「...Viva Napoli!!!」:ナポリを見て、聴いて、食べて死ね
演奏:アンサンブル・リクレアツィオン・ダルカディア
会場:近江楽堂
2012年6月29日
普段は海外で活躍する4人組グループの定例演奏会。この前の回は守備範囲外だったんでパスしたが、さらにその前の公演に行ったのは感想はこちらです。
今回はゲストに野入志津子を招きアーチ・リュートを加えて、ナポリで活躍した作曲家の知られざる作品を演奏した。
というわけで取り上げられた4人の作曲家全員知らなかった、すいませ~ん(^^ゞ
チェンバロの渡邊孝の解説文には、中でもニコレ・フィオレンツィアとドメニコ・アウレッタの楽譜をナポリ音楽院の図書館にわざわざ出向いて、死闘の末になんとか撮影して帰ったという苦労話が書かれている。
そのせいか、チェンバロは会場備え付けのねじりチョコドーナツの脚を持つヤツではなく、イタリアンを使用であった。
フィオレンツィアは生没年1700年~1764年というナポリで活躍したヴァイオリニストだという。一曲目の「トリオ ロ短調」は意外にも正統バロック風の曲だった。リュートが加わると通奏低音にドンと厚みが出る。
次の「2つのヴァイオリンとチェロ・オブリガードとバスのためのコンチェルト」はバロックからは逸脱した作風。楽章によって抒情的、あるいはガシガシと進むチェロを2ヴァイオリン(松永綾子、山口幸恵)が彩りを添える。さすが懸田貴嗣のチェロは
続くソナタでは松永女史(髪型変えてたのね)がヴァイオリンを縦横に弾きまくった。
アウレッタは休憩後にコンチェルトを演奏した。オルガニストで、フィオレンツィアよりも二十数年も後に生まれただけあって(ただ十年も早く若死にした)、曲調は完全にプレ古典派の趣きだった。チェンバロが派手に活躍する華麗な作品で渡邊氏は大いに腕前を発揮。ただこの曲が結構長くて、しかも私には完全守備範囲外なんで「早く終わってくれないと沈没する~」と思ったのも事実である(ーー;)
後半のファルコニエーリとヴァレンテは一気に一世紀以上も時代をさかのぼって16世紀末の作曲家だった。短く表題の付いた曲を合間なしに一気に連続演奏したんで、戦争を描写した曲やら、恋人に捧げる曲やら舞曲やら様々なイメージが変転。気が付いたら終わったのであった。
全体にこのグループの持ち味、溌剌とした演奏を十分に味わえたコンサートだった。
ついでに渡邊氏の文章にあったナポリのピザもどんなもんか食べたくなった。よく分からんが想像しただけでヨダレが~(^Q^;)
会場は満員状態で補助席も出たもよう。
次回は16世紀後半のイタリア・オーストリアの音楽の旅とのこと。楽しみであるよ
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