「ヴェルサイユ宮殿のド・ヴィゼー」:王は踊るよリュートと共に
演奏:佐藤豊彦、ザ・リュートコンソート
会場:近江楽堂
2012年4月21日
前回行ったコンサートではガンバのコンソートを聞いたが、この日はあら珍しや(!o!)リュートの合奏をやっていた。我がコンサート歴を顧みても「初耳」だろう。
ロベール・ド・ヴィゼーは正体不明の作曲家。1680年ごろに風のように忽然とパリに現れ、声楽・リュート・ガンバ・作曲なんでもござれと活躍し、王付きのギター教師にまでなったが、1720年にまた風のごとく消えたという。
で、最初にやったのがトレブル・リュート(ちっこくてきゃしゃな高音を出す)、アルト・リュートにさらにテオルボが3台の合奏である。曲によってはリコーダーも参加した。
ルイ14世は朝、起きてからこの編成の合奏をバックに踊るのを日課としていたそうである。
確かに、ガンバ・コンソートのような重層の音の連なり、ではなくて撥弦楽器だから聞いているとなんかチャンチャカチャンという感じで飛び跳ねたくなっちゃうヽ(^o^)丿
じっと座って鑑賞用として聴くのはどうか(^^?)という印象だ。
また、会場の狭さや構造、楽器の特性もあって6人並んでうまく合わせて演奏するのは大変そうだった。
なお、トレブル・リュートは後のマンドリンの元祖とのことである。もっとも、その「マンドリン」も現在のマンドリンとはまた違うそうだ。う~む、色々ためになります。
その後はバロックギター(秋山幸生)、テオルボ(櫻田亨)のそれぞれ独奏が続く。テオルボではリュリ作品の編曲版なども。
休憩を挟んで佐藤豊彦のリュート・ソロで組曲を演奏した。
ド・ヴィゼーの曲はどれも当時の宮廷を彷彿とさせる雅な雰囲気にあふれているが、一方で曲が似通って聞こえるところもあったりして(^^;ゞ
とはいえ、オール・ガット弦による響きを心行くまで味わえたコンサートであった。(通奏低音や声楽曲の伴奏では調弦の時間がかからないように、ナイロン弦使用が多いようなんで)
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