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2012年7月22日 (日)

「メルトダウン」

120722
ドキュメント福島第一原発事故
著者:大鹿靖明
講談社2012年

私は最初、原子力エネルギー依存を今すぐゼロにするのは無理だから、徐々に代替エネルギーへと転換していくのがいいと思っていた。
しかし、この本を読んで考えを改めた。やはり数十年かけた計画なんてヌルイことを言ってはいられない。

内容は三部構成になっている。
第一部は3.11大震災から原発事故が、一旦収束するまで。その間の官邸や東電の動向が描かれている。全て公式な資料と直接取材からなり、全て出典が記されているという念の入れよう。
手探り状態で段々と両者の関係が悪化していく中、なんとか事故が収束できたというのは4月中頃だったという。つまり、それまでは実際どうなるか分からなかったわけだ。

残りの章は菅政権崩壊までの政財官、特に官僚の暗闘である。省庁同士、さらに同じ省内でもエネルギー守旧派と改革派のさや当てなど、様々な思惑がうごめく。それは驚いたことに原発事故の収束前--というより事故直後から繰り広げられていた。
そして脱原発へと傾いた政権への「菅降ろし」の動きが起こる。

読んでて笑ってしまったのは、首相がフランスのサミットに出席していた時、会談の原稿に必ず経産省の官僚が「原子力エネルギーは変わらず重要であるが」のような文言を入れたという。首相が何度読み飛ばしてもまた次の原稿に入れてあったというエピソードである。シツコイ(・o・)

震災や原発事故も片付かない時期にこんなことに血道を上げていたとは驚いたことである。被害にあった人々のことなどどうでもいいとしか思えない。
これでは、もしまた同じような事故が起こっても同じようなことを繰り返すだろう。
暗澹たる国の未来である。

ところで、著者は朝日新聞の経済部→「アエラ」誌の編集部にいるのだが、出版は朝日じゃなくて講談社なのね(~o~)


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