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2012年8月19日 (日)

「メリダとおそろしの森」(3D字幕版):母は強くてコワい。●●に変わる前から

120819
監督:マーク・アンドリュース、ブレンダ・チャップマン
声の出演:ケリー・マクドナルド
米国2012年

ピクサー初の女性(人間の)主人公作品ということで期待と不安が半々。わざわざ3D字幕版を探して行ってきた。
予告ではかなりファンタジー色濃い印象だったんだけど……。

実際見てみると、こいつは母と娘の関係がテーマの話。中世スコットランドの王家を舞台に展開するファンタジー的な部分は中心ではなかった。

母親は自分と同じように、娘に対して結婚して夫を支え家(国)を支えるように願う。そりゃあ自分もイヤで我慢だったけど(と自ら発言しちゃってます)、自分と同じようにすれば娘も幸福になれるはず--と考える。
娘は、そんなのお断り。押し付けは嫌だ、自由に生き方を選びたい。母親は自分の生き方を押し付けないで、変わって欲しい。
両者は互いに話し合うことはなく、相手が自分の考えを受け入れることを願うのである。

特に娘のメリダは「家を出たいsoon」とか「母親なんてガン無視(ーー゛)」とは思わず、母に「変わって欲しい」と願うのに注目。これはそもそもかなり無理な要望である。自分よりも倍の年月を生きて安定した生活を獲得してきた人間に変化しろといっても難しい。

しかし、娘は森で偶然出会った魔法使いの怪しいバーサンにそれを願っちゃうのであった。その結果は……。

背景と展開は中世でファンタジーであるが、母娘の問題の解決は現代的で現実的である。恐らくは母娘の関係を壊さずに済む最も最良の結果を描いたといえよう。
ただ、これが奇想天外なファンタジーを期待してきた人に向いているかどうか問題だ(邦題もかなり騙しているんでは?)。それに前半部分は、これがピクサー作品か(?_?)と思うほどにややかったるい展開である。
大体にして「愛と勇気の大冒険」をするのはメリダより母親の方みたいだし。

お子ちゃまよりも、その引率の母親の方が身近な問題として見ていたかも。子どものいない私は、「母は強しpunch」な描写に思わず「おかあさ~ん」と叫びたくなってしまいましたよヽ(^o^)丿

その一方、父王も含めて男たちの情けないこと。トホホ((+_+))状態である。熊退治も結局できなかったしね。
これでもし婚約候補者に上べだけでも賢くてイケメン男が一人いたら、どうなっていただろうか。母と娘の問題にテーマを絞りたいという作り手側の意図があったのか?
ところで、あの魔法使いのバーサンは全てを分かっていて仕組んだという説に一票paper

今回のCG描写はメリダの赤毛のフワリン状態と、クマの毛並みの滑らかなサヤサヤ感が「売り」だったもよう。

恒例の短編はなんと二つもある大盤振る舞い状態。
視覚的な面白さやお話のかあいらしさでは、『月と少年』がいい。イタリア漁師風の祖父・父・息子が夜の海に漕ぎ出して……オチも笑える。
もう一つは『トイ・ストーリー』の後日譚の『ニセものバズがやって来た』である。ここでは映画館の飲み物のオマケに付いてくる期間限定のフィギュアや人形が登場。彼らは夜な夜な、あっという間に忘れ去られた苦悩を語り合う自助グループの集会を開くのであった。こういう小ネタを拾うのが本当にうまい。こちらは大きい人向けのひねった話である。


ピクサー度:5点
墓守娘度:7点


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