「カンパニー・メン」:リストラ社員と呼ばれて
監督:ジョン・ウェルズ
出演:ベン・アフレック
米国2010年
タイトルの和訳は「会社人間」?--いや、それともまさに「社畜」であろうか。リーマン・ショックの影響で大企業をリストラされた三人の男の、三者三様の行く末を描く。
監督はTV界ではビッグネームなジョン・ウェルズで、初長編監督作品になるというのも話題だ。
中心に描かれるのは三十代後半の営業部長。「目指せCEO」という上方志向に燃える男で、リストラされても再就職はチョロいと高をくくっていたが……世の中そんなに甘くはないぞ~\(◎o◎)/!
もう一人は工員時代から三十年、たたき上げで出世したが、長年のご奉公にもかかわらず切られてしまう。しかし、定年間近な年齢ではどこも雇ってくれるところはない。
三人目は、社長の友人であり創業時から立ち会ってきた重役……人事や事業整理で対立したため追い出されてしまう。
月給取りには悪夢のような話である。家や車のローンは?子どもの学費は?(実際、私は翌日の夜に悪夢を見てしまった(+o+;) 主人公の奥さん(看護師)のように資格や技術を持っていればいいが、デスクワークでは潰しがきかぬ。
また、周囲の家族の支えも重要だ。「世間体が悪いから6時前に家に戻ってこないで」とか言われたら泣いちゃうよ(T_T)
その点、主人公はよくできた奥さん、お子ちゃまでヨカッタ まあ、それだけ逆に主人公のイタさが目立つわけだが。
ただ、どうして彼が両親や出身地を嫌っているのか、もう少し詳しい描写が欲しかったところだ。
三人を演じるのは、ベン・アフレック、クリス・クーパー、トミー・リー・ジョーンズで、脚本をあて書きしたんではないかと思うほどにハマっている。それから主人公をチクチクといびるヨメさんの兄がケヴィン・コスナーで、小姑鬼千匹のいい味を出している。女性陣も好演よ。
これまで、アメリカ人は終身雇用など無縁で就職にはドライ--という定説を聞かされてきたが、この映画を見るとそういう訳でもないことが分かった。
一方、驚いたのは住宅事情の差。日本ではいくら部長クラスでもあんな広々とした家には住めません(@_@)
なのに、貯金のしてなささにもビックリ。子どもの学資ぐらい貯めとけよ~と思ったのは私だけか。平社員じゃないんだからさあ。日本は貯金大国というが……宵越しの貯金は持たねえ主義か。
一応、明るいエンディングだったが、廃墟と化した造船所の光景は侘しいことこの上もないのだった。
仁義なきリストラ度:9点
好景気度:4点
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