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2011年12月

2011年12月31日 (土)

もはや思い出せない2011年について(音楽系)

大震災と原発ホニャララ状態によって、霞がかかったようなこの一年--「たかが音楽、されど音楽」であったのよ。

◆古楽
☆まだまだ若いモンには負けてないで賞
ドミニク・ヴィス……三輪車乗ってドン・キホーテを歌う、なんてのはこの人にしかできないよなあ。

☆コスト・パフォーマンス賞
「元禄~その時、世界は 第3回 西と東~もしも鎖国がなかったら」……東京藝大の古楽・古典芸能系の総力を結集(?)して催された架空演奏会。これがたった1500円で鑑賞できるとは、ありがたいこってす。国民の血税は立派に還元されておりますよ。

☆踊らにゃ損々賞
「中世・ルネサンス貴族たちの古楽の宴」……演奏も楽しかったが、まさかあんなに踊る客が出るとは(^^;)

☆ガチンコ勝負賞
「能楽堂でバロックオペラ」……能・狂言とバロック・オペラを折衷ではなく、ガチンコ対決させたその心意気やよし!

☆満足賞
オランダ・バッハ協会「ロ短調ミサ曲」

☆ハプニング賞
ラ・プティット・バンド公演……演奏中にヴァイオリンの弦が切れるのはそれほど珍しいことではないだろうが、張り直して出て来て、調弦しつつ演奏するってのは、クイケン親爺ならではか。

☆企画賞
木の器……小規模ながら充実した演奏会を送り出している(これとかこれとか)。来年もよろしくお願いしま~す。

☆よく聞いたディスク
*「『深き淵より』から『われ満ちたれり』へ」(リチェルカール・コンソート)
*「ブロウ&パーセル:オードと歌曲集」(  〃  )
*「アレッサンドロ・スカルラッティ リコーダー協奏曲集」(向江昭雅)
*「ゴルトベルク変奏曲~6つのヴィオラ・ダ・ガンバ版」(フレットワーク)

◆その他
*「ザ・キング・オブ・リムス」(レディオヘッド)
震災が起こった後ばらくしてようやく初めて聞いたCDが、彼らの前作である「イン・レインボウズ」だった。そのノイジーなサウンドにすべての鬱屈がふり払われていくようなすがすがしさを感じた。新作はそれとは異なる方向性の音だが、やはりなにがしかの「力」がある。
*「ランディ・ニューマン・ソングブック VOL.2」(R・ニューマン)

*REM解散
*中村とうよう自殺&最後の原稿


まだなんにも片付いていないのに、忘れたふりをして日常モードに突入する。そうやってやり過ごすのか。
「くじけないでと いいたいときは じぶんが くじけそうなとき」(桝野浩一)

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2011年12月30日 (金)

「クリスマスコンサート 2011」:チョコ貰えて嬉しいな

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主催:木の器
会場:近江楽堂
2011年12月22日

木の器は宇治川朝政と福間彩が主宰している団体--でいいのかな? 毎年クリスマス・コンサートをやっているようだ。
この日、登場したしたのはソプラノ広瀬奈緒(なぜか彼女を聴くのは今月3回目だ)、リコーダー宇治川、ヴァイオリン迫間野百合、チェロ懸田貴嗣、チェンバロ福間という顔ぶれである。
この中で初めて見た(多分)のは迫間野百合だが、若くて可愛らしいお嬢さん(完全オバサン目線であります(^_^;))という印象。お衣装のドレスも可愛らしくて素敵shineでしたのよ。

この五人が、元々クリスマスxmasにちなんだものとして知られる曲や、各人が勝手に(ややこじつけ気味なのもあり)クリスマスっぽいと思うものを曲目解説付きで演奏していった。
テレマンのカンタータや「メサイア」のアリア、ドラランドの器楽曲、「グリーンスリーヴス」など。ラストは定番コレッリの「クリスマス協奏曲」だった。
いずれも和気あいあいとした雰囲気で演奏。
懸田氏はこれまで演奏してるのは何度も聞いてるが、喋ってるのは初めて聞いたような……。チェロの演奏は相変わらず鋭く存在感たっぷりであったが、話し方はその逆かrecycle 意外でした(^O^)

一旦予定の曲目が終わると、今度はプレゼント・タイムへ突入。なんとサンタが突然出現しsign03配られたプログラムに書かれた番号で当選者を発表。当たった客は各演奏者が選んだプレゼントpresentが貰えたのであった。いいなー。
内輪の関係者も結構来ていたらしく、二度ほど関係者に当たってしまい、くじの引き直しもあった。

アンコールのラストは「もろ人こぞりて」を場内全員で歌った。その時は姿を消した懸田氏の代わりにサンタがチェロを弾いていた\(◎o◎)/!

というわけで、会場内が和気あいあいとしていたのは内輪の客が多かったからかもしれないが、楽しいコンサートであった。
最後に全員がクッキーかチョコを貰って帰ったのであった。私は金貨のチョコを貰っちゃったぞっとnotes

ところで宇治川氏がしてたネクタイは雪だるまsnow模様だったのかな(^^?)


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「コントラポントと祝う楽しいクリスマス」:明るいミサもあるんだよ

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クリスマス・キャロルとバロックの名曲
会場:渋谷区文化総合センター大和田さくらホール
2011年12月14日

1週間前に大貫妙子のコンサートがあった同じ会場にまたやって来ましたよ(^^)/
この日はコントラポントの定期演奏会にしてクリスマスxmas特集である。前回は同じ会場で6月に聖母マリアの祝日にちなんだ曲を演奏しましたな。

グレゴリオ聖歌から始まってルネサンス、初期バロック--とキリスト生誕にちなんだ様々な曲が演奏された。
珍しかったのはシュッツの「イエス・キリスト降誕の物語」。プログラムの解説に「一種のクリスマス・オラトリオである」とあって、こんな曲も書いていたのねー。

後半はいよいよ来ましたシャルパンティエの「真夜中のミサ」である。よく知られている伝統的なクリスマス・ノエルを取り入れているのが特徴的だとのこと。
華やかで明るく親しみやすいミサ曲である。ここら辺は、現代の「ミサ曲」のイメージとは全く異なるものだろう。

歌手は計7人。CTの上杉氏やバリトン春日氏などほとんどお馴染みのメンツだ。ソプラノの花井尚美&広瀬奈緒ペアで二人とも個性的な声質だが、思わぬ相乗効果か意外に溶け合って聞こえた。テノールの谷口洋介は髪型を変えたらサラリーマンみたいな外見になっちゃってビックリよ(←どうでもいいことですが(^^ゞ)
器楽の方は今回もリコーダーの太田光子&辺保陽一が牧歌的な響きを聞かせてくれた。

客はやはり、茶髪の若い学生風の男女が多かった。しかもグループでゾロゾロ行動している。他の古楽のコンサートではほとんど見かけないタイプだが、誰かの関係者なのかしらん(?_?)
次回のガブリエリ(2012年はメモリアル・イヤーか)も聞きたいけど、会場が聖マリア大聖堂では……パスかな(*_*;


ところで、《チェンバロ漫遊日記》に、この公演のリハーサルの話と共にサヴァール夫人のモンセラート・フィゲーラスが亡くなったと書いてあってビックリ。
彼女は古楽が生んだ二大「それまでの常識を外れたソプラノ歌手」の一人だと個人的に思っている(もう一人はエマ・カークビーよ)。あまりに個性的過ぎて聞く人を選ぶかも……wave ただ、カークビーと違ってあまりフォロワーはいなかったのではないか。この日、歌った花井尚美は数少ないその一人だと思うが如何?
ともあれご冥福を祈りたい(+人+)


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2011年12月25日 (日)

アニエス・メロンとアンサンブル・バルカローレ:名歌手に期待……のはずが

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会場:浜離宮朝日ホール
2011年12月13日

アニエス・メロンったら、フランス・バロック音楽界の代表的な女性歌手にしてドミニク・ヴィスの奥方としても有名。確か過去にも来日としてたと記憶しているが、内容が私の守備範囲外だったので行かなかったような……(^^ゞ

今回、彼女は仙台、大阪、名古屋とツァーを回ってきての最終日。というわけで、かなり期待して行ったのであった。
が、しかし会場の入りは70パーセントぐらい? いささか寂し~いempty そういや、公演のチラシも見かけたことなかったなあ。

そして、メロンの歌声もかなり期待外れだった。声量があまりなくて、ええっsign01これでバロック・オペラやるような大きな会場で歌ってたのかtyphoonとビックリである。この日の会場が中規模ホールだからといってセーブしていたようには思えない。
さらに中音域がざらついた感じの声で潤いがないのも難であった。

プログラムは前半が英国ものでパーセル、ダウランドなどで、後半はイタリア篇でモンテヴェルディやストロッツィだった。
イタリアものは、R・マメリのような若手が全力疾走runみたいな歌を聞いてしまってると、かなり分が悪い。もっとも、ラストにやったマリーニの「恋をした老女」みたいなシニカルかつ悪趣味で笑わせる曲は、さすがの年季を感じさせた。

バックは若手三人のチェンバロ、テオルボ、チェロの男性奏者がつき従っていたが、テオルボからは時々変な音が聞こえてくるし、チェロは弾いてんだか弾いてないんだか疑問に思うほど音が聞こえてこなかった(座席の位置のせい?)。でも、楽器だけの曲ではちゃんと聞こえてたんだよね……(・・?

歌だけを取り上げるとどうも不満だらけになってしまうが、当人を見ていると顔の表情や身振りが豊かで引き付けられるところもある。どうもこの人は女優度が高い歌手なのではないかと思えた。
この日はTVの収録が入っていた。もしTVの画面と録音された音だけならかなり評価は高くなるだろう。

アンコールはランベール。やはり本場おフランスものをもっと聞きたかったぜい。

他の人の意見も知りたいところだが、残念ながらブログ検索ではほとんどヒットなし。トホホである(+_+)


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2011年12月24日 (土)

ヘンデル「メサイア」:寒風にも負けずメサイア

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演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン
会場:彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール
2011年12月23日

実は「メサイア」を聞いたことは過去に一回しかない。BCJが1998年に初めてオペラシティで演奏した時である。確かカウンターテナーがジェラール・レーヌで、老眼鏡かけて一人だけ楽譜台を置いて歌っていた--というどうでもいいことだけは覚えている。
ただ、時間が長過ぎなのと、個人的にどうもヘンデルのオラトリオ全般とは今イチ相性が悪いような感じがして、しばらく敬遠していた。

しかし、それから10年以上経っているし、サントリーホールだけではなく中規模ホールでもやるので、久しぶりに行ってみることにした。BCJ自体もだいぶ変わったし、今聞けば、また印象が違うかもしれないからだ。

会場に着いて驚いたのは、テノール独唱者のジェイムズ・テイラーが「喉の不調により出演不可能」で降板というチラシを渡されたことだ。「来日中止paper」ではないということは本当に突然だったのか、それとも日本の首相がいい加減な「収束宣言」をしたせいでドタキャンなのか?
ともあれ、代役は合唱隊の方から中嶋克彦が出た。

その合唱はさすがの迫力。総勢17人でモダン演奏に比べれば少人数だけど、超有名ハレルヤ・コーラスやラストの「アーメン」もすごい音圧で会場を制覇したのであった。
ハレルヤ・コーラスでは立つ人もなかったようで、さすがダ埼玉\(^o^)/文化果つる地だけあってジョージ三世の臣下はいなかったようである(詳しくはこちら)。多分、翌日のサントリーホールでは都知事ではなくジョージ三世に服従を示す者が出現するだろう。

独唱者はソプラノがミリアム・アランで、初めて聞いた人だと思うが、高音がムラなく美しく声の通りもよい。ポイント高しup サントリーホールでも遜色ないだろう。
一方、カウンターテナーのクリント・ファン・デア・リンデは評価が分かれそう……spa 長身でA・ショル系のCT歌手という印象(チラシやパンフの写真はコリン・ファレルみたいだが)。「リナルド」海外公演で評判が高かったらしいので、実際に聴くのを楽しみにしていた。しかし声量はあれど、低音になると声の質がコロッと変わってしまい、そりゃちょっとどうなのよ(+o+)と疑問符がついてしまうのだった。

中嶋氏は急な代役だったろうけどグッジョブgoodよ。
バスのS・マクラウドは色つきメガネで、外見は先日見たイタリア闇組織映画「ゴモラ」に出演しててもおかしくないような、いかがわしさを発散していた。もっとも歌声は重厚過ぎずに明快であった。

それにしても、この曲はやはり独唱者と合唱のため--というか、ソロ楽器の派手な見せ場はほとんどないような(?_?) 全曲通して縁の下の力持ち的に粛々と弾き(吹き)続けるので、実は一番大変かも(特に弦楽器)。
というわけで楽器隊はゴクローさんでしたm(__)m

で、結論としては「メサイア」を次に聞くのはまた十年後でいいかな(^^ゞ……と。


それにしても寒い日でマイッタ((+_+)) 関東特有のからっ風がピューピュー吹いて身に染みたのであるよ。強風で電車遅れるし。特に会場周辺や駅前の閑散とした様子にますます寒さwaveが倍増するのであった。


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2011年12月23日 (金)

バッハ「ロ短調ミサ曲」:変則合唱隊

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演奏:ヨス・ファン・フェルトホーヴェン指揮オランダ・バッハ協会合唱団&管弦楽団
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2011年12月9日

オランダ・バッハ協会は2008年の「ヨハネ」に行った。色々とユニークな演奏だった記憶がかろうじて残っている。

今回は日本で5回のツァーで、東京は1000人以上の大ホールで連チャン2回やるのだから、大したもんである。客席には古楽というよりクラシック・ファン全般が来ていたもよう。近くの座席にいた高齢の女性は「若手のヘレヴェッヘのCDを買ったけど」なんて喋っている。ヘレヴェッヘ若手ですか……sweat01

今回のミサ曲ロ短調でも歌手の配置が独自であった。5人のソリストたちは中央で指揮者の真ん前に、合唱10人は奥の方に並ぶ。ただし、それでいてソリストたちも合唱には加わるのである。
というよりは、全編ソリストたちが歌って後ろのコーラス隊が随時加わるというのが、正しいだろうか。合唱の曲でも歌いだしはソリストだけで、途中からコーラスが入るなど、常に変則的だった。
そこら辺はフェルトホーヴェンの裁量のようである。

一曲目のキリエは比較的ゆっくりとしたテンポで進んだ。弦の音は常にトゲトゲしさもとんがったところもない、穏やかなサウンドであった。管楽器も声楽も同様の印象。
聞き手を強迫的にあおるのでもなく、かといって脱力しているわけでもない。終始、リラックスした気分で聴くことができた。それで感動のツボは押さえている。
また一つ、ロ短調ミサの新境地出現newというところか。

コンマスの人はソロで立ち上がると、かなりの大男なんで驚いた。しかも身体を揺らしてクセのある弾き方をしていた(多分)。
ソプラノ二人(D・ミールズ→以前BCJに出てた? とヨハネッテ・ゾマー)は私の座席から姿がほとんど見えず印象がやや薄くなってしまった。、どちらかというと印象が強かったのはアルトのM・オイツィンガーとテノールのC・ダニエルズの方だった。
ダニエルズはフケっぽい外見だけど、本当の年齢は幾つぐらいなのか? 曲ごとに水を補給しては頑張っていたようである。この二人が終盤を盛り上げたのは間違いない所だろう。

前回の公演よりもかなり好感度アップであった。また、次の来日を期待(^^)/であるよ。

ところで、キリエが終わった途端に一人だけデカい音で拍手した人がいて、あれは何だったのか(?_?) ミサ曲初心者だった? 近くの人に「しっimpact」と言われていた。
それから、宗教曲でやたらとブラボーの嵐typhoonも考えもんである。

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2011年12月18日 (日)

大貫妙子コンサート2011:ホソノを探せ

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会場:渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
2011年12月7日

単独公演としては2年ぶりである。去年は坂本龍一とツァーしてたもんね。
もうアコースティックは打ち切りと言っていたが、どうするのかと思っていたら、完全なバックに5人従えたバンド形式だった。

会場は古楽のコンサートで何回か来たことのある立派なホールで、誰もが「さすが渋谷区はゼニdollarがあるのう」と感心するだろう。もちろん満員fullであ~る。
そこであまりデカい音量の演奏ではなく、過去の懐かしめの曲の数々から始まった。
「色彩都市」は去年のツァーでも歌っていたけど、この手の曲はアコースティック・ライヴではやってくれなかったから新鮮であった。

他にはこれまで作ったCMソング(の中で、完全な曲として作り直さなかっもの)作品集のCDを出すということで、そのCDをかけてみたり、実際に演奏してくれたりした。
意外だったのは細野晴臣の「ファム・ファタール」をやってくれたこと。会場に「闇にまぎれて」ご本人が来ているとター坊が言ったんで、客はザワザワと周囲をキョロキョロeye見回していた。
私も終演後にロビーでキョロキョロしてみたけど、怪しげなオヤヂはいっぱいいたが当然のことながら発見できなかった。
あ、もちろんター坊のカバーは最高よfuji(あえて、原曲とは全く違ったアレンジにしたとのこと)

あと、曲間のお喋りはやや控えめだった感じ? てっきり震災関係のことを話すかと思ったら、募金を呼びかけただけだった。それと、ちょうどスピルバーグの映画を公開してるから、「タンタン」をやるかと期待してたのにやってくれなかったのはちょっと残念down まあ、それが却っていかにも大貫妙子らしいと言えば、らしい。

不満だったのは、客が静かすぎだったこと。クラシックのコンサートでも珍しいほど。アコースティックじゃないんだから踊りだす客がいたっていいぐらいなのに(-_-メ)

それからター坊のコンサート定番のプレゼントを渡す人がなんと今回は

一人しかいなかった~(>O<)ギャーッ

前回は3人だったから次はゼロになっちゃうのかしらん。そんなのイヤー(T_T)
後ろの座席からも「なんだ、一人だけか」って声が聞こえてきたのに。ファンの来年以降の奮起を祈る。え?お前σ(^.^;)が行けって? 無理ですng

また来年も必ず聴きに行くぞっとnotes

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2011年12月17日 (土)

バッハ・コレギウム・ジャパン「クリスマス・オラトリオ」:天使出現す

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会場:東京オペラシティコンサートホール
2011年12月4日

BCJによるバッハの「クリスマス・オラトリオ」は以前の公演を聞いている。その時はクリスマスと新年の二回に分けて公演があったのだが、なぜか後半の方は行かなかった。その理由は思い出せん。CDは買ってずっと聞いていたが。

今回は第1~3部と第6部を一挙演奏ということである。
季節ものxmas(?)ということもあってか、会場は3階までよく人が入っていた。

独唱者の印象は、ペーター・コーイが相変わらずの安定。CTのダミアン・ギヨンはいい所をかっさらっていったという印象だった。以前、テノールのヤン・コボウが「バッハは一番いい曲はみんなアルトのために書いてるんですよねえ」とぼやいていたのを思い出す。
で、テノールは少し前の北とぴあでの『コジ・ファン・トゥッテ』では今イチの評判だった櫻田亮。しかし、今回はエヴァンゲリストとして本領発揮の活躍で、明晰な歌声を会場中に響かせてくれたのだった。
ジョアン・ランは他のパートに比べて出番が少ないのが残念dash でも、羊飼いに救世主誕生を告げる天使として歌った場面は、その長身も相まって本当の天使様のような迫力でピカピカshineと輝いていた。思わずひれ伏しちゃう(#^.^#)

楽器隊の方は「可もなく不可もなく」ではなくて「不可はなく不可もなく」で、この盤石の揺るがなさに、却って物足りなさを感じて離れてしまう人もいるのかしらん(?_?;などと考えてしまった。
それにしても、第1部の7曲目のコラールだったか、オーボエとファゴット(とオルガン」)だけの曲があって、木管テイスト充溢fullだった。この一種ヘンな響きを使いこなしてしまうのがいかにもバッハ先生じゃのうと感じた。また、それを吹きこなす木管部隊もいかにもである。

休日だけど、コンサート連チャンだったので、かなりくたびれた。とはいえ、帰りは新宿のタワレコで新譜チェックはおこたらぬよ(^^♪


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2011年12月13日 (火)

「My Favorite Tune’s」:私のお気に入りの笛

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佐々木節夫メモリアルコンサート13
演奏:有田正広&千代子
会場:松明堂音楽ホール
2011年12月3日

これも本来は3月に行われるはずだったコンサートの復活戦。
有田氏所有の愛用フラウト・トラヴェルソを使って好きな曲を演奏するという企画である。が、好きな曲の好きなところだけ吹きたいということで全曲演奏するのはなんと2曲しかないという好き勝手fujiぶり。有田先生ワガママなんでは?もう(^O^)

使用する笛はオリジナル4本、コピー2本。最初に登場したのは象牙製の白いやつで、コレッリが演奏された。次はヘンデル、ジョン・ブル、テレマン、クヴァンツ……と、曲ごとに笛も変えていく。過去のコンサートでも使用されたクヴァンツの自作のフルートも登場。この時クヴァンツが作ったのは2本だけで、有田先生所有のは「1」と刻印が入っているので肖像画に描かれているそのものの可能性が高いという。もっとも、それで吹いたのはテレマンの曲だったが。

有田夫人のチェンバロ・ソロ曲を途中に交えながら、とっかえひっかえ全15曲もやったのであった。まさにトラヴェルソ三昧であ~るnotes

アンコールに至って、遂に隠し玉登場secret
ヘンデルの時代にロンドンで実際に使われていたもので、最初に登場した象牙製と同時期、同製作社なのだが、こちらはずっと吹かれ続けてきたらしくてボロボロなのだという。
「(使うのは)私が最後でしょうねえ」と有田先生は言ったが∑( ̄□ ̄;)ハッ! も、もしかして「死んだ時は棺桶の中に一緒に……」とか思ってないでしょうなあ。

そのせいか、アンコールの笛の音は他とは違って、何か独特のくぐもったような湿った響きがしたのであった。

小さい会場なので演奏中はエアコンが使えないのだが、暖かい日だったのでちょうどよかったsun
帰りにはまたもや向かいのおいしいパン屋で夕飯用に買って帰ったのである。

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2011年12月11日 (日)

『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります』刊行記念トークイベント上野千鶴子×古市憲寿「私が生きた時代 キミが生きる時代」

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会場:池袋コミュニティ・カレッジ
2011年12月1日
*内容は省略したり記憶違いの所があったりするので、そこんとこご留意下せえ。

今、売出し中&人気沸騰中upの若手社会学者の古市憲寿が上野千鶴子とタッグを組んで出した『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります』(光文社新書)の刊行記念として、二人でトークイベントをやった。

登場した上野千鶴子は風邪を引いてるらしく、紺にベージュのドット柄というマスクdanger(そんなマスクあるんか)をしていた。一方、26歳東大院生の古市憲寿は外見も喋り方も今どきのフツーの若者風であった。

冒頭は、少し前に紀伊国屋ホールで行なわれた同様のトークイベントで古市クンが「どーしたらいいんでしょうねえ」を連発したために、質疑応答の最後に中高年の女性から「東大の学費には税金が投入されているのに、あんたみたいなのに使われるのはもったいない。税金返せ!」と爆弾発言があった--というエピソードから始まった。ということで、この日は「どーしたらいいんでしょうねえ」は使用禁止banとなった。

そして、遂に出た~~ッ「現代思想 上野千鶴子特集」がまるで「追悼集」みたいで、本当に死んだらもっと悪口を書かれまくるに違いないけど、死んじゃったらその悪口を読めないから残念とか、一方、古市君の新刊『絶望の国の幸福な若者たち』のオビの小熊英二からの推薦文がエラそうな上から目線だとか、上野女史がフリーターを自称しようとしたら政府の統計ではフリーターは35歳までで、じゃあわたしゃ一体何なんだ--という調子で話が続いた。

他には世代論、格差論、幸福観そして女と若者は共闘できるはずなのだがとか、大阪のダブル選挙の結果は若者のリセット願望かimpactなどの話題が出た。

全体的には上野女史の鋭いツッコミを古市クンがフニャフニャとかわす、みたいな印象であったが、残念ながら風邪のせいでいつもの芸術的なツッコミが見られなかったのが残念であ~る。

私は最初古市クンの頼りなさげな話を聞いていて、紀伊国屋ホールで怒った人がいたというのも頷けると思っていたのだが、質疑応答コーナーの最初の人が「甘えて猛獣を馴らしている」と指摘したのを聞いて、「なるほど、そうだったのか」と納得してしまった。「甘え」で上野千鶴子を馴らすとは悪賢いのうspa
上野女史は発言者の指摘を誉めつつ「あたしゃ猛獣か。しかしその手が使えるのは30歳までだからね」と釘ngを刺したのであった。

会場を見ると客は若い人(特に男性)が多く、どうやら古市クンの実物がどんなもんか確認しに来た人も多かったもよう。彼はネットでの発言も積極的にしているらしく、ブログやツイッターでの発言に関しての質問が結構あった。
どころか、古市政治家待望論みたいのまでネットには出現しているらしいのには驚き。彼は今どきの若いモンのヒーローだったのか(!o!)

トークは色々と興味深く笑えて、上野千鶴子が終盤で語っていたように質問者のレベルも高く、千円分の元は充分に取れた内容だった。
それにしても、この日のタイトルの「私が生きた時代」を見ながら、彼女が「私も過去の人間なのねえ」とぼやいていたのが印象的であった。


さて、肝心の『上野先生、勝手に死なれちゃ困ります』であるが、サブタイトルに「僕らの介護不安に答えてください」とあるように、団塊世代を親に持つ古市クンがいつか迫りくる「親の介護」問題について教えを乞うという内容である。当然、若者世代を中心に読まれることを念頭にしているのだろう。
介護保険の詳しい内容といった具体的な問題から、弱者同士(女、若者、高齢者など)が争うことなく共闘して、泥船に共に乗ったままにぶくぶく沈んでいかない方法を模索するのである。

読んでてオッ(・o・)と思ったのは、年金はそもそも昔の子どもから親への仕送りの代わりであるという上野千鶴子の指摘。なるほど、だから下の世代が上を支えるようになっているわけね。私も就職して独立してからは親に仕送りしたことはありませぬ。こりゃ年金のおかげだわい。
それにしても弱者同士が共闘する時代が来るのであろうか。やっぱり、古市クンに期待するしかないのかニャ>^_^< ちと頼りないけど。


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2011年12月 6日 (火)

「ヘンリー・パーセルとその時代」:馬の耳にミルトン

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会場:石橋メモリアルホール
2011年11月26日

上野学園の古楽研究室が主催のコンサート。「言葉と音楽」というタイトルでシリーズとして続けるようだ。

今回はパーセルの特集で、彼の作曲した歌曲・器楽曲を演奏するとともに、その合間に同時代の詩人の詩を朗読するという趣向である。
朗読担当はこちらのコンサートでダウランド役を担当してたティモシー・ハリスだ。
取り上げられた詩人はドライデン、ミルトンはまだしも、アンドリュー・マーベル、アブラハム・カウリー……このあたりになると知りませぬ。

音楽の方はというと、それこそ「パーセルの全てをあなたにお見せします\(^o^)/」というぐらいに、チェンバロ・ソロ、ヴィオール合奏からオペラのアリアに宗教曲まで、全域をカバーであった。短命だったのにこれだけ様々なジャンルの作品を残していたのは天才の証ですかねえcrown

歌手は広瀬奈緒、辻裕久、春日保人の3人。器楽の方は櫻井茂を中心にガンバ4人、リュートとチェンバロ各1名という布陣である。

一番聞きごたえがあったのは後半の冒頭に演奏された「罪深き夜に」だろうか。イスラエルのサウル王を題材にしたもので、それほど長い作品ではないが「小オペラ」と紹介されている通り、3人の歌手によって劇的に盛り上がっていた。
ガンバ4台によるファンタジアはしみじみとして味わい深い。

客は関係者だろうか、やたらとガイジン(しかも高齢)が多かった。なにせ、配布している解説に日本語版と英語版があるほどなのだ。
英語がほとんど分からん私にはこの日に朗読された高尚な詩は、残念ながらネコに小判であったニャーcat

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2011年12月 4日 (日)

「ゴモラ」:ロマンなき戦い

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監督:マッテオ・ガローネ
出演:トニ・セルヴィッロ
イタリア2008年

どうもギャングとかマフィアものは好きではない。そのため『ゴッドファーザー』や『スカーフェイス』なんて名作として名高い作品だって見てないのだ。「映画ファンの風上にも置けねえ(`^´)」という人は、どうか風下に置いてチョーダイ(^人^;)

それなのになんでこれを見に行く気になったかというと、予告を見て面白そうだったからだ。
原作はイタリアでベストセラーになったノンフィクションである。カモッラというナポリを本拠とする巨大な犯罪組織を取材しており、著者は生命を狙われて海外へ逃亡を余儀なくされたといういわくつきのもんだ。

映画もドキュメンタリー仕立てで、五つのエピソードが並行して描かれる。
殺人は日常茶飯、女子どもであろうと平然と殺す。一見、普通の企業のような事業もやるが、そのやり口は汚く不正である。
一方、殺される側も同情できないヤツばかりだ。

この状況は「大地に根ざした悪」としか言いようがない。何物にも揺らぐことのない、まさに原初の昔から存在したような悪である。
少しでも良心のある人間はそこから退くしかない。この映画の中にも何人かそういう人物が登場するが、闘うわけではない。ただ、可能なのはその場から退場するだけだ。
ここにあるのは善と悪ではない。悪と弱者なのである。

かように、他のギャング映画にあるような「悪」にまつわるロマンティシズムを粉砕する。登場するチンピラの若僧二人が『スカーフェイス』に憧れてそのセリフをやたら口走るのは、きわめて象徴的だ。
だが、この映画の中の登場人物に憧れる--どころか、共感するヤツは世界中のどこにもいないだろう。

もっとも、完全ドキュメンタリー風なため劇的な盛り上がりなんかはないので(オマケに長いon)、眠気虫が出現して沈没しそうになってしまった(^^ゞ
だからという訳ではないが、見ている最中は長~い悪夢のよう。逆に、見終わった後にジワジワ効いてくる。

それにしても描かれる都市の荒涼としているのに驚かされた。セリフを消して見てればとてもイタリアとは思えない。ラテンアメリカあたりの貧しい地域と言われても分からないだろう。
舞台となる集合住宅はさすがイタリアflairいう感じのモダンなデザインだが、老朽化して荒れ果てている。

あとカモッラが「年金」を配っているというのにもビックリ。国家と犯罪組織は類似しているというエンツェンスベルガー(だっけ?)の説を思い出してしまったぞsweat01
カンヌで賞を取ったのに、4年も経って今頃日本で公開されたのはなぜか(?_?) 今の状況が似ているからだろうか。それとも、汚染物質処理(*_*;の話が出てくるからか。
いずれにしても悪は栄える……。


仁義度:0点
非情度:10点


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2011年12月 1日 (木)

聴かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 12月版

師走は音楽業界の稼ぎ時? ついついコンサート連チャンに……(^^ゞ

*3日(土)「My Favorite Tune」(有田正弘&千代子)
これも震災で延期になった公演の復活版。
*7日(水)鈴木秀美と仲間たち
JTアートホールで古楽とは珍しい。おまけに鈴木(弟)夫妻共演だし♪--と思ってチケット買ったら、なんと別のコンサートがあああぁっrun
*13日(火)アニエス・メロンとアンサンブル・バルカローレ
*14日(水)コントラポント定期公演「クリスマス・キャロルとバロックの名曲」
*22日(木)クリスマスコンサート2011(広瀬奈緒ほか)

生コンサートじゃないけど
*26日(月)モンテヴェルディ「オルフェオ」(R・アレッサンドリーニ指揮)NHK-BS放映は必見か。

他にはこんなのも
*1日(木)木村睦幸リコーダーシリーズ
*11日(日)曽根麻矢子
*16日(金)ラ・フォンテヴェルデ
*23日(金)ラウデージのクリスマス
*28日(水)田中せい子&ダニエレ・ブラジェッティ

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