「トガニ 幼き瞳の告発」:力技一本
韓国で実際にあった児童への性的虐待事件を告発した映画。原作は小説だが、色々と圧力があってノンフィクションとしては発表できなかったらしい。しかしこの映画が公開された後、法律が改正され、舞台となった学校が閉鎖されるなど社会を動かしたことも話題になったそうな。
犯罪の舞台は寄宿舎制のろう学校で、しかも立場が弱い子供を狙ったらしい。
まことに卑劣だが、その卑劣な犯罪を実際に映像に描いてしまっているところが韓国映画らしい「濃さ」というか、恐ろしいというか、正視できないというか……(> <) 年齢制限がR18なのも納得である。
この手の犯罪を取り上げるにしてもこんなにストレートには描かないのが普通だろう。演じている子役に影響があるかもしれないのと、作品の主張に関わらずそういう映像自体を見て喜ぶヤツがいるからである。
見ているこっちが冷や汗が出てくるくらいだ
事件を告発する新任教師役はコン・ユで、韓国では人気二枚目俳優だそう(すいませ~ん。その方面はうとくて無知なんですm(__)m)。告発映画の主人公にしてはなんだか煮え切らない印象だが、熱血教師みたいじゃない所がかえってよかったのかも。また彼がどうして告発に至ったのかという動機がはっきり描かれているのは説得力があった。
それとは正反対の直情一直線な、人権団体の女性とのコンビでちょうど釣り合いが取れているか?
前半はちょっとダルい感じだったけど、警察・検察・裁判所がグルになって犯罪隠蔽へ動くのを容赦なく描いているのには感心した。ものすごい力技である。
それにしても、実際の事件でも校長は双子だったの(?_?) なんか不気味さ二倍である。
さて、性犯罪でなくても不正が職場や身近な場所で行われているのを知ったらどうするか……? 私にはとても告発する勇気はない。
しかも、往々にして事件が起こっているのかいないのか、定かでない噂として流れてくる事もある。
こういう場合「周囲は見て見ぬふりを」などという批判が出るが、じゃああんたは隣に座っている同僚や上司を告発できるのかと問いたくなる。
実際にこの事件を告発した人たちは勇気があったってことですね……(v_v)
告発度:9点
児童福祉度:微妙
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