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2012年3月

2012年3月31日 (土)

聴かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 4月版

月末にはLFJも開催。今年は縁がないですが……(ーー;)

*7日(土)東京・春・音楽祭「美術と音楽 5 古楽器編」(寺神戸亮)
*18日(水)「ロンドンの呼び声」(ザ・ロイヤル・コンソート)
ブルック版「魔笛」出演の歌手ベツァベ・アース(ハース)がゲスト。
*21日(土)「ヴェルサイユ宮殿のド・ヴィゼー」(佐藤豊彦)
*27日(金)ラ・フォンテヴェルデ定期公演

他にはこんなのもありますよ。
*2日(月)「第1回ヨーロピアン・バロック音楽フェスティバル」(鈴木夫妻ほか)
えっ(!o!)こんなのあったのsign02 全然知らなかった。しかし、2日か……知ってたとしても、年度最初の出勤日夕方というのは無理っぽいです(+_+)
*11日(水)「ルネサンス・ミサの魅力 3」(花井哲郎&ヴォーカル・アンサンブル カペラ)
*13日(金)日本テレマン協会定期
*24日(火)「美しいフランスの歌」(鈴木美紀子&つのだたかし)

山梨の古楽フェスも月末にあり。古楽派はこちらかな。

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「ピーター・ブルックの魔笛」:宙を舞う笛

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会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
2012年3月22日~25日

賛否両論真っ二つに分かれた意見が飛び交った公演である。
演劇サイドからすると、腐ってもピーター・ブルックであり(腐ってないけど)、さらにオペラ面から見るとモーツァルトの名作「魔笛」だ。公演前から注目されるのは当然だろう。当日券も出たらしいが、連日満員御礼fullだったようである。

しかし、私個人は正直に言うと、ピーター・ブルックの芝居はもとより「魔笛」さえ見た(聞いた)事がないのだった……音楽的にモーツァルトは守備範囲外なんでね(^^ゞ
年末にNHK-BSでミラノ・スカラ座公演の放送があったのを録画しとこうと思ったのだが、すっかり忘れてしまった。
というわけで「魔笛」のあら筋のみ事前学習というお粗末な態勢で行ったのであるよ。

結論から言うと、これはオペラではなく芝居として鑑賞するものだろう。
上演時間は半分、細かい登場人物はカット、アリアも減らされ、フランス語のセリフがかなり入る。伴奏はピアノ一台で、舞台装置は竹の棒が数十本という簡素さだ。

アフリカ系の男優二人が歌手たちに絡んだり、竹の棒を動かしたり、ヘビの役をやったり--。また、ハパゲーノと共に客をいじって笑いを取ったりもしてた。

だが、何よりも演劇だと思ったのは、歌手たちの歌が完全に私の脳内では台詞として処理されていたことである。そうすると、夜の女王のあの高音は娘と王子を呪縛する恐ろしい呪文に他ならなかった。またパパゲーノとパパゲーナの二重唱は、はじけるような出会いの喜びの表現だった。
なるほど確かにモーツァルトのではなく「ピーター・ブルックの」魔笛なのであった。

だから、モーツァルトのオペラを期待してきた人はかなり不満だったろう。
また、年季の行った芝居ファンも「いかにもブルック風で予想以上のものはなかった」とクサす人もいたが、それこそ腐ってもピーター・ブルック(腐ってないけど)の所以だろう。
もっとも、オペラ・サイドでもツイッターで執拗に悪口(批評というレベルではない)を連投してた人がいたところを見ると、作品自体の簡素さとは裏腹にそういう反応を弾きおこしてしまう何ものかが作中にあるのかもしれない。

私は裸足で舞台上を動く歌手や俳優たちの動作に、昔、毎週のように演劇通いをしていた頃の感覚を思い出した。あの身体が放つ輝かしきエナジー……thunder
また芝居を見に行きたくなってしまったが、今の芝居を見てもそういう身体性を感じられるのは滅多にないからなあ(+_+)

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歌手はザラストロ役のバスの人がちょっと低音がアヤシイ感じで残念だった。事前には知らなかったのだが、埼玉公演だけダブルキャストだったらしい。私が見たのは母娘が共に金髪で、この後北九州市やびわ湖ホールにも出演する方のキャストである。「黒髪」組も見てみたかったなー(^^♪
ダブルではなかったパパゲーノ役のヴィルジル・フラネはコメディ演技も達者なもんで会場を笑わせていた。

とにかく、一見の価値はある舞台だった。

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2012年3月27日 (火)

東京・春・音楽祭ミュージアム・コンサート 波多野睦美&つのだたかし:消えゆく音をかみしめ

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古きよきイギリスの歌
会場:国立科学博物館 日本館講堂
2012年3月22日

本来は昨年やるはずだったが震災の影響で延期になった公演である。そのせいかどうか、満員御礼fullだったらしい。
波多野睦美によるダウランドとパーセルの歌曲、トラディショナル・ソング、それにダウランドのリュート独奏曲(つのだたかし)という4種によって構成されていた。

ほとんどの曲はCDや生で聴いたことがあるものだったし、会場は古めかしくて雰囲気はいいけれど音楽向けかどうかは若干疑問であった。しかし、波多野睦美は一音一音一語一語、最後の単語の子音まで噛みしめるがごとく丁寧に歌っていた。
また、聴衆もじっと静かに消えていくまで耳を傾けているのだった。もし、こんな所でフライング拍手する奴がいたら即刻死刑bombであろうよ。


それから彼女が曲の前後につける短い解説も軽妙で面白い。リュート・ソロのコーナーではつのだたかしが例によって飄々とリュートについて解説&演奏。

聴きどころはダウランドの「彼女はいいわけできるのか」(エリザベス女王への恨みを歌ったものとのこと)、英国で教えてもらったスコットランド訛りで歌うパーセル「エジンバラの街から遠く」そして「孤独」あたりだったろうか。
アンコールは3曲だった。
あ、ついでに波多野さんの今日のお召し物は春cherryblossomらしく草色のドレスでしたのよ。

音楽を聴くことがまさしく体験に他ならないことをヒシと感じたコンサートで、大満足であった。
無料で配る音楽祭全体のパンフの冊子が分厚くてビックリ(@_@;) 近くに座ってたオバサンたちが「立派過ぎて勿体ない」と喋っていたが、同感である。


チケットで科学博物館の常設展に入れるのだが、「ものづくり展」というのもやっていた。総理大臣賞とか展示されていたが専門的過ぎて何が何やら不明。
グッズ売り場で、カンブリア紀の変な生物の小さいぬいぐるみ(バッグなどに付けるやつ)を売っていて思わず買いそうになってしまったmoneybag


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2012年3月25日 (日)

スコラ・カントールム第21回定期演奏会:ラッスス対バッハというわけじゃないけれど

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会場:武蔵野市民文化会館小ホール
2012年3月18日

野中裕率いるこのグループ、定期に行ったのは数年ぶりである。セミプロ&アマの合唱団(でいいのかな?)で、器楽についてはプロが参加するという形を取っているようだ。
今回は前半がラッススで、後半はバッハのモテットという構成。ラッススはなかなか聞けないので行ってみた。

合唱は各声部6~8人。ソプラノだけ12人という編成である。ラッススは「シビラの預言」と「レクイエム」をアカペラで歌った。
前者は12人の巫女が聖母マリアと救世主の誕生を預言するという形で、序曲+12回フレーズが繰り返される。どのように成立したのかもよく分からない曲らしいが、神秘的かつ晦渋な曲調で終始する。それがラッススの宗教曲らしい?と言えるだろうかnotes
レクイエムの方は流麗な合唱曲だった。

そこから後半バッハのモテットへ行くと、なんとも人間味あふれた感情豊かな音楽だと感じてしまった。会場の雰囲気も一気にほぐれるのであった(^^♪ いやー「シビラ」の時は皆さん固まってましたからなあ。

アンコールを練習する余裕がなかったということで、最後はモテット225番の最後の合唱を繰り返して終わった。


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2012年3月24日 (土)

「ヒューゴの不思議な発明」(2D字幕版):不思議も発明もなく

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監督:マーティン・スコセッシ
出演:ベン・キングズレー
米国2011年

アカデミー賞授章式で司会のビリー・クリスタルから何度も「初めて暴力も流血シーンもない映画を作った」とジョークのネタにされた、スコセッシの新作(しかも3D)。技術系の賞を多数ゲットしたのはメデタイッ\(^o^)/ということで見てきた。

しかし、結果は……(-"-)

*映画への愛がない人
*細かいことが気になる人
このどちらかに当てはまる人は、絶対に見てはいけないban

もう一つの敗因は2D版で見てしまったことだろう。3Dメガネを普段のメガネの上にかけるのはつらいし、吹替えじゃなくて字幕で見たかったし……。
だが、冒頭のセリフがなく駅の構内をウネウネと進んでいく映像は3Dでないと効果半減。他にも時計や自動人形の機構もそうなんだろうなあ。--などと想像すると無念さが増すのであった。

気を取り直してストーリーやテーマの方へ視点を移すと、人物の発言や態度が一貫してなくて何を考えているのかよく分からない。辻褄が合わない部分もあるし、やるべき描写がすっ飛ばされているので唐突に見える部分もある。
一つ気になりだすと雪だるま式に不可解な点が増えてくる。例えば、メリエスの作品はフィルムが一本、映画アカデミー(だっけ?)に残されているだけなのに、なんで主人公の少年は父親と映画館で見られたのか?--とか。

それから、主人公の少年は長いこと駅で暮らしているのに外から戻ってくる度にボーッspaとして、ハッと気付くと目の前に公安官が(!o!)というパターンが繰り返されてイライラする。お前には学習能力というものがないんかいっ(`´メ)
それと子役二人(エイサ・バターフィールド&クロエ・グレース・モレッツ)の演技が小賢し過ぎて、見ているうちに段々鼻についてくるのもマイナスポイントだ。

正直に言おう。私は映画を愛していない。メリエスがどうだろうと構いはしないのだ。一方で「構う」人々の心情を外部の人間に伝える努力をこの映画は欠いていると思う。「メリエスは素晴らしい」という価値観を事前に持っていない人間には「だから何なのよ」ということになる。アカデミー賞授賞式で、映画の歴史が懐古的に語られるコーナーのようなぬるさしか感じられなかった。

それにしても、今年の受賞数を二分した二つの作品(もう一つは『アーティスト』)が、共にパリが舞台で、サイレント時代の古い映画の話で、しかも犬が活躍する--ってのは何かの偶然かね?

子役二人は同い年sign02女子と男子じゃ全然成長度が違うのね~(^_^;)ビックリ。他にはクリストファー・リーが特出。
邦題が「ヒューゴは何も発明していないのになんなんだannoy」という意見多数。だが、その真実は……下記リンクを参照のこと。


2D映像度:6点
納得度:5点

【関連リンク】
《映画的・絵画的・音楽的》
なるほど原作ではヒューゴは確かに発明をしているわけですな。
この原作は面白そう。見てみたい。


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2012年3月20日 (火)

「真鍮の評決」上・下巻

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著者:マイクル・コナリー
講談社文庫2012年

オフィスを持たず「リンカーンに乗って移動する弁護士」を主人公にしたシリーズ2作目。前作は、米国の弁護士業界のあれやこれやでビックリ(!o!)みたいな要素がたくさんあって面白かったけど、そんな褒めるほどのもんか?という印象であった。
この作品ではその時の事件で怪我をしたのが原因で一度はヤク中になり、ただ今リハビリ期間につき復帰準備中状態のところから始まる。

そこへ知り合いの弁護士が殺されて、その事件が丸ごと主人公へ委託されることになってしまう。その中には、全米騒然大注目の映画プロデューサーが容疑者の殺人事件があったから大変だ~bomb
彼は大事件と弁護士殺人の謎の双方を抱え込むことになるという次第。

ここで注目なのは、同じ作者の別シリーズの主人公刑事ボッシュが登場することである。ボッシュが弁護士殺人の事件を担当することになって、主人公の周囲に出没する。(ファンなら主人公とボッシュの関係はご存じの通り)
また、さらに別のシリーズの主人公・新聞記者のマカヴォイも登場するが、こちらは顔見世程度で全く活躍しない。もしかして、登場させたはいいが作者はうまく活用できなかったのだろうか?

謎解きの部分はもちろん、殺人事件の容疑など気に留めてない尊大な映画プロデューサーや、ショーと化した陪審員裁判などアレレtyphoonな内幕も面白い。

米国ではボッシュのシリーズよりもこちらの方が人気が出て来ているとのこと。最近は海外ミステリの出版がかなり低調になってきているそうなので、ブックオフで買ったり図書館で借りたりせず、直接購入しましょう(^_^;)。二冊で映画ロードショー料金と大体同じ。下手な映画よりずっと楽しめるのは確か。

ところで、一作目は映画化されてマシュー・マコノヒー主演で昨年公開されたんだけど、日本ではその後音沙汰なし。一体どうなったのよ(?_?; 公開されないんだったら、ビデオを出してほしいぞ。


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2012年3月19日 (月)

結城座「夏の夜の夢」:大人の夢は夜開くのよ

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原作:W・シェイクスピア
構成・演出:加藤直
会場:イワト劇場
2012年3月8日~14日

結城座がシェイクスピアをやるのは1994年の『テンペスト』以来である。その『テンペスト』、石橋蓮司が客演したもので素晴らしかった。今でもよ~く覚えている。

今回の客演は斉藤晴彦と宮本裕子。音楽は港大尋で、ミュージカル仕立てになっていたのはいささか意外だった。
荒唐無稽で猥雑なドタバタ劇でしかも結構暴力的な作品だが(ん?シェイクスピアってどれも暴力的か(^^?))それを人形が演じるのがちょうどうまく合っている。
さらに、二組のカップルが衝突する場面は人形だけでなく、操っている人間の方も一緒にドつきあうので大変な騒ぎだimpact

装置は斜めにかしいだテーブルで、それが2つに割れて役者が乗ったまま動いたりする(人力で)。
途中で何回か流れるサンバ風の曲が心地よかった。座員がリコーダーとホルンを生で吹いたのは驚き。

小さい子供が見に来ていたが……お子ちゃまには退屈だったようだ。おまけにこの「夢」はヒワイな大人向けの「夢」だから、小さい子は見ない方がよかろう。
ただ、ちっこい妖精たちが出てくる場面は、本来の意味でなんとなく「夢」見心地shineになった。

劇場は神楽坂なのだが、小さい所で分かりにくくてマイッタ(@_@;) 夜の回でもう暗かったので迷うかと思ってしまった。

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2012年3月18日 (日)

「おとなのけんか」:おとなの映画

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監督:ロマン・ポランスキー
出演:ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツ、ジョン・C・ライリー
フランス・ドイツ・ポーランド2011年

舞台劇の映画化。日本でも既に上演されていた作品らしい。
それぞれの息子がケンカしたため会った二組の夫婦--最初はうわべの友好ムードを保っていたが、ささいなことから徐々に本音が出始めて険悪ムードに変わっていくのであった。

かなり笑えた。最初はそれぞれの夫婦が対立していたのが、男連合対女連合、妻対妻、夫対夫とかクルクルといがみ合いの焦点が移動して、その度にムチャクチャ度が深化していく。

特にJ・フォスター扮する社会正義派(?)妻がその独善性をあらわしてくる件りはさすがにうまい。身長差30センチ(当社推定比)ジョン・C・ライリーの夫の酒瓶を奪おうとする場面は爆笑もん(^O^)である。
C・ヴァルツの弁護士は最初からイヤミさ全開。観客全員が「ヤな奴」(*`ε´*)ノ☆と認定するだろう。できるキャリアウーマン風K・ウィンスレットの妻は、いきなりの体当たり○○吐き演技で度肝を抜くのであった。
もっともJ・C・ライリー夫にしても、後半「男同士の絆」を見せつける様子はかなりのイヤミだ。

元の芝居が面白いなら映画も楽勝になるように思えるが、実際にはカット割りや編集にかなり凝っているようだ。見る前は、ポランスキーがこんな小品を?とか思っちゃったけどね。さすが、伊達にベテランfujiではなかった。
ラストも皮肉がきいている。

舞台では夫婦役を交換したり、週替わりで色んな役者で演じたりすると面白そう。
ストーリー全体では女の方にキビシイように見えるのは、作者が女性だからかsign02

ところで、あのアパートの構造は夫婦の寝室にバスルームがついてるのか(?_?)
子どもがトイレ行きたくなったらどうするんだろう。


夫婦の絆度:6点
夫婦のやってられない度:8点


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2012年3月15日 (木)

「TIME/タイム」:自転車操業の日々

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監督:アンドリュー・ニコル
出演:ジャスティン・ティンバーレイク
米国2011年

往年のB級SF映画臭横溢する作品。ただ、出来の方はBよりもC、D、E……down

アンドリュー・ニコルといえば『ガタカ』『シモーヌ』『トゥルーマン・ショー』(←これは脚本担当)と、やや閉鎖的な近未来風の世界を描かせたらうまいflairという印象だったのだが、これは全く冴えない出来である。

未来では、25歳過ぎると残りの寿命が一年に設定され、その時間が通貨として使用される。まさに時は金なりの世界なのだ。持ち時間が無くなると、人はコテッと倒れて死んでしまう。これぞ行き倒れというわけか。

ただ、問題はこれが全く映画向きの設定ではないということ。残り時間は腕にデジタル数字で刻まれて見えるだけで、服を着ていれば分からない。時間のやり取りは数字の増減だけでこれまたヴィジュアルとは言い難い。今イチ緊迫感がないのだった。
どうせだったら、残り時間がなくなってくるとシワシワの老人になってヨボヨボしてくるが、時間を稼ぐとプシューとふくれてお肌がツルツルになる--ぐらいにしてくれるといいかも。また、経済システムとしても出来はどうよ(^^?)ってな疑問もわいてくるのであった。

それに主人公とヒロインが逃走した末にやることが「ボニーとクライド」だという展開もなんだかなあ(-"-)。
主人公の父親が反体制の闘士だったという設定が途中でいきなり出て来て、しかもそれがほとんど生かされてないというのも大きな疑問だ。

貧困と格差を象徴的に描きたいという意図は伝わったけど、残念ながら現実の方がもっと奇異ではないだろうか。
役者もスタッフもいい所を揃えたのに、残念無念な出来になってしまったようだ。ここまで無念だと、制作時になんかゴタゴタがあったんではないかと勘繰りたくなっちゃう。
ただ一つ確実なのは、こんな世界では映画(特に長尺のやつ)なんてものを悠長に見ている人間はいないといことだろう。時間が余りまくってる金持ちは別として……。

ヒロインのアマンダ・セイフライドはアニメ絵なみにデッカイ眼で、メイクや髪型の相乗効果で近未来美女お嬢様にピッタリ。
その父親役のヴィンセント・カーシーザーは、若く見えるのに妙に老成した不思議な雰囲気を醸し出していた。

米国の興収成績はパッとしなかったのに、日本では一位になったというのにはちょっと驚いた。


鑑賞前残り時間:365日
鑑賞後残り時間:5分

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2012年3月12日 (月)

「タクティカル・ユニット 機動部隊 -絆-」:銃弾降って地固まる

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監督:ロー・ウィンチョン
出演:サイモン・ヤム
香港2009年

ジョニー・トーがプロデュースする警察アクションもの。
二週間限定でソフト発売前の景気づけ公開なのは明らかだが、六本木まで出かけて見てきましたよ。

内容はトーがかつて監督した『PTU』の続編みたいな話。シリーズで作られたものの一編らしい。見終わってから、どうも自分は『PTU』を見た覚えがないのに気付いた。
トー組の常連で作った仲間とファン向けの作品という性格が強く、警官同士の対立と和解というドラマの方はグダグダしていてかなり脱力してしまう。

もっとも、アクションの方は山や森やトンネルの中の追跡行、狭い教会での銃撃戦など工夫を凝らしている。ガンマニアな方もきっと見て喜ぶことだろう。

思えば、銃撃戦のある映画を見たのは約一年前の『ザ・タウン』以来である。
やはり二か月に一度ぐらいは派手な撃ち合いimpactのある映画を見たいもんだ。

これを上演していた映画館は六本木交差点のすぐそばなのだが、元ゲーセンで変な作りになっている。おまけに周囲は何やら場末感漂うロケーション。ここでしかやらない作品も多いのだが(特に韓国系)妙に行く気を削がれてしまうのであったよsweat01


トー度:8点
シリアス度:4点


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2012年3月 7日 (水)

「ドラゴン・タトゥーの女」:誰がハリエットを殺した?--はとりあえず置いといて

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監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ
米国2011年

『ミレニアム』は原作未読で、スウェーデン版は三部作とも見た。

今回はハリウッドでめでたくも映画化。しかも監督がD・フィンチャーってことで大いに期待flairである。鼻息も荒く(*'∇')=3 見に行ったのであった。

オープニングが「移民の歌」をバックにやたらカッコエエgood映像だと思って見ているうちに、本筋に入ると冒頭の方で富豪一族のナチスとの関係が早々に言明されちゃって、アレレ(?_?;状態ではありませぬか。

こちらのヒロイン・リスベットは、攻撃的な印象の強いスウェーデン版に比べてずっと内省的。どっちが原作に近いの?
見ているうちに、失踪事件の謎解きにはほとんど重きを置いていないことが分かった。押し花の件も放り出したままだし。オドロオドロな事実が判明していく怖さや、さらに謎の解決に伴って感じた、ある種の爽快感は望むべくもない。

その代り、ヒロインとミカエルの恋愛の方が中心になっているようだ。原作では相当なモテ男らしい主人公は、ダニエル・クレイグがやっているのでその意味ではかなりのハマリ役だと言えよう。
ただ、個人的には恋愛ものは苦手なんでね……続編が作られたとしても見に行くかどうか不明であーる(+_+)

レイティングは同じだけど、スウェーデン版より残虐描写はやや控えめな印象だな?と思ってたら、「ノーカット版」が存在するらしい。ただ寝台縛り付けシーンはボディダブルを使用してると見たがいかがでょうか(^^?)

クリストファー・プラマー扮する当主の若い頃を演じてる人はどこかで見たことあるという感じがしたが、なんとお久しぶりなジュリアン・サンズだった。
それから、ネコ(=^・^=)が優秀でビックリ。D・クレイグが手を差し出したらちゃんと「お手」をしたぞpaper 『アーティスト』の犬はカンヌでパルムドッグを取ったそうだが、本当ならアカデミー最優秀猫賞を受賞crownしてもおかしくなかっただろう。


客観点:7点
主観点:6点


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2012年3月 5日 (月)

東京文化会館ポピュラーウィーク2012「小倉博和×大貫妙子」:文化会館に謎のノイズ発生

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会場:東京文化会館小ホール
2012年2月18日

「クラシックの殿堂」東京文化会館の小ホールでポピュラーの分野のアーティストのアコースティック・ライブを行うという企画、ここ何年かやっているらしい。

この日は山弦の小倉博和が中心のユニットに、大貫妙子をゲストに迎えるという形を取っていた。もっとも昨年末の大貫妙子のライヴに小倉博和は参加していたし、他のメンバー(林立夫、フェビアン・レザ・パネ)も同様である。(他にサポートに藤本一樹という人も入った)
ただ、その割には客の入りが悪い……のは何故(?_?) 後ろの階段状の部分は空席が目立った。会場が会場だけにクラシック・ファン向けにしか宣伝してなかったのか? 渋谷の公演は満員だったのにさ。年齢層も高めだったし。

小倉博和のギターソロから始まって、ター坊が入って歌もの、バンドだけのインストゥルメンタル、それからフェビアン・レザ・パネのピアノ・ソロ(この時は生音だけで演奏)もやった。
パネ氏は実は芸大出身とのことで学生時代にクラシックの伴奏で、このホールで弾いたことがあるそうな。そうだったのか……note
それに対し、小倉氏が「僕は国士舘大学で--」と返すと会場からは驚きの「エ~ッimpact」の声が上がった。私も知らなかったのでビックリ。学生時代もその髪型をしてたのかスルドク問い詰めたいところである。

さて、途中でハプニングが起こった。「SNOW」で小倉氏が弾きながらどうも椅子から立ち上がったり座ったり中腰になったり--何してるんだろうと思ううちに、ター坊が歌詞をド忘れ。飛ばしてすぐに歌い始めたんだけど、続かずに遂に途中でやめちゃったのだった。過去に歌詞を飛ばして歌う事はあったけど、こんなのは初めてだ~(!o!)
なんでも、ノイズが聞こえて来て気になって、そうなると頭の中が白くなって歌詞も消えてしまうとのこと。小倉氏が変な動作をしてたのもギターの方でノイズが聞こえてたらしい(客席の方には全く分からず)。

ギターを交換してまた最初から歌い直して今度はオッケーだったが、途中でライティングが突然変わったりしてどうも変だった。
ノイズといやあ、天井にこの企画のために取り付けた照明があったのだが、時々ミシッという音が聞こえてくるのが不気味shadow 地震が起こったら落ちてくるんでは(@_@;)と不安になってしまった。

まあでも、その後は何事もなくスムーズに進み、予定になかったらしいアンコールの二曲目「突然の贈り物」をやってくれたのでヨカッタ(*^^)v

それ以外では、北原白秋の「この道」を聞けたのが嬉しかった。映画の「マザーウォーター」の主題歌は初めて聞いたような(多分)。

ところで、少し前に同じ会場でチェンバロ一丁のコンサートを聞いた耳からすると、ピアノとパーカッションと生ギターはPAシステム使わずとも充分だったような気が……ok


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2012年3月 4日 (日)

おたく×サブカル×秘宝

この記事が面白い。

《男の魂に火をつけろ!》より「ワッシュ的おたくとサブカル」

一番下の表は色々意見が分かれると思う。
ライトノベルの「僕友」と「ハルヒ」と「D」はそれぞれ時代が違い過ぎ~。ホラー小説も疑問。とか、ロックバンドは本当にこれでいいのか、など。
スポーツの項は笑ったけど(^O^)

さて、自分がどこに入るのかというと……(^^?)
少なくとも、「兄貴」ったら

絶対、チョウ・ユンファでしょう!

それから、「洋画」も「ダークナイト」でなくて「ニューヨーク1997」に変えていただきたい。

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2012年3月 3日 (土)

「アニマル・キングダム」:窮鼠の行く末

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監督:デヴィッド・ミショッド
出演:ジェームズ・フレッシュヴィル
オーストラリア2010年

オーストラリア産のマイナーな犯罪映画?--ではあるが、昨年のアカデミー賞助演女優賞にノミネートされて作品自体も評判になった。

予告や事前の情報ではこんな印象→母親が急死したため突然、実家に戻る羽目になった高校生の若者。これまで付き合いを避けていた一族は実は、犯罪一家だった!
警察に協力を求められるも逡巡する若者。家族の絆か正義かどちらを選ぶのかっsign02

……しかし、実際に見てみたらかなり違っていた。
冒頭、若者がTVでクイズ番組を見ている。隣では母親が眠りこけている。
突然、二人の救命救急士が訪れ、母親に救命措置を取ろうとする。彼女はドラッグの過剰摂取で死にかけているのだった。だが、その間も若者はクイズ番組から目を離せない。

と、冒頭からこの映画は「まともな話ではない」宣言をしているのだった。
母親(主人公には祖母)と三人の息子、その友人から成る「一家」の犯罪行為自体はタイトルバックで簡単に示されるだけである。物語はその後に、警察から目を付けられ「仕事」もままならない状況から始まる。

一方、警察の悪辣振りにもビックリ(!o!) 日本の警察も(一部から)悪評高いが、いくらなんでもここまでやるかっ、てなもんである。どっちが犯罪者だか分かったもんじゃねえ~bombという状況だ。
唯一の例外はガイ・ピアース扮する刑事だけだ。

犯罪一家と警察という猛獣が死闘を続ける野生の王国では、それ以外の小動物なぞ蹴散らされて死ぬしかない。どちらのテリトリーに入ろうとそれは同じだ。
窮地に追い詰められた若者が取った道は……全く予想できなかった。よくよく考えれば、確かに生き延びるにはこれしかないという方法だろうが。とはいえ、その後は?

モラルもなく、仁義もなく、善悪もなく、日常と化した暴力の連鎖がストレートに描かれる、強烈な一編である。

ジャッキー・ウィーヴァー演じる祖母は、邪気なく邪気を発していて不気味。山岸凉子が昔の作中で母性をナメクジに例えていたが、そんな感じだ。

それにしてもガールフレンドのお父さん、いい人過ぎ~。ここまで来ると危険dangerです。


客観点:8点
主観点:8点


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2012年3月 2日 (金)

聴かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 3月版

2月後半は風邪をひいて出かける元気もなく、おまけに前売りを買った映画は、行く前に終了してしまうし……(+_+)ショボショボ

*22日(木)東京・春・音楽祭「古きよきイギリスの歌」(波多野睦美&つのだたかし)
*23日(金)ピーター・ブルックの「魔笛」
これはどちらかというと「演劇」の範疇か。

他にはこんなのも
*11日(日)「クレマン・ジャヌカンの世界 2」
   〃   ロレンツォ・ギエルミ
*18日(日)スコラ・カントールム
*22日(木)無伴奏リコーダー・リサイタル(小池耕平)
*23日(金)BCJチャリティ・コンサート
*31日(土)アンサンブル《BWV2001》

東京・春・音楽祭が始まります。が、あんまり「祭」という感じがしないのは何故ですかのう(^^?

【追記】
NHK-BSでオペラの放映ありますよnotes
*ジュゼッペ・スカルラッティ 歌劇 「愛のあるところ 嫉妬あり」(チェスキー・クルムロフ城バロック劇場)
「ジュゼッペ」って、ドメニコのことか?
*ヘンデル 歌劇 「リナルド」(グラインドボーン音楽祭2011)

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