渡邊孝チェンバロリサイタル2011 第2回:音楽の万華鏡
ヨハン・ヤコブ・フローベルガーとジローラモ・フレスコバルディ「1640年代のローマ」
会場:近江楽堂
2011年11月4日
会場に入ると人が少ない……(@_@;)
近江楽堂は元々狭いホールだが、その中でさらに客の数が少ないのであった。なぜであろうか?
「フローベルガーとフレスコバルディ」という組み合わせがあまりにもマイナー過ぎるのか(?_?) 渡邊孝は先日のエンリコ・オノフリの公演では好評を博していたというのに……。他にもいくつかコンサートがかぶっていたせいもあるのか。
いずれにしても--フレスコバルディ先生、フローベルガー先生すいませんm(__)m
もっとも、プログラムで取り上げられるのはこの二人だけではなかった。カプスベルガーとかフォンタナあたりならまだしも、ピッキとかクアリアーティとなると、名前も聞いたことがない。
渡邊氏はフローベルガーの作品に魅了されるようになったが、彼に関する資料はほとんど残っていないそうである。
一方、彼の師匠のフレスコバルディ(当時の大人気鍵盤奏者)は記録が多数残っているとのこと。で、さらにその先輩の作曲家からフローベルガーと同時代の作曲家までたどり、受け継がれた音楽を再現する。
前日に聞いた中世音楽も非常にディープなものだったが、こちらも負けず劣らずディープな音世界だった。
プログラム的には地味の極みであるが、音的には美しく華麗しかし同時に晦渋なものである。
中で一風変わってて耳を引いたのはカプスベルガー「アルペッジャータ」で、本来はリュートによって全編アルペッジョで演奏する曲である。これをまたチェンバロで弾くとなんとも不思議なサウンドに聞こえる。音楽による万華鏡を眺めているよう
楽器はイタリアンとフレンチ二台を並べて使い分けての演奏だった。
それにしても客が少なくて無念な((+_+))演奏会だった。渡邊氏の話によると、先輩の演奏家(古楽系ではない)を招待したところ、演目の作曲家を誰一人として知らないし、「作曲者不詳」の曲をやるなんて考えられないと返事が返ってきたという。
コンサート連チャンだったので、終演後は寄り道せずにそそくさと帰った。
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