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2012年2月19日 (日)

「フルートの肖像 7 F.クープランの時代」:サッカーじゃないフランス対イタリア戦

120219
前田りり子リサイタル
会場:近江楽堂
2012年2月4日

前田りり子がシリーズで行っているコンサートシリーズ。二回公演のうち夜の方に行った。
今回はクープランと同時代の作曲家たちを取り上げる。フランス趣味が宮廷の絶対基準だった当時において、クープランはイタリア趣味をひそかに愛好。自作を他人の作品ということにして紹介するという涙ぐましいことをしていたが、ルイ14世の死後はおおっぴらにイタリア風な作品を発表できるようになったという。
--というような解説が、曲の合間に例の前田女史のつんのめるような口調で入った。

彼以外に登場した作曲家は、モンテクレール、ケ・デルヴロワ(←初めて聞いた)。モンテクレールの作品は組曲の中に仏伊趣味双方の曲が混在しているというものだ。

他の演奏者はガンバ福沢宏、チェンバロ上尾直毅、後半になってもう一人のトラヴェルソとして佐々木萌絵が登場した。

一番の聞きものは鍵盤曲をトラヴェルソ独奏で吹いた、有名曲「恋の鶯」だった。この「鶯」はホーホーケキョのウグイスではなくてナイチンゲールのことで、その鳴き声は男女の夜の営みを象徴しているとのこと。……なるほど(@_@;)
まさしく、大きなホールでも中規模ホールでも絶対に味わえない、近江楽堂のような小さな会場でなくては聞き取ることことさえもできないような、繊細な「鳴き声」がトラヴェルソで再現された。夜の闇に消え入っていきそうな感じ--と言ったらよろしいでしょうか。思わず終わった時にはホッと( -o-) 息をはいた。

それから上尾氏もクープランの鍵盤組曲を独奏。ちょうど、先日の中野振一郎のコンサートでもやった曲だったが、全くスタイルが違っていて、だてに「一番目のナオキ」ではないことを見せ……聞かせつけた。

解説に熱が入ったためか?予定時間を超過したが、アンコールを二曲、モンテクレールとクープランをやってくれて終了した。

【関連リンク】
《古楽の小路》
昼公演の様子。トラブルがあったようで。


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