う。三味線と宮廷楽団が共演したかと思えば、しまいには「フォリア」をすり足で踊っちゃったりして、こりゃビックリよ
リュリだけでなく、実際に綱吉の前で歌と踊りを披露したという医師ケンペルや、はては振付師ポーシャンまで出現である。

さて、リュリが引き連れてきた宮廷楽団は、指揮と鍵盤が大塚直哉、コンミス荒木優子に鈴木(弟)秀美や山岡重治、歌手は野々下由香里など藝大古楽科豪華メンバーである。それに加えて綱吉役は邦楽科教授だし、台本書いているのは放送作家として活躍中の院生--と藝大総力をあげて(?)のステージ作りだったのであった。スゴイね

ただ、演奏や踊りは文句なかったが、劇の部分は学校でよく卒業式の直前にやる送別会の出し物の教師による寸劇みたいな感じがしたのは否めない(^^;
リュリ役はテレビにも出てる慶応の講師だそうだが、これがまた「変なガイジン」の定番にピッタリはまっていた。

というわけで、こんな盛りだくさんで2000円なんて信じられねえ~(私は3回券買ったので1500円なのだ)。また次もよろしくお願いしま~す\(^o^)/
今回はアリア一曲だったけど、できれば野々下さん主役で「アルミード」をお聞きしたいですわ


この後、コンサートのハシゴしなければならないので、途中で出られるように後方の席に座ったが、途中休憩なかったので早めに終わって一安心。もっともダンスや舞を見るには後ろの方でちょうどよかったかも。


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2011年10月10日 (月)

トークイベント 島崎今日子×上野千鶴子

『〈わたし〉を生きる―女たちの肖像』刊行記念
会場:池袋コミュニティ・カレッジ
2011年10月6日

女性12人のインタビュー集を出したライター島崎今日子(サキの字は環境依存文字なので変えております)と上野千鶴子のトーク・セッション……というより、普段インタビューする側とされる側を今回は逆転だーという企画である(本の12人の中には上野千鶴子も入っている)。

という訳で、上野女史が島崎今日子にインタビューでうまい話の引き出し方、対象の選び方など秘策などあれこれ聞き出そうとするのであった。従って、会場にはフェミニズム系というより編集・出版側も多かったようで。

彼女のインタビューは「アエラ」に載ったのは大体読んでいる(と思う)。萩尾望都の回は母親との関係を追及、ドトーのような気迫をを感じたものだ。
取材相手としては、天才・エリートよりも、規格外で家族の援助がないような状況で才能を発揮してきた女たちに惹かれるという。
ちなみに、インタビューを熱望する相手はオノ・ヨーコ、川久保玲、オリアナ・ファラチだそうだ。オリアナファラチ……何十年ぶり(マジに)に耳にした名前だ。昔、吉田ルイ子の本で知って以来だろう。

驚いたのは、佐野洋子にインタビューした時のエピソード。普通、記事にする場合は周囲の家族や友人にも取材するのだが、息子に取材していいかと打診した途端に記事自体が中止になってしまったそうな。恐ろしい(>y<;)母と子の桎梏話である。

また、大阪から東京に移ってきてライターとの力が低いのに驚いたという。なぜなら、一極集中の東京では何でも揃っていて編集者などがホイホイ準備してくれるから。大阪ではすべて一人でやらなければならない。
それに、大阪人は何事にもうるさくて文句をつけてくるので、東京みたいに甘くはないのだという。
しかし、それなら元・都民としてひとこと言わせてもらえば、なんで知事を東京も大阪も似たようなのを選ぶかねー。ワシは納得できんぞ<(`^´)>


時折窓の外から音楽やゴーッという音が聞こえてきて、何事かと思ったら維新派が野外劇のリハーサルをやってたそうな。

*注―内容は要約していて、またこちらの間違いなどもあるので必ずしも正確ではありません。

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2011年10月 9日 (日)

「カンパニー・メン」:リストラ社員と呼ばれて

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監督:ジョン・ウェルズ
出演:ベン・アフレック
米国2010年

タイトルの和訳は「会社人間」?--いや、それともまさに「社畜」であろうか。リーマン・ショックの影響で大企業をリストラされた三人の男の、三者三様の行く末を描く。
監督はTV界ではビッグネームなジョン・ウェルズで、初長編監督作品になるというのも話題だ。

中心に描かれるのは三十代後半の営業部長。「目指せCEO」という上方志向に燃える男で、リストラされても再就職はチョロいと高をくくっていたが……世の中そんなに甘くはないぞ~\(◎o◎)/!
もう一人は工員時代から三十年、たたき上げで出世したが、長年のご奉公にもかかわらず切られてしまう。しかし、定年間近な年齢ではどこも雇ってくれるところはない。
三人目は、社長の友人であり創業時から立ち会ってきた重役……人事や事業整理で対立したため追い出されてしまう。

月給取りには悪夢のような話である。家や車のローンは?子どもの学費は?(実際、私は翌日の夜に悪夢を見てしまった(+o+;) 主人公の奥さん(看護師)のように資格や技術を持っていればいいが、デスクワークでは潰しがきかぬ。
また、周囲の家族の支えも重要だ。「世間体が悪いから6時前に家に戻ってこないで」とか言われたら泣いちゃうよ(T_T)
その点、主人公はよくできた奥さん、お子ちゃまでヨカッタ まあ、それだけ逆に主人公のイタさが目立つわけだが。
ただ、どうして彼が両親や出身地を嫌っているのか、もう少し詳しい描写が欲しかったところだ。

三人を演じるのは、ベン・アフレック、クリス・クーパー、トミー・リー・ジョーンズで、脚本をあて書きしたんではないかと思うほどにハマっている。それから主人公をチクチクといびるヨメさんの兄がケヴィン・コスナーで、小姑鬼千匹のいい味を出している。女性陣も好演よ。

これまで、アメリカ人は終身雇用など無縁で就職にはドライ--という定説を聞かされてきたが、この映画を見るとそういう訳でもないことが分かった。
一方、驚いたのは住宅事情の差。日本ではいくら部長クラスでもあんな広々とした家には住めません(@_@)
なのに、貯金のしてなささにもビックリ。子どもの学資ぐらい貯めとけよ~と思ったのは私だけか。平社員じゃないんだからさあ。日本は貯金大国というが……宵越しの貯金は持たねえ主義か。

一応、明るいエンディングだったが、廃墟と化した造船所の光景は侘しいことこの上もないのだった。


仁義なきリストラ度:9点
好景気度:4点


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2011年10月 6日 (木)

バッハ・コレギウム・ジャパン第95回定期演奏会:ハナたんに一票!

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ライプツィヒ時代1730~40年代のカンタータ1
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2011年9月25日

来年度には終了の教会カンタータ・シリーズであるよ。
今回はいずれも金管(担当はこのところ常連のマドゥフ組)が入った華やかな曲が並んだ。

BWV29は鈴木(息子)優人が上で弾くパイプオルガンを交えたシンフォニアで始まった。若干、音がずれて聞こえるのはしょうがないのか?バッハ先生も当時教会で同じように苦労したのであろうか?--などと思ってしまった。
解説によると、この曲は市参事会交代式という重要なイベントのための曲で、バッハの腕の見せ所だったとのこと。ひとしお祝祭的な色合いが強かった。

合唱はそのシンフォニアの後の曲も、他の二つのカンタータでも見事なものであった。特にこの日一番の名曲BWV140の冒頭コラールの後半は、聴いているうちになにやら言葉にできない感動がジワ~ッと盛り上がってくるのだった。
その後のG・テュルクのレチはまさに高みから告げるイメージそのもの、続くハナ・ブラシコヴァ&コーイのアリアも聴きごたえあった。

他に耳を引いたのは、BWV112、バスのレチ前半でのチェロの晦渋ともいえる響き……さすが(弟)ヒデミよというところだろうか。一転、その後のテノール&ソプラノの二重唱はさわやかだった。

終演後は、恒例となった震災のための募金箱を持って出演者たちがロビーに並んでいたので、私はもちろんハナたんの箱に一票……ぢゃなくて一枚入れた。
彼女は舞台では大きく見えたのに、間近だと意外と小柄でしたのよポッ(*^o^*)


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2011年10月 2日 (日)

「織り込まれた宝石」:客席の昼と夜

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演奏:アンサンブル・ディアマンテ
会場:近江楽堂
2011年9月23日

こちらのコンサートのメンバーと4人中3人が同じである、アンサンブル・ディアマンテ。リコーダー宇治川朝政、ヴァイオリン木村理恵、チェンバロ福間彩--に加えて、チェロが英国人のロバート・スミスである。
二年前に結成され、古楽コンクールでも賞をゲットしているそうな。

スミス氏がガンバに持ち替えてソロを取ったバッハのガンバ・ソナタを中に挟んで、テレマンとヘンデルのトリオソナタをやった前半は和気あいあいといった印象だった。四人のコンビネーションを楽しめた次第である。

ところが、バッハのオルガン曲を元にしたトリオソナタから始まった後半は、何やら雰囲気が変わって丁々発止のぶつかり合いの気運となった。
次のテレマンのソナタの終章ではあまりに「速っ」(@_@;)という感じで、終わった時には客席から思わずため息がもれたほどだ。

さらに最後のヴィヴァルディのコンチェルトでは怒涛の展開だー。咆哮するチェロに飛翔するヴァイオリン、鋭く突っ込むリコーダー、背後から虎視眈々と狙うチェンバロ--ではないですかっ\(◎o◎)/!
さすが、ヴィヴァルディ! こんな曲を作ってたとは……ド派手過ぎです。
そうして、小さな近江楽堂を大きな拍手が満たしたのであった。
いや~満足満足(^^♪

それと、バッハ作品の方もあまり目立たないがオルガン原曲だけに、宇治川氏がリコーダーで吹くのは結構大変だったのかも。

ただ、肝心のR・スミスは日本語の挨拶は結構達者だったが、どういうチェロ&ガンバ奏者なのだかはシロート耳にはまだ今イチよく把握できなかったのも事実である。

終演後、会場の外に演奏者たちが出て来て話しているのを小耳に挟んだところ、昼の回(私が聞いたのは夜の方)ではあまり客席は盛り上がらなかったらしい。信じらんない~、何故よ(・・?
よーし、それなら次はおひねりと花を用意して、ついでに近江楽堂の椅子の座布団も一緒にステージに投げ込んじゃうぞっと決意して家路についたのである。


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厳しい言葉


事故で故郷を追われた人たちが将来のあてもない状態に置かれ、行政機能も根底から壊れたまま放置され、このように人に冷たく、かつ無能な国に原発をもつべくではなく、その資格などはないと考えるに到った。(茨城県東海村村長 JCO臨界事故12周年の臨時朝礼にて 9月30日)

これはキビシイですねー
元ネタはこの記事など。

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2011年10月 1日 (土)

聴かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 10月版

あっという間に10月。早過ぎです

*8日(土)藝大プロジェクト「元禄~その時、世界は? 第3回 西と東」
* 〃   ミヒャエル・シュナイダー(&今村泰典)
よりによって、元禄シリーズで一番聞きたい(見たい)回と今村泰典公演が重なるとは……。一年は365日もあるというのに何故と私は問いたいゾ。
*9日(日)「中世・ルネサンス貴族たちの古楽の宴」
代官山なんて普段、縁がないんですう~
*18日(火)「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集」(桐山健志&大塚直哉)
*21日(金)オペラ「ヴィーナスとアドニス」(M・エティエンヌ他)
アンリ・デマレの生誕350年とは知りませんでした……。
*28日(金)「悪魔のトリル~幻のヴァイオリニスト」(E・オノフリ)
*30日(日)藝大プロジェクト「元禄~その時、世界は? 第4回 二人の巨人」
またも皆川先生のおやぢギャグ爆弾が炸裂するのでありましょうかドキドキ

他にもこんなのが
*14日(金)ムジカ・レセルヴァータ
*15日(土)花岡和生リコーダーの世界
*  〃   チェスティ「オロンティーア」
*  〃   パーセル・プロジェクト2
*20日(水)波多野睦美&西山まりえ
*22日(土)・23日(日)チェンバロ・フェスティバル
*30日(日)E・オノフリ&チパンゴ・コンソート

オノフリ公演のチラシに「奇跡のヴァイオリニスト再び東京に光臨」とあるのは、なんでしょうか(?_?)
「奇跡」は驚異的な減量のことを指し、「光臨」は頭のこ……ゲホゲホゲホッ

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