「"ヴェネツィア"~謝肉祭(カーニヴァル)の街のざわめき~」:銀座に一夜限りの古の劇場が復活
演奏:ル・ポエム・アルモニーク
会場:王子ホール
2012年5月24日
ヴァンサン・デュメストル率いるル・ポエム・アルモニークについては、前回の来日公演にも行った。(ついでに「カドミュスとエルミオーヌ」のDVDの記事も)
この公演では、前回より器楽メンバーが若干少なく管楽器担当はいない。隆盛を極めた海上都市ヴェネツィアの光景を音楽で再現しようというものである。
休憩なしで、照明を極端に絞り当時の劇場のようにフットライトを主にした薄暗い中で演奏される。
演奏会形式だが、歌手はP・ラザール振付のジェスチャーを付けて歌ったのであった。
冒頭はモンテヴェルディの歌曲が2曲。その間にマリーニのソナタを挟んでいるのだが、この若手女性のヴァイオリンが激情ほとばしる感じで驚く。マリーニの曲がこんなにパッション溢れたものだったとは--思いもよらず、正直驚いた。
船に乗り合わせた客を歌ったコミカルな曲の後に、激しい恋心を歌った曲が続いた。マネッリとフェラーリという作曲家は全く知りませんでした(^^ゞ
パーカッションががまた鋭く雄弁である。いずれもソプラノのクレール・ルフィリアートルや三人の男声歌手が代わる代わる現われ、芝居のように動作をつけていた。
デュメストルはテオルボ担当でもう一人撥弦楽器担当者と並んで弾いていた。後はリローネとヴィオローネ、後者は曲によって横に抱いて弦をはじいて演奏。
ただ、残念だったのは会場が暗くてパンフの対訳が読めなかったこと。歌詞が長い歌が多かったし、コミカルな曲は特にもどかしかった。聞けば横浜公演ではちゃんと字幕が出たとのこと。王子ホールは小さいのが災いしたのか、残念無念であ~る。
開演前にざっと見はしたんだけど、直に分かればもっと楽しめただろう。
アンコールは本プログラムでも歌った「ニンフの歌」と「Obravagente」というひょうきんな感じの歌で、会場の拍手鳴りやまず、一同出て来て後者をもう一度歌ったのであった。
客席になんだか見覚えのある白髪まじりのモジャモジャ頭の人がいるなあと思ってたら、つのだたかし氏であった。終わった後、周囲の人たちと「タブラトゥーラでも……」などと冗談交じりの会話がもれ聞こえてきた
次回のタブラ公演ではステージを真っ暗にして、誰が何を弾いているか分からない「闇鍋コンサート」を提案いたします(^O^)/
| 固定リンク | 0
コメント