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2012年4月 3日 (火)

「ヤング≒アダルト」:曲がり角はぶつけるとイタい

120403
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:シャーリーズ・セロン
米国2011年

『JUNO/ジュノ』の監督&脚本家コンビが復活して作ったコメディ。もっともほとんど笑えない。つまらないからではなく、ヒロインがあまりにアイタタタタタタな人物だからだ。
その痛い(*_*;ヒロインに扮するはシャーリーズ・セロンである。どこから見ても美人な彼女だから余計にイタさが増すのであった。

三十代といえばお肌と人生の曲がり角。かつて高校時代は「学園の女王」だったヒロインもバツイチで、仕事も不調。酔っぱらって化粧も落とさず服のまま寝てしまうなど日常茶飯で、公私ともに絶不調なのであった。そこへ学生時代に付き合っていた元カレから子どもが生まれたというメールが来る。
恐らくは一斉メールで挨拶程度に送られたメールに彼女は突然発奮<`ヘ´>、元カレを奪回しに故郷へと向かうのだった。

なぜ、ヒロインが唐突にそんな行動に出たのかは終盤で明らかにされるが、その事情を差し引いてもイタタタなのはどうしようもない。
彼女の仕事はヤングアダルト小説の人気作者のゴーストライターという設定になっている。日本だと外国のYA小説は文学寄りなイメージだが、どちらかというとラノベやケータイ小説に近いようだ。
しかも、何が驚くって、彼女は町で見知らぬ高校生の会話を耳にしてそのまま小説に使うだけでなく、現実に元カレに対しても使ってしまうのだ これはイタ過ぎである。

かつての「女王」の神通力は「大人」の社会では通用しない。かろうじて残っているのは、生暖かく見守って助言をくれる元同級生のヲタク男と、未だに彼女を崇拝しているその妹ぐらいである。

ヒロインは果たして最後に一皮むけて成長したのか、それとも相変わらずイタタなまま吹っ切れてしまったのか--これは観客それぞれ解釈が異なるところだろう。映画の主人公が結末で成長しなくてはならないという決まりはないし、自己チューな人物が必ず罰を受けるという法則もない。そういう意味ではなんのカタルシスも結論もこの映画には存在しないのだった。

まあ、この主人公には遥か遠方から、頑張って下せえとエールを送るに留めよう。ただ、古傷をバラされた元の彼氏にはお気の毒としかいいようがない。

その元彼役のパトリック・ウィルソンは、昔はカッコ良かったのかもしれないが今は平凡な父親という役柄をうまく演じていた。ヲタ男の悲哀をにじませるパットン・オズワルトはエエ味を出している。
もっとも、最大の功労役者はやはりC・セロンだろう。彼女でなかったら、魅力70パーセント減は間違いなし。

キティちゃんのTシャツをヒロインが着ているのが話題になったが、私は終わりの方で来てた黒のスター・ウォーズTシャツが欲しいぞ(^O^)ノ
思い出の曲はティーンエイジ・ファンクラブだったのね。その他、懐かしいバンドの曲が使われていた。


痛さ:9点
笑い:5点

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