ヘンデル 歌劇「ロデリンダ」:五角関係でお腹いっぱい
METライブビューイング2011-2012
演出:スティーヴン・ワズワース
指揮:ハリー・ビケット
出演:ルネ・フレミング
2011年12月3日上演
オペラの殿堂、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場--私にとっては完全守備範囲外 一生縁はあるめえと思っていたが……って、前にも書いたような気が(^^ゞ
しかし、今回ライブビューイングってヤツで映画館でヘンデルをやるというじゃあ~りませんか。万難を排して行かねばなるまい。
以前にも一度、やはりヘンデルの「ジュリオ・チェーザレ」をこの形式で見たが、それ以後バロック系はやってくれなくて縁がなかったんだよね。
開演時間はなんと朝10時。平日とあまり変わらない時間に頑張って起きて突撃する。チケット売場で時間取られるとイヤなので、事前にネット購入して体勢は万全だ。
舞台は7世紀の北イタリアの王国という設定だが、衣装やセットはヘンデルの時代のものになっている。
王が戦死して残された王妃(←もちろん美女設定)が新しい王に言い寄られて困っているところに、なんと王が生きていた! 素性を隠して王宮に出現。さらに王の妹や悪~い公爵がからんで五角関係かっ--とヘンデル先生お得意のゴタゴタに突入するのであった。
死んだと思われてた王様を演じるのはカウンターテナーのアンドレアス・ショル。彼については、メガネをかけ宗教曲を背筋を伸ばして歌ってるような姿しか見たことないので、オペラではどんなもんかと思っていたが、意外と無精ひげも似合います(^O^)
ただ、大劇場でビンビン響き渡るような声の持ち主ではないと思うので、そこら辺はどうだったのか。録音だとよく分からない。ヒロイン役のルネ・フレミングとのデュエットでは彼の声がかき消されてしまう部分があったようだった。
役柄的にはこの王様、どうもプッツンしやすいというか、独りよがりというか、あまりいい性格ではない。「あの亭主じゃ奥さん苦労するね~」とか言われそう。
事前学習してなかったので、もう一人若手カウンターテナーが出てくるのを知らなかった。王様の部下(友人?)役のイェスティン・デイヴィーズだが、ショルとは違ったタイプのCTで声もよく通るようで、これは「買い」ではないか!(思わずコーフン) これから楽しみである。
私は歌手の技巧などはよく分からないので、それ以外の歌手については「バロック系じゃないオペラ歌手というのはこんな感じなのかー、ふむふむ」と思って見て&聞いていた。
フレミングとショルのツーショットは絵になるので、単純に美男美女の物語としても楽しんだ。この二人の熱烈キスシーンがいささか長すぎるような気がしたが、こりゃプリマの特権乱用か(?_?;
もっとも、ショルの王様は元々はフン族に化けて素性を隠しているという設定らしいのだが、ヘンデル時代にはどういう格好で出ていたのであろうか。想像すると恐ろしいような気が……。
残念だったのは、オーケストラの方。指揮者がチェンバロ弾いたり、テオルボ導入したりして、専門外なのによくバロック系の演奏に近づけていたという評判だった。確かにそうだが、オーケストラだけ録音のレベルが低いせいか、あの聞き手を煽り立てるようなヘンデル節の域までには達していなかったようだ。それと、途中でオーボエ(?)がコケそうになってなかったっけ
また、カメラの動きも不満あり。NHKでやった「オルフェオ」はいかにも「舞台中継」という画面だったが、こちらは歌手の動きに合わせてカメラが滑らかに動いて却って違和感があった。劇場にいたら、絶対にありえない視点だからだ。それから「引き」で見たいと思う場面もアップのままでもどかしい感じだった。
休憩時間の前後にはキャストやスタッフのインタビューもあってサービス満点。CT歌手二人は並んでインタビューを受けていた。デイヴィーズ君は素は「お茶目な若者」という印象。ショルはそれを優しく見守るおにーさんであった。
それにしても二回の休憩挟んで4時間強とはさすがに長い。見終わった後はくたびれた。私が見たのは午後にヘンデル・フェスティバル・ジャパンの「サムソン」の公演があった日で、終了後に駆けつければ間に合ったはず。しかし、こちらも4時間以上だ。両方聞いたら一日中ヘンデル漬けだ~(@_@;)
ヘンデル先生、やっぱり長過ぎです。もしかして、チケット代取るからにはサービスしなけりゃと考えて、わざと長くしたんですかっ?
観客は女性が多数。中高年が大半だが若い女性も結構いた。私の隣席のオヤヂさんは、カーテンコールで一緒に拍手していた(音を出さずに)。
2月の「エンチャンテッド・アイランド 魔法の島」も行くしかないね(*^^)v
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