「名橋たちの音を聴く」:東京の橋の下、唄は流れる
橋の下で聴く涼やかなルネサンス・リコーダーと声楽の響き
演奏:太田光子、辻康介
会場:橋の下
2012年8月25日
「橋の下」というと、私ぐらいの年代の人間にはすぐ思い浮かぶのは、子どもの頃親によく言われた「お前なんか橋の下から拾ってきたんだから。ウチの子じゃないんだからね」という定番の脅し文句であろう。今の親も言うのかしらんけど(^O^;
その橋の下でルネサンス音楽を聴くという、珍しや船上コンサートがあるというので行ってみた。確か去年もやっていて、その時も興味があったけど行きそこなっちゃったんだよね。
場所は日本橋の船着場から近くの橋を、川を上下して回るという趣向だ。この日も猛暑で飲料水必携飲まないと倒れる~(@_@;) 演奏家はこんな日に4回も演奏するんだからご苦労さんである。
定員30名で結構ギチギチに座る。船が出て辻氏のオリジナル歌曲から開始。続いて太田女史のリコーダーでファン・エイク作品を独奏となった。川の上では音は拡散するし、頭上をを走る高速の車の音がうるさいが、橋の下に入ると当然残響があって、コンサートホールのようにいい音であった。
潮位のせいか、演奏する太田女史の頭が橋の下の天井(?)に届きそうになって、あわててバックするというハプニングもあった
バロック形式で作られた橋の下ではバロック曲を、ルネサンス風様式の橋ではルネサンス曲をと場所に合わせた演奏をし、さらにその合間に辻氏や鳥越けい子による橋や周辺の土地についての解説が入るという盛りだくさんだ。
常盤橋と常磐橋というのが隣り合って架かっていて、「常磐」の方は135年前に江戸城の石を使って作られたのだという。まだ、周囲にお堀の生垣の名残りが残っていてビックリした。また、そこに立ちふさがるように建っている日本銀行本店についても面白い話を聞けた。
日本橋では、関東大震災の時に船がぶつかってできたという黒い傷が残っているのも見たぞ(=ΦωΦ=)キラーン☆
昔は河といえば交通の要衝で、建物は全てに正面を向けて建っていてたが、今はどれも背中にして建設されているという。寂しい話ではあるが、オフィスビルの「裏側」に作られてる給湯所の窓から、お茶碗洗ってたOLのおねーさん達が手を振ってくれたからよしとしよう。
ラストは日本橋に戻って「きれいなねえちゃんよ」(^_-)-☆という世俗歌曲で終わった。リコーダーも吹きまくり、ちょうど目の前の川岸にあるビアガーデンの客からも拍手喝采が起こったのであった。うひゃー、船上でも一杯( ^^)/▽☆▽\(^^ )やりたいね~。
コンサートホールの存在しない頃に街中で演奏されていた音楽の在り様を一部でも感じ取れて、面白くタメになったコンサートでよかった。ただ、排気ガスがやっぱりひどくてなー。それが難である。
夕方の回だったんで、後半は涼しくなったが、午後2時からの回は非常に暑かったそう。ますますご苦労さんです
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コメント
なんとも乙でセンスのいい企画!運河がやたら多いオランダの町でもやったらいいのに。
それにしても、バロックやルネッサンス風の橋があるんですね~、東京にも。じっくり橋を眺める余裕をあまり感じさせない都市ですが。。。
次回は、ビアガーデンと共同主催の納涼大会で『水上の音楽』という具合だともっとよろしいかと。
投稿: レイネ | 2012年8月30日 (木) 23時02分
日本橋の上に立っている柱には麒麟や獅子の装飾があって、これはバロック様式を模したものらしいです。
普段はロクに見ないで通り過ぎるだけですからねー。
|ビアガーデンと共同主催の納涼大会で『水上の音楽』
楽しそうですね! ただ、ヘンデルみたいな大編成でやると収支が合わないかも……。客より奏者の方が多い?
投稿: さわやか革命 | 2012年9月 1日 (土) 12時49分