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2011年10月23日 (日)

「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集」:馬の耳に練習曲

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音楽を学ぶ子どもたちに思いを寄せて
演奏:桐山建志、大塚直哉
会場:近江楽堂
2011年10月18日

桐山&大塚コンビによる近江楽堂での演奏会--もう何度もやっているが、今回は「音楽を学ぶ子どもたちに思いを寄せて」というタイトルがついている。何のことかと思ったら、スズキ・メソードの指導曲集にバロック時代の名曲を編曲したものが多く含まれていて、その原曲を調べたものを演奏するという趣向だという。

登場する作曲家はコレルリ、ヴェラチーニ、ヘンデル、ポンポルティと、なるほど豪華なメンツである。
ヴェラチーニの曲は二つのソナタの楽章を組み合わせて一曲にしたものが指導曲集に入っているとのこと。もちろん、この日は双方のソナタが演奏された。
また、ヴェラチーニは通奏低音奏者を信用していなかったフシがあって、鍵盤の左手しか使用しない指示が多く使われているそうな。

ポンポルティの曲は「エックレスのソナタ」としてヴァイオリンだけでなく多種の楽器の練習に使われているとのこと。
また、コレルリと来たら定番は「ラ・フォリア」に決まってるが、この曲も子ども向けの指導曲になっているとは驚いた。
桐山氏がこれを弾くのを聞いたのは初めて(多分)。落ち着いた演奏の中から徐々に狂熱が湧き出してくるようなイメージで、終わった後には客席からため息がもれ、過半数を占める女性客からは「素敵ねえ」という声が上がったほどだった。また、普段はポーカーフェイスな大塚氏も髪振り乱して(実際に乱れてたわけではないけど(^^;)弾きまくっていた。

ヘンデルについては声楽だけでなく、器楽でもメロディメーカーみたいな面があると感じていたが、そんな部分が心地よく存分に引き出されていた。

とはいえ、音楽教育など受けて来なかった私にはそもそも元の指導曲集を知らないので、企画としてはあまりピンと来なかった。子どもの頃、楽器をやっていた人には恐らく感慨深いものがあったと思われる。
そういう意味で私には猫に小判な演奏会であったよ=^_^=


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