「F.クープランの全景vol.1」:寒夜のクープラン
日本テレマン協会第204回定期演奏会
演奏:中野振一郎
会場:東京文化会館小ホール
2012年1月20日
中野振一郎がクープランのチェンバロ組曲全曲演奏をするということで、その第一回を聞きに行った。文化会館小ホールは七、八割がた埋まっている。日本人の鍵盤弾きでクープランを演目にこれだけ人を集められるのは、そう何人もいないだろう。
クープランの曲集というと、各曲ごとに珍妙なタイトルがついている。この日やった曲でも「猫なで声」とか「ドメニコ会修道士たちの堕落」とか。タイトルと曲調がピッタリしているのもあるし、全く合っていないのもある。当時のシャレとか内輪ウケの類だったのか?
中野氏の演奏は力強く端正で文句のないレベルのものであった。
しかし個人的にはクープランはもっと狭いサロン風の親密な会場で、乾燥注意報なんか出てない湿っぽい時に、粋と退廃の狭間の雰囲気で聴きたいもんだと思った。
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