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2012年2月11日 (土)

「預言者」:人生で大切なことは全て刑務所の中で学んだ

120211
監督:ジャック・オーディアール
出演:タハール・ラヒム
フランス2009年

海外の映画賞を幾つも獲得しながら、お蔵入り?と思わせてようやく一般公開である。
ただし、前売りなし、チラシなし、パンフなしの二週間限定公開--こいつはソフト発売に備えての箔付けロードショーってやつではないですかっ!
もっとも、実際見てみてどうして公開されなかったかは理解できたような気が……。上映時間150分、そして場面のほとんどは刑務所の中で展開されるのであるからして、ご家族や女性客はまず敬遠するだろう。

家も金も身寄りも職もないアラブ系の若者が6年の刑を受ける。塀の中でコルシカ人の一派に目を付けられ、殺人を命じられ使いっぱにされる。
一方で、刑務所内の教室で言葉や文字や算数など基本的なことを教わる。孤児だった主人公はフランス語もアラビア語もいい加減で、なんと母語を獲得していないのだ。(もっとも、こういう例は日本でも移民の子弟に見られるらしい)

映画は、六年間の刑期の間に彼が知識を獲得し、民族的アイデンティティを自覚し、ハードな状況を生き抜く知恵を身に付け、コルシカ人のボスからも解放される過程を描く。
閉鎖的な刑務所の描写がこの作品のキモだろうけど、日本どころか米国に比してもどうやらフランスのム所は規制が少ないようである。看守と囚人の癒着という問題はあるだろうが、そもそも外出制度なんてもんがあるのだから驚いてしまう。
それに、あの何でもありのム所ドラマ『オズ』に比べると(あの恐ろしい『オズ』bomb)、さすがに陰惨度はやや落ちる。

主人公は釈放され、同民族の仲間や新しい家族を得、そして正業に就く……はずはないだろう。彼はいっぱしのワルとなってドラッグ稼業に励むに違いない。
とすれば『ゴモラ』で描かれたような「悪と弱者」の世界の中で、彼は弱者から悪に成り上がったということではないのか。
別に映画にモラルを求めるつもりはないが、見終わって、正直なんだかなー(+o+)という気分になってしまった。

また、最初に殺した男が幽霊になって出てきたり、その予言能力(これは幽霊の?それとも主人公自身のものか?)を描きながら、それほど物語に絡んできてないのも謎。どうしてこういう設定にしたのか。

後で監督の履歴を調べたら、『真夜中のピアニスト』の人だったのねーsign03 どうもこの監督とは相性が悪いようだ。次からはパスすることにしよう……って、言いながら忘れてまたみちゃったりして(^^ゞ

迫力あるコルシカマフィアのボス役は、なんと『サラの鍵』で好々爺を演じていたニエル・アレストリュプだったのね。あまりにもコワくてshadow違い過ぎです。


客観点:6点
主観点:5点

【追記】
アンコール上映が決まったとのことで、チラシを発見。画像を載せました。なんとこのチラシが特別鑑賞券の代わりになるらしい。

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