バッハ「ロ短調ミサ曲」:変則合唱隊
演奏:ヨス・ファン・フェルトホーヴェン指揮オランダ・バッハ協会合唱団&管弦楽団
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2011年12月9日
オランダ・バッハ協会は2008年の「ヨハネ」に行った。色々とユニークな演奏だった記憶がかろうじて残っている。
今回は日本で5回のツァーで、東京は1000人以上の大ホールで連チャン2回やるのだから、大したもんである。客席には古楽というよりクラシック・ファン全般が来ていたもよう。近くの座席にいた高齢の女性は「若手のヘレヴェッヘのCDを買ったけど」なんて喋っている。ヘレヴェッヘ若手ですか……
今回のミサ曲ロ短調でも歌手の配置が独自であった。5人のソリストたちは中央で指揮者の真ん前に、合唱10人は奥の方に並ぶ。ただし、それでいてソリストたちも合唱には加わるのである。
というよりは、全編ソリストたちが歌って後ろのコーラス隊が随時加わるというのが、正しいだろうか。合唱の曲でも歌いだしはソリストだけで、途中からコーラスが入るなど、常に変則的だった。
そこら辺はフェルトホーヴェンの裁量のようである。
一曲目のキリエは比較的ゆっくりとしたテンポで進んだ。弦の音は常にトゲトゲしさもとんがったところもない、穏やかなサウンドであった。管楽器も声楽も同様の印象。
聞き手を強迫的にあおるのでもなく、かといって脱力しているわけでもない。終始、リラックスした気分で聴くことができた。それで感動のツボは押さえている。
また一つ、ロ短調ミサの新境地出現というところか。
コンマスの人はソロで立ち上がると、かなりの大男なんで驚いた。しかも身体を揺らしてクセのある弾き方をしていた(多分)。
ソプラノ二人(D・ミールズ→以前BCJに出てた? とヨハネッテ・ゾマー)は私の座席から姿がほとんど見えず印象がやや薄くなってしまった。、どちらかというと印象が強かったのはアルトのM・オイツィンガーとテノールのC・ダニエルズの方だった。
ダニエルズはフケっぽい外見だけど、本当の年齢は幾つぐらいなのか? 曲ごとに水を補給しては頑張っていたようである。この二人が終盤を盛り上げたのは間違いない所だろう。
前回の公演よりもかなり好感度アップであった。また、次の来日を期待(^^)/であるよ。
ところで、キリエが終わった途端に一人だけデカい音で拍手した人がいて、あれは何だったのか(?_?) ミサ曲初心者だった? 近くの人に「しっ」と言われていた。
それから、宗教曲でやたらとブラボーの嵐も考えもんである。
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コメント
日本とオランダ続けてのツアーなので、ほぼ同時期に同じ内容のコンサートを聴いたご感想が伺えて面白いです。日本では、大ホールでコンサートしたんですね、すごいわ。
>また一つ、ロ短調ミサの新境地出現
わたしも、ヨス・ファン・フェルトホーフェンの手腕を見直しました。
オランダ・バッハ協会のコンサートでは、ソリストががんばってましたが、昨晩のコジギウム・ヴォカーレ・ヘントとフライブルク・バロック・オケのコンサートでは、合唱がド迫力でした。いまだに、耳にがんがん響いてる感じ。。。
ソリストの印象は、座席によって左右されますよね。ソプラノとCT(ギヨン君)がよく見えない位置だったので、昨晩の彼らはイマイチ、印象に残りませんでした。。。
コンマスが特に大男というより、その隣の女性ヴァイオリニストがかなり小柄なので目立つというのもありますね。彼の弾くヴァイオリン・オブリガート、結構気に入ったんですけど。なんだか、ヘンデルっぽくて。
投稿: レイネ | 2011年12月24日 (土) 00時52分
彼らは兵庫でも大きい所でやったようです。12月はかき入れ時なのか?
|コンマスが特に大男というより
ええっ雲を突くような大男に見えましたよ(^O^)……約2.5倍誇張して書いております。
ギヨン君見られなくて残念でした。期待して行っても、曲目によってソロの出番少なかったり見せ場がなかったりして、残念無念な場合がありますね。
投稿: さわやか革命 | 2011年12月25日 (日) 10時05分