「灼熱の魂」:愛と哀しみと裏切りのジェットコースター
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ルブナ・アザバル
カナダ・フランス2010年
現在のカナダと過去の中東某国(レバノンとおぼしい)を結んで、双子の姉弟が母親の死を発端に自らの出自と因縁を探る。そこに浮かび上がってきたのは、壮絶な母の半生とギリシャ神話のオイディプス王の悲劇を彷彿とさせる物語であった。
母親が体験したのは、イスラエル兵を描いた「レバノン」が取り上げたのと同じ内戦のようだ。
宗教紛争、民族の相克、肉親の愛憎……このようなシリアスかつヘヴィな題材であれば、やはり既にそのことを持って高く評価しなければならないだろう。
だけど、材料が高踏であっても料理の仕方はどうよ?
え~~っ(!o!)
まさか(@_@;)
ありえねえ~(>O<;)
の連続はまるでソープオペラかジェットコースター・ドラマのよう。あまりの荒唐無稽さにボー然だ。神話だったら強引な展開や偶然もありだが、リアルな現代を背景にしては納得いかねえ。
映画館では泣いている人もいたし、雑誌やネットの批評でも好評だ。昨年のアカデミー賞にノミネートもされた。だが、私は結末まで見ていささかシラケたというのが、事実である。
レディオヘッドの曲もあんまり合っているとは思えなかった。
客観点:6点
主観点:3点
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コメント
この映画の公式サイトにあるキャッチフレーズ「魂が凍える究極のエンタテインメント」ってのは、それだけ読むと訳分からん日本語ですが、さわやか革命さんのご感想を読んで解読できました。
近年、中東問題や難民を扱った映画が非常に多いですが、なんとな~く引けてしまって、映画館で見てみたいという気にはなれないんです。でも、ベルギーのTVおそるべしで、凄いテンポでどんどん最新作に近いものも放映してます。
ハリウッド版『ドラゴン・タトゥーの女』見てきました!(ダニエル・クレイグ目当て)
オランダでの評判は、スウェーデン版よりこちらの方がずっといいです。
投稿: レイネ | 2012年1月27日 (金) 16時07分
そちらではもうTV放映されたんですか。早いですね~。
やはりパレスチナ問題を扱った「ミラル」の時にも感じましたが、語り口がちょっとどうなのよ的な作品がこれからも増えるかも知れませんね。
「ドラゴン~」は大いに期待です。ただ、興行成績は今イチだったんで続編が作られるかは怪しいです。
投稿: さわやか革命 | 2012年1月28日 (土) 14時08分