「コントラポントと祝う楽しいクリスマス」:明るいミサもあるんだよ
クリスマス・キャロルとバロックの名曲
会場:渋谷区文化総合センター大和田さくらホール
2011年12月14日
1週間前に大貫妙子のコンサートがあった同じ会場にまたやって来ましたよ(^^)/
この日はコントラポントの定期演奏会にしてクリスマス特集である。前回は同じ会場で6月に聖母マリアの祝日にちなんだ曲を演奏しましたな。
グレゴリオ聖歌から始まってルネサンス、初期バロック--とキリスト生誕にちなんだ様々な曲が演奏された。
珍しかったのはシュッツの「イエス・キリスト降誕の物語」。プログラムの解説に「一種のクリスマス・オラトリオである」とあって、こんな曲も書いていたのねー。
後半はいよいよ来ましたシャルパンティエの「真夜中のミサ」である。よく知られている伝統的なクリスマス・ノエルを取り入れているのが特徴的だとのこと。
華やかで明るく親しみやすいミサ曲である。ここら辺は、現代の「ミサ曲」のイメージとは全く異なるものだろう。
歌手は計7人。CTの上杉氏やバリトン春日氏などほとんどお馴染みのメンツだ。ソプラノの花井尚美&広瀬奈緒ペアで二人とも個性的な声質だが、思わぬ相乗効果か意外に溶け合って聞こえた。テノールの谷口洋介は髪型を変えたらサラリーマンみたいな外見になっちゃってビックリよ(←どうでもいいことですが(^^ゞ)
器楽の方は今回もリコーダーの太田光子&辺保陽一が牧歌的な響きを聞かせてくれた。
客はやはり、茶髪の若い学生風の男女が多かった。しかもグループでゾロゾロ行動している。他の古楽のコンサートではほとんど見かけないタイプだが、誰かの関係者なのかしらん(?_?)
次回のガブリエリ(2012年はメモリアル・イヤーか)も聞きたいけど、会場が聖マリア大聖堂では……パスかな(*_*;
ところで、《チェンバロ漫遊日記》に、この公演のリハーサルの話と共にサヴァール夫人のモンセラート・フィゲーラスが亡くなったと書いてあってビックリ。
彼女は古楽が生んだ二大「それまでの常識を外れたソプラノ歌手」の一人だと個人的に思っている(もう一人はエマ・カークビーよ)。あまりに個性的過ぎて聞く人を選ぶかも…… ただ、カークビーと違ってあまりフォロワーはいなかったのではないか。この日、歌った花井尚美は数少ないその一人だと思うが如何?
ともあれご冥福を祈りたい(+人+)
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コメント
シュッツにシャルパンティエなどの珍しいクリスマス・ミサ曲のコンサートに若者がぞろぞろって、いい感じですね。日本の古楽界って層が厚いわ。
さて、モンセラート・フィガーラスの訃報を知ったのはかれこれ1ヶ月前になります。誰かのブログに貼り付けてあるツイートの速報で。
ソプラノの常識を塗り替えた2大歌姫である彼女の歌声は、デイム・エマよりも断然わたしの好みです!カークビーのフォロワー(追っかけとかファンの意味じゃなくて、その道の追従者ということなら)は、確かに続々と出たのに、フィガーラスのような個性的な人はめったにいませんね。なるほど、花井さんって、そういう系統なのですか。
投稿: レイネ | 2011年12月30日 (金) 17時25分
「フィガーラス」が正しい発音なんですか。風にゆらゆらとそよぐ柳のような彼女の歌声--実はちょっと苦手です(^_^;)
もう少しカッチリとした歌い方が好みかなー。
花井さんはソロで歌った声を聞いた最初の時に、ああ影響を受けてるなと思いました。海外の歌手も含めて他でそう感じた人はいませんね。
投稿: さわやか革命 | 2011年12月30日 (金) 23時36分
すみません、フィゲーラスの方が正しいと思います。最初、フィゲーレスと打ったのを訂正しようとして、また打ち間違え新たなミスをしてしまったのです。しかも2箇所ともご丁寧に同じ。。。失礼しました。
彼女とマルコ・ビーズリーが、古楽歌手の中での異色さでは双璧と言えましょうか。(ヴィスも含めた方がいい?)
投稿: レイネ | 2011年12月31日 (土) 00時14分
外国人の名前のカタカナ化はめんどくさいですなー^^;
同じ人物でも招聘元が違うと別の名前になってたり……
そういや、D・ヴィスも後継者は見当たりませんね。
投稿: さわやか革命 | 2011年12月31日 (土) 13時06分